[特撮]

ニコニコ動画で、「特捜ロボ ジャンパーソン」(1993年)

#18「JP(ジャンパーソン)誕生秘話!!」

三枝かおるは弟・周平をさらった権藤の待つ採石場へ車を走らせ、ジャンパーソンの製造データを渡せと迫る権藤を人間離れした身のこなしで圧倒している隙に、縛られた周平の縄を解くのはもう一人のかおるで、状況を陰から見つめる帯刀とセーラは自らのダミーロボットを作ったかおるの能力を認めつつもセーラの攻撃によりダミーは破壊、危機に陥るかおると周平の元へジャンパーソンが到着するが、「悪を倒せ! 完全破壊しろ!」の声がまたもジャンパーソンを苦しめ、セーラの攻撃で崖から転落したところを炎に包まれたジャンパーソンの脳裏には、「MX-A1」とかおるから呼ばれていた過去がよみがえる──人間では対処できない凶悪犯罪に対処すべく警視庁科学装備開発班によって開発されたMX-A1 は、警官ロボットとして「悪を倒す」ことを自らの使命と認識、当時チームの助手だったかおるが見守る廃工場で行われた実戦を想定したテストにて、「悪を倒せ! 完全破壊しろ!」の声の赴くまま標的ロボットの首を引っこ抜いたり残骸を戦利品として回収したり工場を火の海にしたりと手がつけられず、計画は秘密裏に中止、MX-A1 もデータ消去の上で廃棄処分となるのだったが、処分に反対していたかおるは廃棄場を訪れると、ガラクタ同然のMX-A1 へ「人間の身勝手さに絶望して仕事を辞めた」と恨み言を吐いていると、MX-A1 の目に光を見たかおるは機体を回収して独力で修復、再改造を施されたMX-A1 はジャンパーソンという新たな名前とともに生まれ変わり、かおると周平姉弟と釣りやスケボーに興じ花や鳥を愛でる優しい心を自ら育てつつ、間もなく世の悪を討つ戦いの日々が始まり、警視庁はジャンパーソンの存在をどう思っているのか何も反応がないまま、国連からのオファーを受けて日本を離れていたかおるが、突然に甦った「悪を倒せ!」の声に悩まされるジャンパーソンをサポートすべく帰国した──という一連の事情を思い出したところでジャンパーソンは採石場で意識を取り戻すと、廃工場にて製造データを渡さなければ殺すと権藤に脅されていたかおると周平の元へ駆けつけ、内から響きわたる「悪を倒せ!」の叫びを自らの意志で押さえ込むことに成功、そこでジャンパーソンは権藤の首元に帯刀が仕掛けた小型高性能爆弾に気づき、帯刀が起動スイッチをオンにする間一髪で取り外したものの工場は大爆発、かおるが炎と瓦礫に囲まれてしまうなか、ジャンパーソンは周平とともに工場を脱出、帯刀はかおるの死によりジャンパーソンの謎は解けずじまいと残念がっていると、ネオギルドのジョージ真壁&スーパーサイエンスネットワークの綾小路麗子らより通信が入り、互いの存在を認識していた悪の三勢力はジャンパーソンの首をめぐって互いを煽るのだったが、その頃、姉の死を悲しむ周平の前に現れたのは、一足先に工場から走り出たダークジェイカーに権藤と乗っていたかおるの姿で、工場で火に包まれていたかおるは二体目のダミーロボットだったことがわかり周平は一安心、かくして、かおると共にジャンパーソンの戦いは次なるステージへ。

 

というわけで、放送開始から4ヶ月あまりにわたって正体不明だったジャンパーソンの正体が晴れて明らかになったエピソード。振り返れば、あの超古代文明の神官「あなたは鉄鋼兵」云々は、本当にただの勘違いだったらしい。

これまでのエピソードの描写から、世間にある程度認知されてきているっぽいジャンパーソンに対し、あれMX-A1 じゃね? と警察が動かないその理由は「わからない」というのは、言い訳なのか今後の伏線なのか。

表向きには死亡者扱いになったっぽいかおる、新聞に載るレベルの才人だろうし、これからの人生、色々不都合がありそうだが……。その身代わりとなったダミーロボット、ジャンパーソンすら顧みることなく使い捨てられるのは作品のテーマ的にどうなんだよと思わないでもない。

かおるの弟・周平を演じるのは富田樹央。あー、「お金がない!」(1994)の織田裕二の上の弟役の子だった、とニコニココメントが教えてくれるまで気がつかなかった。

(2022/9/16)