映画「SEOBOK/ソボク」 アップリンク吉祥寺 | ああいえBAR 旧館・支那竹銀座より

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「支那竹銀座」はラーメンズ小林賢太郎さんに名付けてもらいました。
負け犬というよりバカ犬。飼い主には従順素直。
悪そうなヤツや知らない人には、吠えたり噛み付いたり。
エサくれたら恩は忘れません。面白いエンタメを求めて日々彷徨っています。

私をふたたび韓国エンタメに陥れた(笑)「トッケビ」の主演、コン・ユと

私的韓国ドラマお気に入りランキングをつけたら第二位確定の

「応答せよ1988」に出ていたパク・ボゴムくんの共演映画です。

観ない理由がないんです!(笑)

 

ちなみに、私この2人とものファンクラブに入っておりました。

(今は、コン・ユさんのほうはお休みすることに)

 

韓国の公開が本当は昨年の12月公開予定でしたが、それが

コロナ禍で今年の4月に延びていました。遅れること3か月で

日本でも7月16日、やっと届きました。

 

今回は吉祥寺で鑑賞したんですが、

ショッピングビルの地下に劇場があるというね…。

一切スタッフと関わることなく(目視のみ)入場。

 

こじんまりとしてはいるものの、席も互い違いになってたり、

頭まで完全フォローの座席で座り心地も悪くなかったです。

 

スケジュールの関係で、どうしてもこの回を観たかったんで

普段なら最後列をキープする私も、妥協をしまして…

前から二列目。まぁ近かったけど、そんなに大きいスクリーンでは

なかったので、ちょうどいいぐらいでした。

 

原題: 서복 (ソボク)

監督/脚本: イ・ヨンジュ

上映時間: 114分


題名となっているソボクは、作中に登場するクローンの名前で

古代中国の人物である徐福にちなんで名づけられています。
徐福は、秦の始皇帝の命を受け、不老の霊薬を求め渡海したと

伝わっている人物です。

 

【あらすじ ストーリー】

脳の病で余命宣告を受けた元情報局エージェント、ギホンの元に、

国家の極秘プロジェクトで誕生した人類初のクローン、ソボクを

護衛する任務が舞い込 む。人類に永遠の命をもたらす彼を奪おうと

国家を巻き込む争いが起き、安全な場所への移動中2人は襲撃を

受ける。

なんとか逃げ抜くもギホンとソボクは2人だけになってしまう。 

衝突を繰り返しながら、「永遠の命を持つクローン」ソボクと、

「余命幾何の孤独な男ギホン」は次第に心を通わせていく。

が、人類の救いにも災いにもなり得るソボクを手に入れようと、
闇の組織の追跡は更に激しくなっていく。

 

【キャスト 出演者】

元情報局エージェント ミン・ギホン: コン・ユ
人類初のクローン ソボク: パク・ボゴム

韓国情報局でキボンの元上司 アン部長: チョ・ウジン

 

ソイングループ代表理事兼研究員 シン・ハクソン: パク・ビョンウン
ソイン研究所 責任研究員 イム・セウン: チャン・ヨンナム
ソイングループ会長 キム・チョノ: キム・ジェゴン

 

ギホンの同期女性 ユン・ヒョンス: イ・オンジョン
ホ課長: ヨン・ジェウク
ペ局長: キム・ホンパ

 

以下、ネタバレ含む超個人的感想です。
 

 

・近頃、「舞台演劇が長い!長すぎる!集中できない」と嘆いて

ばかりの私でしたが、この作品は2時間を僅かながらも切っていて

「まだ観てられる。もう少し丁寧に描いては?ねぇ。もう終わり?」

という気持ちになりました。キャラ設定が盛りだくさん過ぎて、

ひとつひとつの描かれ方が、なんかもう一口ずつほしい感じ。

コン・ユさんが後々のインタビューで、いろいろと編集でカットされた

ことをボヤいていたので、うん…(笑)

 

・ギホンは、情報局エージェントであった時代に仲間を亡くした

事件がトラウマとなり、人との交流を断っていた。

不治の病を抱え、ソボクの細胞で病を治すことができると言われ、

ソボクを研究所から安全に移動させる任務に就くことに。

こちらは不治の病でいつ死ぬかもわからない男。

多分役のために、だいぶ体重も落としたと思われます。

役にいつだって真面目なコン・ユさん。で、そんなシリアスな

キャラクターなのに、どこか荒み切っていないというか、柔らかい

というか、ほかの少し間が抜けているというか…温かい感じが

漂うのがThe コン・ユさんな気がする。

 

・一方、人気若手俳優でもトップクラスのパク・ボゴムくん。

ただいま兵役中。「幹細胞複製と遺伝子操作で作られ、

10年前に誕生した人類初のクローン人間」で、「人間の2倍の

速さで成長するが、細胞分裂を抑制する薬があれば永遠に

生きられる」存在。ただ、その細胞を求める人々によって監視され

一生を研究所で過ごすしかない。食事も決まったものを与えられ、

本を読んで過ごすぐらいしか行ってこなかった無垢なソボクと、

超能力を持ち自然すら操ることができるという一面も。

ボゴムくんは28歳で身長も182cmもあるだけど、膝を揃えて

しゃがみ込む姿とか少年すぎて、保護したくなる案件。

モコモコの子犬といい勝負になる可愛らしさ。

 

・銃撃を受けるソボクの前に立ちはだかって守ろうとするギホン。

ソボクの特殊能力によって銃弾ははねのけられるのだが、

なぜ自分の前に立ち、守ったのかを訪ねるソボク。

研究所以外の人間で初めての知らない人と過ごす時間、

いろいろと疑問もわいてくるよね。信頼できる人間かどうかも

わかんないしね。挙句、「なんでずっと怒っているのか」って聞く

ソボク。かわいい。

 

・襲撃を受けて車も壊れてしまい、一時的に秘密の隠れ家へと

身を寄せる場面がとても好き。生まれて初めて街中に出たソボクの

興味深い眼差し。食べ物や人々、雰囲気、全てが知らない世界。

焦って安全な場所へ移動させようとするギホンの目をかいくぐり、

勝手に商店に入り込んでしまう。拘束着のような洋服を怪しんだ

店のおばちゃんに勧められてカラフルな洋服を与えられる

(ギホンのお金で)と、スニーカーもと無言で差し出すソボク。

そのあと、研究所で与えられていた味気ないサプリのような

食事ではない初めてのカップラーメンを食べることになるソボク。

箸の使い方もわからず、麺のすすり方もわからず、ギホンに

教えてもらうが気に入ったようで、何杯もお代わりするソボク。

めちゃめちゃ可愛い。

 

・研究所に戻り細胞の成長を抑制する薬を打たなければならない

のに、寄りたいところがあるとソボクに言われて、渋々付き添う

ギホン。そこは、ソボクを生み出し、ソボクが母と呼ぶイム・セウン

研究員の亡くなった息子と夫の眠る墓地であった。

この息子を生かそうとするイム・セウン研究員の想いで、ソボクは

生み出されていた。

……んですけど、このイム・セウン研究員。最初の出番では、

超クールに対応してきて、味気ない出番だったんですけど、実は

ソボクの人生のことまで思っていて…という…もう少し丁寧に

描いてあげて欲しかったなと。

 

・不老不死を手に入れて神になろうとするソイングループ会長の

愚かさ。車椅子ごと潰されて当然。

 

・過去、仕事のパートナーだった女性を助けることができなく

死なせてしまった過去を持つギホン。脳の病から来る頭痛で

眠ることもできず、薬漬けの日々を送っていて、薬で眠りにつくと

女性が死んだときと同じ車ごと水に沈む夢を見てうなされる。

一方のソボクは寝ることがない。そんな過去に苦しむギホンに

ソボクは海岸の石を、能力を使って集めて積石塚(が正しいかは

わかんないけど賽の河原みたいな感じの)を作って弔う。

天空を鳥たち群になり舞うのは何かの儀式のよう。

…でも、あの彼女の暗殺シーンにあれだけの尺は必要だったのかな…?

 

・細胞を提供するだけのためのような人生を送るソボク。抑制の

薬が必要なため、逃げ出すわけにもいかない。

研究所に連れ戻されたソボクを、「人間ではない」のだからと

まるで家畜のように扱う研究員たち。確かに、食べられるためだけに

家畜として一生を終える動物がいるわけで…。

感情があるかないか?の違い?とか、考え込むと

ベジタリアン問題に発展しそうな案件。

 

・死は永遠の眠りなのに、普段、眠りにつくのは怖くないのか?と

いう眠ることのないソボクの疑問。

 

・永遠の命が本当に素晴らしいことなのか?という疑問を前に

やっぱり頭に浮かんだのは、「トッケビ」の永遠の命。

永遠の命に苦しんだトッケビが今回は余命幾何の男を演じ、

未来を願うわけで…(ざっくり言うとね)

コン・ユさん、生死観を背負わされがち(笑)。

 

・最後の最後。ソボク本人が自分の意思で選んで、ギホンに

買ってもらった白いスニーカーを履いて……というあのシーンは

グッときた。…からこそ、尺をこっちに回して欲しかった…(笑)

 

星は

★★★★★★★★☆☆