・起業家について、一般的に誤解されている「3つの神話」について紹介する。①起業は1人で行うものだという誤解。②企業家はみなカリスマ性を備え、それが成功の鍵となっているという誤解。③起業家になれるかどうかは生まれ持った資質によるもので、成功は遺伝子によって決まるという誤解。
・発明を商業化する能力こそが、真のイノベーションには欠かせない。
・MITの調査結果によると、創業は個人よりも、複数の共同創業者で行う方がうまくいく。
(ステップ1。市場を細分化して理解する)
・唯一の必要十分条件は、「代金を払ってくれる顧客」である。代金を払ってくれる顧客がいるからビジネスが成立するのである。ビジネスを定義するのは、製品ではない。製品を買ってくれる顧客がいなければ、ビジネスはできない。だからこそ、「市場」が成功の鍵を握っている。
・誰にでも売ろうとしせず、ターゲットを絞る。製品を買ってもらえる理由や市場シェアを拡大していけるという根拠がない状態では、巨大市場に入り込んでもおこぼれはもらえない。
・まずは、ブレーンストーミングを行なって、どの市場にビジネスチャンスがあるかを考える。アイデアや技術を見つけても、市場や使用用途がわかっていないとイノベーションは起こせない。
・アイデアを活かせる業界がいくつか見つかったら、顧客ではなく最終的に製品を使うエンドユーザーに焦点を絞る。より具体的に、エンドユーザー像を考え、なぜ消費者がその製品を購入しようとするのかを考える。
・いくつかある候補の潜在市場を絞り込む際に用いる判断基準を7つ紹介する。
①ターゲット顧客は十分な資金があるか?
②ターゲット顧客は簡単に製品を手に入れられるか?
③ターゲット顧客が製品を買うもっともな理由はあるか?
④今日直ぐにでも、パートナーの協力を得て完成品を提供できるか?
⑤市場に定着しているライバルはいないか?
⑥ひとつの分野で収めた勝利を新たな分野に参入するための力にできるか?
⑦市場は創業チームの価値や情熱や目的にあっているか?
・市場を絞り込んだら、その市場の一次調査を行う。顧客と話したり、顧客の動向を観察することで、どの市場が最適かを見極める。顧客から、製品の設計や課題に対する答えを与えてもらうことをアテにしないように。目的は、顧客の痛みを理解し、それを解決する価値ある製品をのちに提供することである。
(ステップ2。足がかり市場を決めよう)
・市場機会は多ければ多いほど成功率が高くなるという考え方が成功確率を低くする。新事業を成功させるには、絞り込みが不可欠である。成功のカギは、市場を選ぶ能力と、それ以外の市場をキッパリと捨てる意思である。
・最大、あるいは大きすぎる市場は、たとえ「最適に思えても避けるのが賢明である。最初の市場は多くを学ぶことになるため、潜在顧客に素早く浸透できるよう、市場規模の小さい市場が理想的である。
・市場を定義する3つの条件は、①市場内顧客が類似製品を購入している、②市場内顧客に対する販売サイクルと、それぞれの製品への期待が似通っている。③市場内顧客が購入決定の際に口コミが効く」である。この3条件を満たせば、適切な規模の市場を手に入れて、起業家なら誰もが望む「口コミによる急速な伝播」が起こるチャンスも増える。
(ステップ3。エンドユーザーを定義する)
・絞り込んだ足がかり市場内でも、対象とするエンドユーザーはさまざまである。
・エンドユーザーの細分化が不十分だと、「エンドユーザーはなぜ自分の製品を利用したいか」という設問を明確にすることができない。市場の一次調査をさらに続け、エンドユーザーのプロフィールをより具体的にすることで、人口統計上の特定のグループが何を最優先にするか、提供しようとする製品はどのように位置付けられるか、どのような特色を持たせるべきか、どのようなメッセージを伝えるべきか、どのような口コミを広げたらいいか、といった情報が得られる。
(ステップ4。足がかり市場の最大岐路を算出しよう)
・足がかり市場を特定し、エンドユーザーのプロファイルを作成したところで、足がかり市場の最大市場規模(TAM)を算出する。TAMとは、その市場で100%のシェアを達成した時の年間売上高である。
・TAMを算出するやり方は、基本的にはボトムアップ分析であるが、トップダウン分析をボトムアップ分析の補完として分析を行うこともある。ボトムアップ分析は、顧客リストや顧客情報からどのくらいの顧客がいるか分析するやり方である。
(ステップ5。潜在顧客像をイメージする)
・潜在顧客像である「ペルソナ」を作る。ペルソナを実在の人物にすることで、正しい答えは一つになり、より具体的に製品開発を進めることができる。
・ペルソナを理解する上で重要なのは、購入基準となる優先順位である。
(ステップ6。製品のフルライフサイクルを知ろう)
・フルライフサイクルユースケースを視覚化すると、製品が顧客のバリューチェーンにどのように組み込まれているかがわかるだけでなく、製品が受け入れられない要因もはっきりする。
(ステップ7。製品仕様を視覚化する)
・ハイレベルな製品仕様とは、基本的には「絵を描く」ことである。この時点では製品を売るのではなく、顧客の意見を聞き、製品仕様の強みと弱みをより深く理解する。また、製品の各特徴がどのように顧客の利益になるかを、具体的に表現する必要がある。
(ステップ8。製品の価値を数量化する)
・提案する価値をペルソナの優先事項に合わせる。
・ペルソナの優先事項を理解したら、その要素に焦点を合わせる。
・フルライフサイクルユースケースをもとに「現場」を理解し、図表にする。次に、新製品を使用した場合の「未来」において、どのように価値を得られるかを説明しながら、ペルソナの最優先事項に基づいて明確に示す。
(ステップ9。見込み10人を見つけよう)
・エンドユーザーの代表者として「ペルソナ」を設定した。一方、製品を確実に成功させるためには、他の見込み顧客も想定する必要がある。
(ステップ10。事業のコアを定義する)
・コアとは、顧客にとって価値あるものを提供する上で、ライバル企業より効果的にできる「強み」である。
・コアを見つけること、顧客を中心に考える他のステップとは違って、自分たちについて考えることに多くの時間を費やす。
・大切なのはコアを明確にすること、また、コアを絶えず逆転させて戦略を策定したり、実行するときもコアを中心に考えることである。
(ステップ11。市場の戦略的ポジションをとろう)
・競争的ポジショニングを定義すれば、ペルソナの優先事項の上位二つに基づき、ライバルに対する製品・サービスの優位性や顧客の現状が確認できる。
(ステップ12。製品を買う意思決定者を知ろう)
・顧客にどのような価値を提供するかが決まったら、次は、顧客がどのように製品を購入するかという点に目を向けなくてはならない。顧客に製品を買ってもらうには、購入に影響を与える人や、購入に関して最終的な決定を下す人を知る必要がある。
(ステップ13。顧客の獲得プロセスを確認する)
・代金を払ってくれる顧客の獲得プロセスを明らかにすることによって、意思決定者がどのように製品を購入するかを理解し、販売サイクルの長さから、思いがけない規制や隠れた障壁まで、製品の販売に立ちはだかる問題を特定できる。
(ステップ14。足掛かりの次に狙う市場規模を算出する)
・次なる市場の最大規模を計算することによって、より大きな市場の存在を確認できる。同時に、あなたのビジネスが短期的にも長期的にも大きな可能性があることを、チームのメンバーや投資家に知ってもらう機会にもなる。
(ステップ15。ビジネスモデルを設計する)
・エンドユーザーのプロファイル作り、製品定義、どのような価値を提供できるかを顧客に示すことなどには多くの時間を費やすが、その価値を収益性の高いビジネスに変える仕組みを考えることにはほとんど時間を割かない。価値獲得のためのビジネスモデルの設計にも時間をかけるべきである。
・価値の創造とビジネスモデルによる価値の獲得という、両面のバランスを取ることが必要である。
(ステップ16。価格体系を決める)
・ビジネスモデルが決まったら、ここで初めて価格設定の枠組みを考える。
・コストを価格決定の要因にしない。価格は、製品を販売する企業が負担するコストではなく、顧客が製品から得る価値をもとに決める。
(ステップ17。足掛かり市場の見込み収益を算定しよう)
・顧客生涯価値(LTV)とは、新規顧客から取引期間中に得られる価値のことで、新たなビジネスが直面する大きな資本獲得コストが割り引かれる。
・顧客生涯価値と顧客獲得コストを算出することで、足がかり市場でどの程度収益を上げられるかが予測できる。
(ステップ18。顧客への販売プロセスを見直そう)
・販売プロセスのマッピングでは、いかに市場に参入するか、いかに時間とともに販売戦略を改善するか、いかに最終的に顧客獲得コストがかからない長期戦略を確立するかを考える。
(ステップ19。顧客獲得コストを算出する)
・顧客生涯価値と顧客獲得コストを分析すると、早期問題が明らかになり、事業を断念せざるを得ないことも多い。しかし、それ以上に、事業を成功させるための主要な要素に目を光らせることが重要である。
(ステップ20。新ビジネスに関わる仮説を特定しよう)
・主要な仮説の特定は、市場の一次調査を検証するプロセスの前半に当たる。
(ステップ21。主要な仮説を改めて検証する)
・検証試験から得た結果を用いて市場調査をまとめ上げることは、一次案の製品を作って顧客に販売する準備となる。
(ステップ22。実用最小限のビジネス製品を作る)
・顧客に実際に価値を提供できる、実用最小限のビジネス製品を作って、システムテストを行おう。
(ステップ23。顧客が代金を払ってくれる製品が検証する)
・実用最小限のビジネス製品を見せ、顧客が実際に製品を使用し、代金を支払うかどうか調べる。本当に使っているか、ユーザーとしてどのくらい関心を持っているか調べるためのデータを集める。さらに、金を支払った顧客が、製品を口コミで宣伝してくれるかどうかを見極める。時間をかけて集めたデータを分析し、傾向を知り、底流にある要因の理解に努めよう。客観性を重んじ、抽象的な論理ではなく、現実世界のデータを信頼する心構えが必要である。
(ステップ24。製品の成長戦略を練ろう)
・計画は重要であるが、ただの手段に過ぎない。計画には意味はなく、計画を立てることで新たな可能性を考慮し、潜在的な障害を想定し、達成しようとしている目標がどういうことなのか理解できる。