今回は久しぶりに真面目な話。
楽器を演奏している人なら誰もがやる可能性があるもの、それがソロです。
ソロとは一人がメインで演奏し、残りの人は伴奏というもの。
私はソロには二種類存在すると思う。
1つは自我を抑え協調性を最大限に引き出し周りと一体となるもの。
1つは自我を開放し感性の趣くままに演奏するもの。
私自身、サックスという楽器をやってきて多種多様なソロを演奏してきた。
ジャズのアドリブソロや吹奏楽のクラシックソロ。ポップスソロ・・・。
上記の二種類もどちらも経験してきたが私としては後者より前者の方が断然難しい。
それがなぜかはここでは置いといて。
ソロというのはただ何も考えず演奏しても良い演奏とは言えない。と思う。
いろいろ試行錯誤してきたが、ソロを演奏するに当たって根本的に必要なものを考えてみた。
(私は管楽器奏者なので管楽器目線で書かせていただく。)
①どういう風に吹きたいか。
これは「自分はこのソロをどういう感じで演奏したいか?」と言うこと。
静かな感じで吹きたいのか荒々しく吹きたいのか。自分の中でしっかりと考える。
②楽譜を声に出して歌う。
これはとても重要なこと。「声に出して歌えないフレーズは吹けない」とはよく言ったものでソロにも当てはまる。逆に言えば声に出して歌えるのならどんなに難しい譜面も必ず吹けるようになる。はず・・・。
また、声に出すことでリズム等を身体に覚えさせる。
③書いてある譜面を全てそのまま吹こうとしない。
これは違う譜面を吹くという意味では無く、そのまま吹くなって意味です。
譜面に書いてあるアーティキレーションや強弱記号を完全に守るのは止めましょう。
たしかに譜面を書いたのは作曲者ですが、演奏するのは自分。
ソロとはある程度「個性」というものが必要になってくるので、譜面をそのまま吹く必要はない。
もちろん、そのまま吹くのが一番良いと思えばそのまま吹けばいいが。
④うたう。
言葉の通りです。つまり感情を込めて演奏する。
もらい泣きという言葉があるように、感情というのは人に伝わります。
感情を込めて吹くと、多少間違ってもそれがソロになりますから。
「感情を込めて吹く」というのが難しいと思う方は、簡単な方法を。
頭の中でソロのメロディーを歌いながら吹くんです。
⑤間違いもソロ。
吹奏楽などのソロは難しいものが多いです。本番で間違ってしまうこともあるでしょう。
しかし、間違ってしまっても本番ではやり直しはききません。
重要なのは間違ったと気付かせないこと。
もし間違ってしまっても、それもソロの一部分だと思わせることが大事です。
⑥緊張を見せない。
人間は少なからずとも誰でも緊張します。
時に人前で一人で立って演奏となるとどんな人でも少しは緊張します。
管楽器演奏者にとって緊張してもっとも怖いことは、覚えていた譜面を忘れることよりも、指が動かなくなることよりも、音が震えてしまうことでしょう。
音が震える=ビブラートではありません。
緊張して音が震えると観客に100%緊張していると気付かれます。
しかし、緊張するなという方が無理です。
大事なのはどんなに緊張していてもそれを心の中に押さえこみ、いつも通りの演奏をすること。
これには少しトレーニングが必要です。
もちろんこれ以外にもたくさん大事なことはあると思います。
特殊なテクニックや吹き方等は上記のことを満たした上でのこと。
今までソロを経験したことのある人に「あのソロは自分でどうでしたか?」と聞いて、「完璧に吹けたよ。」とか「最高の演奏が出来たよ。」とかいう人はあまりいないでしょう。
ほとんどの人が「ちょっと間違えたな。」とか「あそこをもうちょっと吹けばよかったなぁ。」とか。
でも私は思います。
ソロを演奏し終わって、自分で「完璧に吹けた!」と確信できる演奏よりも、「ちょっといまいちやったなぁ。」と思う演奏の方が良い演奏のような気がします。
向上心があった方が絶対良い演奏が出来る思いますよ。