『飛ぶ教室』第51号が本日発売となりました。特集は「カレーライス物語」とのことで、表紙も大変おいしそうなカツカレーです。
この表紙、私はぱっと見、写真かな、とさえ思ってしまったのですが、なんとクレヨンで描かれたものなのだそうで!
光村図書さんのホームページには、表紙絵を描いた加藤休ミさんのインタビュー記事が載っていますので、気になるかたはこちらのページをご覧ください。
さて、昨年夏の第46号から連載を開始した「給食アンサンブル」も、今号で最終話となります。
最終話の題名は「卒業メニュー」。主人公は給食大好きな姉御肌の女子・梢です。
前号の第5話で、転校することが明らかとなった梢。表面上は明るく振る舞っている彼女ですが、住み慣れた街を離れること、そしてなにより、親しい仲間と別れなくてはいけないことに、深い悲しみを抱いています。
言いだすタイミングを逃してしまい、仲間たちにも転校のことはずっと秘密にしてきましたが、ふとした拍子にその秘密がばれてしまって…。
第1話の「七夕ゼリー」は、転校してきたばかりで、新たな環境に馴染めないでいた美貴の頑なな心を、梢と仲間たちのやさしさが溶かす物語でした。
最終話では逆に転校していく立場となってしまった梢に、親友の美貴たちはどんな行動を取るのか。これまでの各話の主人公も総登場で送る「給食アンサンブル」最終話、どうぞ読み逃しなく!
連載終了ということで、制作秘話的なものも微妙に披露すると、この「給食アンサンブル」という連載、内容を決めるまではだいぶ悩みました。
『飛ぶ教室』は季刊なので、完全な続きものの話は避けよう。基本は1話完結にしつつ、各話で緩いつながりのある連作短編にしよう、という方向性はすんなり決まったのですが、肝心のテーマがなかなか見つからなかったのです。
散々悩んだ末、食べものをテーマにした物語、というのを思いついたのは、『週刊少年ジャンプ』で連載中の料理バトル漫画『食戟のソーマ』を読んでいたときでした。たしか司と食戟してたあたりだったかと。
そこからさらにテーマを絞って、小中学生に馴染みの深い「給食」をめぐる物語に決めた次第です。
なにがきっかけでネタをひらめくかは、ほんとうにわからないものです。
『食戟のソーマ』なら毎週読んでるんだから、もっと早くに思いつけ、と当時の日記に記してあります。
『ジャンプ』つながりだともうひとつ、第1話で少年漫画が好きな女子の朋華が、七夕の短冊に、大好きな漫画が打ちきりになりませんように、と書く場面があるのですが、彼女の好きな漫画は、当時『ジャンプ』で連載していた『BLEACH』をイメージしていました。
なので題名も『ヴァイス・ブレイド』とそれっぽく。あ、「ヴァイス」は英語じゃなくて、ドイツ語で白のweissのほうです。
第1話を執筆していた時点では、いくら掲載順が下位でも、『BLEACH』が終わるわけないでしょ、と思いこんでいたのですが、原稿を提出した直後に、連載が終わることが発表されて、ひどくショックを受けたのをおぼえています。
縁起でもないことを書いたせいで、連載終了になってしまったのでは、とか、まさかそんなわけないのですが。
…『BLEACH』、おもしろかったですよね。小説版の続きを待ち遠しく思っています。
それからこれは、いやそれ制作秘話じゃないだろ、といった話題ですが、しばらくまえにとある塾で、「給食アンサンブル」を模擬試験の問題に使っていただいたことがありました。
実際の問題用紙が私のところにも届いたのですが、作者だから本文を読まなくたって余裕で解けるでしょ、と油断して解答したら、後半の選択問題を派手に間違いまして。
そのことが非常にくやしかったので、それ以降に届いた模試の問題等については、決して気をぬかず全力で解答に臨むようにしています。
作者として、そうそう無様な点数を取るわけにはいかないのですよ、ええ。
話を真面目にもどすと、五十嵐大介先生には、各話の主人公をとても魅力的に描いていただきました。最終話の梢の絵は特におきにいりです。
また、『飛ぶ教室』の編集者様には、プロットや原稿を送るたびに絶賛の声をいただき、それが心の支えとなって、不安だらけの連載を無事に終えることができました。
加えて、連載中に読者のかたからいただいた感想も、大きな励みとなりました。
五十嵐先生と編集者様、そして連載を読んでくださった読者の皆様全員に、心から感謝したいと思います。
大変ありがとうございました。
給食のメニューをきっかけに、幾人もの少年少女の心が響きあい、読んだ人の心をも響かせる物語を紡いでいく。「給食アンサンブル」という題名は、そうした作品にしたい、という願いをこめてつけました。
題名にこめた願いをわずかでもかなえられていたなら、この上ない喜びです。






