劇団テアトルジュンヌ「アンチモラル・カタルシス」 立教大学ウィリアムズホール | ああいえBAR 旧館・支那竹銀座より

ああいえBAR 旧館・支那竹銀座より

「支那竹銀座」はラーメンズ小林賢太郎さんに名付けてもらいました。
負け犬というよりバカ犬。飼い主には従順素直。
悪そうなヤツや知らない人には、吠えたり噛み付いたり。
エサくれたら恩は忘れません。面白いエンタメを求めて日々彷徨っています。

友達にお誘いを受けて立教大学に演劇を観にいきました。

(行く道すがら、以前にも来た事あるなーと思ったら、ラーメンズが
学祭に出るというので何年か前に来たことを思い出しました)

初の大学演劇です。

大学演劇にどこまで期待していいのか、

プロの演じ手としてのモノ作りを期待していいのか。
アンケートはいつものように酷評を書いてもいいのか(笑)

悩みつつ会場へ。

…ここから先、箇条書きに想ったことを書き連ねていくことに

しましたが、決して面白くなかったというわけではない、ということを

先に書いておきます。
将来有望。…な人もいると想う(笑)。
他の作品も見てみたい。…と想う気持ちもちょっとだけある。

 

アンチ【anti】
モラル【moral】
カタルシス【Katharsis】
というタイトルの説明がパンフレットには書いてありました。

バイオレンスでグロテスクな表現が劇中に出てくる、
“液体”が飛び散る恐れがあるので前方の方は

ビニールシートを広げてください。との事前説明。

真っ白な舞台セット、大学構内とは思えない照明機材、

結構お金をかけていると思われるフライヤー。
…これらの出資はどこから?という思い

そこで始まったものは、銃声と流血。観客に聴覚と視覚からの攻撃。


「死」「言葉」「心」…といった重々しいハズのキーワードが

次々と飛び出す。軽く軽く。
目で見えるもの、耳で聞こえるものだけで届けて欲しくないものを、

届けようとしてしまう…その虚無感。

作・演出:竹田みずき
演出助手:角川恵美

営業:加藤拓也
仕事屋:田口真衣
相棒:大泉英人

リーダー:鈴木尚子
人見知り:田子洋督
アホ:新玉大佑

マダム:新井桂子
秘書:印藤躍
メイド:にしむらあやこ
ボス:長谷川新

千恵美:フヂマリ
イケメン:鳥海順也

女子高生:鈴木茉莉絵
女子高生の父:森肇
女子高生の母:市野恭子

父と元同僚の記者:佐々木さりえ

銀行強盗犯:出井俊裕
元警察官:大島裕司

絵描き:小川崇之
助手:根本梨良

 

お芝居の方は…一言で言うと…「親切」だったかな?
バイオレンス場面があることや、ドキッとする演出効果を

事前に説明をきちんとしてくれることも(いいかどうかは別として)
親切と思ったし、キャラ作りもセリフ説明も親切(過剰とも言う(笑))。

それに尽きるかなぁ…。
遠まわしに表現をして、なんなら若干の難解さを売りにしている

感じもあるんですが、ある程度の年までくれば一度は通過する
あたりのテーマなので実は全然遠まわしじゃない。

「あー、はいはい。」といった感じなのです。

テーマをすごい濁して濁して本当にわからなくしてしまう劇作家も

いれば、ある程度わかりやすくヒントを時々出して観せる劇作家も

いれば、今回のような隠しているつもりでも全開な場合もあり…

ってことで。そういう隠してるつもりという事をどう捉えるか、です

…かねぇ(笑)。

 


 

私が演劇好きだという風に思われている人も多いかもしれませんが、

ものすごい偏食ならぬ偏劇なんです(笑)。
硬いお芝居を観た機会を数えたら、両手で足ります。

あとは大声出して笑っても差し支えのないものばかり…
だめなんですよねぇ。硬いの観ちゃうと、

そういうものを表現するに至った人間の心理とかを探ろうとしちゃって。
…ということで。今回のも物語に浸るどころか、

探ることに一生懸命になっちゃいました。


芝居を作り上げていく間の、このサークルにおける

ディスカッションというか飲み会の模様というか(笑)
そういうのまで頭に浮かび上がってきちゃって…。すいません。
それは脚本の問題なのか、演じ手の技量の問題なのか…

「これってアドリブ?」くらいなナチュラルなリアル感を

求める私としては、もっと彼らの年代でこそ出来る

(それが別な意味、コレかもしれないなぁ…)

若いものを作って(コレが若さゆえという言い方もまた逆にありか?)

経験のなさからくる技量不足とテーマの重さの溝を埋めても
良かったんじゃないんじゃないのかなぁ…と思ったりもしました。

…だって、若いのにもったいないじゃん(笑)。

…なんて、そんな硬いことを考える必要こそないのか(笑)。
わかんない、どこまで本気なんだか…それが私の感想です。
…と想いながら、今、公式HP見たら

「カルチャーのコラージュでしかないと言われる、

80年世代のださい芝居である。」なんだって。
やっぱりわかんないままでよかったのかも(笑)。

私が私の目で見て信じられるもの。
それはそこにあった立教大学のクリスマスツリーが

綺麗な輝きを放っていて、私はそれが好きだったということ。

結局それかい。