韓国映画「無垢なる証人」 | ああいえBAR 旧館・支那竹銀座より

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「支那竹銀座」はラーメンズ小林賢太郎さんに名付けてもらいました。
負け犬というよりバカ犬。飼い主には従順素直。
悪そうなヤツや知らない人には、吠えたり噛み付いたり。
エサくれたら恩は忘れません。面白いエンタメを求めて日々彷徨っています。

2020年公開の作品。

韓国題は「증인」


監督: イ・ハン
脚本: ムン・ジウォン

 

特に評判を聞いていたわけでもなく、動画サイトのサムネイルに

表示されていたチョン・ウソン(特に思い入れがあるわけではない)に、ただなんとなく惹かれピピンと来たので観始めた。

アマゾンプライムビデオで鑑賞。

129分らしいが、あっという間に感じた。

 

【あらすじ ストーリー】

長い間、人権団体弁護士として信念を貫いてきたものの、

借金のある父の面倒もあり、現実と妥協して俗物になることを

決めた弁護士スノ。

大手有力事務所と契約をし、そこで自身の出世がかかった

「鼻腔閉鎖による窒息死」殺人事件の弁護士に指名される。
自殺をはかった被害者を助けようとしただけだと訴える被告の

家政婦オ・ミランを擁護し、無罪を立証するため、唯一の目撃者で

ある自閉症の少女ジウを証人として立たせようとする。

自身だけの世界に入り込み、意思疎通が難しいジウ。

スノは事件当日に目撃したことを聞くためにジウのもとを

訪れるが、まともにあいさつもできない。
自閉症の弟を持つ検察側イ・ヒュンジュン検事(イ・ギュヒョン)は、

新人ではあるが、自閉症への理解が高く意思の疎通が

できるらしい。

スノも、あの日のことを聞き出すためにジウと心を通わせていく

努力をする。少しずつジウへの理解を示していくが、2人は

法廷で弁護士と証人として向き合うことになり…。

 

【出演者 キャスト】

弁護士 ヤン・スノ: チョン・ウソン
自閉症の高校生 イム・ジウ: キム・ヒャンギ


ジウの母: チャン・ヨンナム

被疑者 被害者宅の家政婦オ・ミラン: ヨム・ヘラン

 

被害者 キム・ウンテク: チェ・ジョンニュル 
被害者の息子 キム・マノ: キム・ジョンス

検事 イ・ヒュンジュン: イ・ギュヒョン

スノの所属するローファーム代表 イ・ビョンウ: チョン・ウォンジュン
スノの秘書: イ・チェウン

被害者 キム・ウンテク: チェ・ジョンニュル 
被害者の息子 キム・マノ: キム・ジョンス

1審 裁判長: キム・ハクソン
2審 裁判長: パク・チャニョン

スノの父: パク・クニョン(特別出演)

スノの見合い相手の写真女性: カン・ジヒョン

弁護士/スノの友人 キム・スイン: ソン・ユナ(特別出演)
スインの娘 キョンヒ: イ・レ(特別出演)
ナプキン訴訟の被告 C&A代表: イ・ジュニョク(特別出演)

ジウの友達 シェ・シネ: キム・スンユン
ジウの父: オ・チャンギョン

国立科学捜査研究所法医学者 ユ・ジェホン: キム・ヒョンムク
不動産業者: イ・ソファン

 

「本当に無垢なる証人による

          法廷だけじゃないドラマ」

 

以下、ネタバレ含む(大きくネタバレしないけど)個人的感想です。

この映画は観て損ないと思うので、出来れば観てから進んでほしい

 

【超個人的感想、兼記録】

・自閉症などを取り扱うとき、“やりすぎ”演技はいただけないなーと

思って少し厳しい目で見がちですが、今回演じたキム・ヒャンギさん

は、ちょうどいい感じで良かったです。普通の人のふりをしなくては

と病気ながらにも努力をするところとか、感情移入をしやすかったし

幼さと将来を夢見だす年齢という絶妙な年代をとても可愛らしいく

演じていました。「私のオオカミ少年」にも書きましたが、彼女が

まだ子役として出演しています。あと、どこかで見覚えが…と

思ったら、「神と共に」のドクチュンかー!何を忘れてんねん(笑)

 

 

・チャン・ヨンナムとキム・ヒャンギ、またしても親子じゃん

(私のオオカミ少年でも共演)

 

・被疑者がヨム・ヘランで、検事がイ・ギュヒョンですよ。

これだけでもかなり安心材料感(笑)。

この二人が選ぶ作品なら、大きなハズレはないと思っていい。

 

・これが全ての自閉症患者の理解へつながるわけではないが

スノが勉強していく中で、自閉症患者からは世間がどう見えるのか

といった視点の映像が流れる場面もあったりして、いい勉強にも

なる。

 

・スノの大学時代の同期でシングルマザー、同じ弁護士のスイン

が担当しているのが「発がん性ナプキン被害者」訴訟。名前だけで

怖いよね…。好感度より高収入…じゃないけど、スノは補償金だけ

しっかりと焦点にしぼって負けることも大事とか言っちゃうの。

実際は被告会社の生理ナプキン会社はお金をばらまいて、事実を

曲げようとしていたのに。

 

・今回もヨム・ヘランさんは、子供が病気というのを差っ引いても

なかなか憎たらしい役をうまく演じてる。無罪を勝ち取ったところで

証人に立ったジウを脅しに来る。

 

・ジウの唯一の友達であったシネはジアジウに暴力を振るっていた。

子供同士で「助け合う」…ではなく「助ける」側だと思うと

なかなか難しいよね。暴力は絶対だめだけど。

 

・ジウは人の表情で感情を読み取るのが難しい。お母さんが

用意してくれた表情の一覧の写真を見て、練習している。

「お母さんは怒った顔してるけど私を愛してくれている。
おじさんは笑っているけど私を利用するんですか?」

って。もう。いいわー。

 

・スノの上司の弁護士は参考資料本を持ってきて、自閉症のことを

さんざん酷く言って、証人として成立しないというわけですよ。

ここ一番腹立ったわ~。誰にせよ、何にせよ、型にハマったことで

人を決めつけるのが一番いやだわ。

 

・最終的にジウの驚異的な記憶力のおかげで裁判は一転する。

ここの「証言」が実に素晴らしいので、ぜひ見てほしい。

…ってか、観てから読み進んでほしいんですけど(笑)

 

・あ、あと聴力を試す場面。あれもカッコイイ場面だった。

 

・ジウの夢は弁護士になることだったが、現実には難しい。

でも証人になることはできる。普通の学校でいじめを受けていた

ことから、特別児童養護学校に転校することに。
変な人ばかりでよかったという。今まで無理して普通の人に

なろうとしていたから。

 

・スノは結局、弁護士なのに検察側の肩を持つような話をして

辞めることになるんだけど、彼は…そもそも検事側の性格よね。

きっと。違うかな?(笑)

 

星は

★★★★★★★★★☆