[漫画]

横槍メンゴ「レトルトパウチ!(1)」(2014年集英社ヤングジャンプコミックス)

20××年、政府は少子化問題解決のため、恋愛するための学園「衿糸学園」を開設、偏差値70+家柄の良いエリートが集められたこの学校では、学業の成績よりも性交渉の経験が評価されるシステムで、誰も彼もが盛りのついた獣のようにまぐわっているなか、この学園で思わぬ再会を果たした幼なじみの明星幸流(あけぼし さちる)と清天我(きよし てんが)は、お互い処女と童貞を守っていることから落第生とみなされ、保険体育の授業でコンドームを扱えなかった幸流は放課後の補修にて快感を促進するVRでバーチャル天我に触られたりキスされただけでメロメロになったり、教材としてのバイブを挟んでいるうちどんどん興奮したりと徐々に開発されていくなか、校内でただ一人の童貞を守っている天我は、どうも大切な人のために男の操を立てているらしいのだったが、学園には幸流の他にも三人の処女が存在し保健教師曰く四天王を形成しているなか、その一人とは校内でも屈指の大富豪のお嬢様で夢は世界平和な宇瑠鷲恵麻(うるわし えま)で、天我に急接近する彼女を幸流は警戒するも、誘いに一切乗らない天我の護身の言動に恵麻は逆に惹かれてしまったようだが幸流とも処女どうし友情を育むこととなり、二人は保健教師の命令で天我の欲情を促すべくコスプレしたり添い寝したり試行錯誤の結果、天我は袴姿に微弱ながら反応を示すのだったが、恵麻の従姉妹で校内屈指の好色で知られる朱鷺川(ときがわ)めばえは天我の童貞を自分が奪うと意気揚々、友人でセックスフレンドな荒巻リカの忠告も聞かず幸流と恵麻と一緒にいた天我の唇をいきなり奪うも全くの無反応にプライドはズタズタ、怒った幸瑠の振り上げた手のひらは間に入った天我の頬を打ってしまい、肉欲をめぐって本能か信念か、両者の議論は平行線で終わるのだったが、さて下校中の天我の前に現れたひとりの女性は、どうも彼が童貞を守る動機な思い人その人のようで……。

 

タイトルだけ聞けばレンチンフード中毒な人らの話以外に想像がつかないけれど、キャラクタが親切に説明してくれる通り、無菌状態で保存されている=処女のメタファーということらしい。

「クズの本懐」を空想エロラブコメに振り切ったような筋書きで、キャラクタ配置やデザインも何となく通じる部分が多い。メンゴ先生もう少しバリエーションが欲しいところではある。

開巻早々、パンツを大ゴマで見せつけつつ登校中の天我に上空からダイブした幸流のは……きっと最終巻までには明かされるものと信じたい。

(2021/8/24)

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