記念日一覧も作らなければと思って、先月分を見直す。

羽生善治対談集を最近読んだこともあって、(かなり面白かった)
「金より銀が好き」の文章で、将棋を思い出す。


小学校高学年、休み時間には二通りの過ごし方があった。

昼休みなどの長い休み時間は、バスケかサッカー。
午前中の短い休み時間は将棋である。

担任が将棋好きだったからかもしれないが、ほとんどの男子は将棋にはまっていた。
担任と、放課後暗くなるまで将棋を指したこともある。


将棋の駒にも金と銀があるが、ここでも自分は銀が好きだった。

金は斜め後ろ以外すべての方向に動ける。
銀は斜め後ろに動けるが、真横に動けない。


将棋では、敵陣に侵入すると駒をひっくり返して(「成る」)
別の動きができるようになるのだが、
銀が「成る」と、金と同じ動きができるようになる。

大抵の駒は「成る」ことで、強い駒へと格上げされる。
(ちなみに、金と王だけは、「成る」ことができない。)

「成る」かどうかはプレイヤーの判断次第なので、
成らずに銀の特徴を生かしたまま使うこともできる。

きっと、金にはないこの選択肢が好きだったのだろう。


それにしても将棋というゲームはよく出来ている。


歩という一歩ずつ前進することしかできない弱い駒は、
「成る」ことで金と同じ動きができるようになる。

飛車や角という強い駒は、「成る」ことで王を超える動きを手に入れるが、
最初は分かりやすい弱さがある。

八種類の駒それぞれ違う能力を持ち、最初は皆弱点を持っている。



初めから万能な駒はない。



「いつか当時の担任とまた将棋したいとか思っているうちに、
やらなければいけない仕事に王手がかかっている1月26日は、将棋記念日」