プロデュース公演も3回目です。
つい先ごろ、第一作目の「good day house」が
ビデオ化が決まったばかり。
今作品より安田さんが参加。
作・演出:小林賢太郎
渦巻仁:片桐仁
室岡編集長:室岡悟
シグマ:犬飼若浩
アラシヤマ:久ヶ沢徹
マチ:森谷ふみ
バイク便「ビンビンライダー」・西:西田征史
漫画家志望・オマタ:安田ユーシ
漫画家大御所・大林さん:小林賢太郎
催眠術をかける女性編集者・マチと、
かけられている室岡編集長。
漫画の持込にやってきたオマタ。
運ぶ書類の出来上がりを待つバイク便。
そこに現れる編集者のシグマ。
シグマに持ち込み原稿を見てもらおうとするオマタだが
編集部では最初の持込の予約時に電話を取った人間が、
その後その漫画家の担当となり
持込を評価したり、デビューすれば
その後の編集担当者となていくシステムになっている。
オマタの場合、電話を取ったのは「ウズマキ」という
編集者ということで、ウズマキの到着を待つオマタ。
…そこに騒騒しい男がやってくる。
全身ミニタリー姿の彼は、同じく編集者のアラシヤマ。
筋肉バカの見本、のような、
「慣れる」必要のあるクセのある男(笑)。
のほほんとした編集長とはウマが合うようである。
ウズマキがくるのを待っている間、
シグマが作品に一通り目を通す。
漫画のセオリーを大事にするシグマからダメ出しを受けるオマタ。
登場人物のキャラ設定の話を専門的に詳しく話すが、
シグマ自身の感想は出てこない。
そこに登場するウズマキ。格好が特異なウズマキにオマタは驚く。
しかし、この格好のひとつひとつは大御所漫画家が
まだ売れない時代にもらった戴きモノばかり。今では貴重品だ。
さっそく、原稿を読むウズマキ。
ウズマキ曰く「セオリーなんかくそ喰らえ」。
ダラしなくはあるが、意見をきっちりもったウズマキに心惹かれ、
岡山まで帰るお金もないので
少し編集部に居させてくれというオマタ。
そんな時、原稿の進みが順調だったハズの
大御所漫画家・大林先生が、海外逃亡をはかり
連載を落としたことが判明する。
保管されている新人の読みきり作品で
埋め合わせしようとするが、ページ数が合うものがない。
慌てふためく編集部。
パニックを起こしている編集部員に催眠術をかけ、落ち着かせるマチ。
冷静を取り戻した編集部員たちは対応を考える。
埋め合わせの作品が書ける新人…。
ストーリーはダメでも、そこそこの画風と
執筆の早さを持つ新人が目の前に…。
そう。オマタが大御所先生の穴を埋めることに。
ウズマキは彼に時計を外させ、自らの身につける。
一晩で埋め合わせの12ページ用の漫画を描くことに
やる気を出すオマタ。
しかし、ストーリー作りに自信がないのでその部分に
皆さんの力を借りたいという。
全員揃って、めちゃくちゃなマンガのプロットが浮かぶが…
結局、それらを劇中劇ならぬ漫画内漫画として
漫画雑誌編集部を物語にするというオマタ。
そこにはセオリー通りの出演者が登場する。
主人公、ライバル、パートナー、ヒロイン、謎の老人、逃げ回るキャラ…
ウズマキ、シグマ、アラシヤマ、ワチ、編集長、ニシ…
彼らの応援の中、漫画がスタートする。
タイトルは「paper Runner」。
早速、オマタは帝王閣ホテルに缶詰。
晴れて漫画家デビューとなったオマタと、
その担当になるウズマキだったが
ウズマキは実はバイトの身。それも今日までの契約だった。
彼は普段、定職を持たず、自宅もなく…お金に困ると
たまにバイトでやってくる編集者だったのだ。
今回は担当が決まったのだが、契約期間上辞めると言い出す。
本当はライバル社からデビューしたかったオマタは、
ウズマキがいるからこそこの「コミックハポン」からデビューをし、
ウズマキはオマタの才能を信じてるからこそ、
彼から時計を(勝手に)もらったのであり…
契約延期で編集部に残れという編集部員の制止をきかず、
出て行ってしまうウズマキ…。
エンディング、アロハに浮き輪の作家先生登場(笑)。
家族で楽しめるハートウォーミングなストーリー…は、
過去の公演から引き継がれた、
プロデュース公演のポリシー?ってな感じで、
この辺りを楽しむという方法をとれば
十分に楽しめる作品だと思いました。
が、役者さんを楽しむという見方をするとどうかなぁ…と。
久ヶ沢さんの作品内暴れん坊将軍ぶりは、
私は大変好きなんでいいといえばいいんだけど、
前作と同じだし、森谷さんの「小姑的可愛らしさ」も、
前作で知るところのまま。犬飼さんのコンピューターチックな
生真面目キャラも甘7と同じくして。
憎めない傍若無人キャラの仁さんも…。
室岡さんに至っては、もう室岡ブランドでしょう?(笑)ってな
感じで、アレはアレだし。
今回初参加の安田さんだけは、新鮮さを感じた…ってか、
出演者をロクに確認せずに出かけたので
安田さん出てることを忘れてて(ごめん)見終えて
「あれー、どこで見た人だっけ~~」と冷静に考えたら
「そうだ!とんがりの安田さんじゃん!」というくらいに、
役として見入って見させてもらえたのはラッキーだったのかな。
“賢太郎さんって、基本アテガキの人??”と、
いやぁぁな「基本」遣いの日本語を頭に浮かべる私。
ト書きも間(マ)も、文面で浮かんでくる…言葉代えれば
「戯曲集に仕易い作品」が、小林賢太郎作品に増えてきた気がする。
机上のコント、という感じがプンプンする。
…その時は面白いけど、
視覚で残らないから、なんだかつまんない。
ラーメンズ作品に奇抜さが薄れてきた今、他の役者さんという
新鮮な風を吹き込みやすいであろうプロデュース公演こそに
意外さや新鮮さを求めたい気持ちもするんだけど…って、
それはちょっと酷な要望かしら。
劇中の一コマ。
ひどいことが書かれたアンケートを見て、
酷すぎる…というオマタ。
編集長「良い読者は、アマい読者とは違う。
楽しもうとしている読者です。
楽しもうと思って読んで、それでも楽しめなかったら
その作品は残念ながら力がなかったのかもしれません。」
ウズマキ「楽しもうともしないで文句ばかり言う読者も
山ほどいるけどな」
…そんなこと考えてちゃダメですよ。考えててもいい(笑)。
でも客前で言っちゃダメだと思います。
当時のチラシ。

