・人を動かす3原則。①批判も非難もしない。苦情も言わない、②率直で、誠実な評価を与える、③強い要求を起こさせる。
・①批判も非難もしない。どんな悪い奴にも理解する余地がある。
・②深い思いやりから出る感謝の言葉、心からの賞賛というポジティブな言葉が人を動かす。
・③強い要求を起こさせる。相手の立場になり相手の利益になることを伝えてからお願いをする。具体的な利益を相手に想像しやすいように働きかける。

・人に好かれる6原則。①誠実な関心をよせる、②笑顔で接する、③名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない、④聞き手にまわる、⑤相手の関心を見抜いて話題にする、⑥心からほめる。

(人を説得する12原則)
・①議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。
『二人の人間がいて、いつも意見が一致するなら、そのうちの一人はいなくてもいい人間だ』思いも及ばなかった点を指摘してくれる人がいたら感謝しなければならない。この指摘は、重大な失敗をあらかじめ防ぐきっかけを作ってくれているのだ。
・②誤りを指摘しない。
「おそらく私の間違いでしょう」と言って、面倒の起きる心配は絶対にない。むしろ、それで議論は収まり、相手も、こちらに負けず寛大で公正な態度を取りたいと思うようになり、自分も間違っているかもしれないと反省する。
・相手の間違えを頭から決めつけるやり方は、効果がないどころか、結局は、相手の自尊心を傷つけ、みんなからも敬遠され、話し合いもできなくなるのが関の山だ。
・③誤りを認める。
自分が悪いと知ったら、相手にやっつけられる前に自分でやっつけておいた方が、はるかに愉快ではないか。自分に誤りがあるとわかれば、相手の言うことを自分で言ってしまうのだ。そうすれば相手は何も言うことがなくなる。十中八九まで、相手は寛大になり、こちらの誤りを許す態度に出るだろう。
・どんな馬鹿でも過ちの言い逃れくらいはできる。事実、馬鹿は大抵これをやる。自己の過失を認めることは、その人間の値打ちを引き上げ、自分でも何か高潔な感じがして嬉しくなる。
・④穏やかに話す。
リンカーンの名言「バケツいっぱいの苦汁よりも一滴の蜂蜜の方が多くのハエがとれる」をよくことを心にとどめておく。
・⑤イエスと答えられる問題を選ぶ。
まず、相手がイエスと言わざるを得ない質問をする。次の質問でまたイエスと言わせ、次から次へとイエスを重ねて言わせる。相手が気づいた時には、最初に否定していた問題に対して、いつの間にかイエスと答えてしまっているのだ。
・⑥しゃべらせる。
相手の言うことに異議を挟みたくなっても、我慢しなくてはいけない。相手が言いたいことをまだ持っている限り、こちらが何を言っても無駄だ。大きい気持ちで辛抱強く、しかも、誠意をもって聞いてやる。そして、心おきなくしゃべらせてやるのだ。
・⑦思いつかせる。
人から押し付けられた意見よりも、自分で思いついた意見の方を、我々は、はるかに大切にするものである。すると、人に自分の意見を押し付けようとするのは、そもそも間違いだと言える。
・⑧人の身になる。
相手は間違っておるかもしれないが、相手自身は、自分が間違っているとは決して思っていないのである。だから、相手を非難しても始まらない。非難は、どんな馬鹿者でもできる。理解することに努めねばならない。賢明な人間は、相手を理解しようと努める。
・⑨同情を寄せる。 口論や悪感情を消滅させ、相手に善意を持たせて、あなたの言うことを大人しく聞かせる魔法の文句を披露しよう。「あなたがそう思うのはもっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」こう言って話を始める。
相手を自分の考えに引き入れたいならば、相手の考えや希望に対して同情を寄せる。
・⑩美しい心情に呼びかける。
顧客の信用状態が不明な時は、相手を誠実で正直な人物とみなし、そのつもりで取引を進めると間違いがない可能性が高い。要するに、人間は誰でも正直で、義務を果たしたいと思っているのだ。これに対する例外は、比較的少ない。人を誤魔化すような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、好意的な反応を示すものなのだ。
・⑪演出を考える。
市場での競合状況について、依頼主から資料が欲しいと言われ、報告書を提出したが、結果を残せなかった。次の打ち合わせの際に、数字の表や資料にこだわらず、調査した事実をドラマ的に演出してみせることで、無駄な議論が起こらず建設的な議論ができた。
・⑫対抗意識を刺激する。
業績が上がらない工場があった。工場の床の上にその日に夜勤組が生産した数量『6』を書いた。次の日の昼勤組が『6』を消し「7』と書いた。その日の夜勤組は、対抗意識をさらに燃やし、『9』と上書きした。

人を変える9原則
・①まずほめる、②遠回しに注意を与える、③まず自分の過ちを話したあと相手に注意する、④命令をせず、意見を求める、⑤顔を立てる、⑥わずかなことでもほめる、⑦期待をかける、⑧激励して、能力に自信を持たせる、⑨喜んで協力させる。
・④決して命令をせず、自主的に仕事をやらせる。こういうやり方をすると、相手は自分の過ちが直しやすくなる。また、相手の自尊心を傷つけず、重要感を与えてやることにもなり、反感の代わりに強力の気持ちを起こさせる。押し付けがましい命令は、後にしこりを残す。たとえそれが、明らかな誤りを正すためであってもである。
・⑥本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果をあげる。小手先の社交術を説いているのではない。新しい人生のあり方を述べているのである。人を変えようとして、相手の心の中に隠された宝物の存在に気づかせることができたら、単にその人を変えるだけでなく、別人を誕生させることすらできるのである。
・⑦相手をある点について矯正したいと思えば、その点について彼はすでに人よりも長じていると言ってやることだ。「徳はなくても、徳ある如く振る舞え」とはシェイクスピアの言葉である。相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるのが良い。良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。