浜田の遊漁船に乗船し、イカの泳がせ釣りでクエを釣らせてもらった。
釣った魚を自分で「捌いて・調理して・食べる」のは釣りの一部ともいえるし、別の楽しみでもある。
これまで釣りで持ち帰った魚のほとんどは自分で捌くようにしている。
但し、今回の獲物は特大の高級魚。
釣り上げた直後は嬉しさと満足感の余韻に浸っていたが、考えてみればこの大物をこれから深夜未明に家に持ち帰るわけで、どうなることかと不安と戸惑いがないまぜになり、その後の釣りでも気になってしょうがなかった。
以前、13kgのクエを捌いたことがある。
しかし、今回はその時のクエより二回り大きい。シンクに入るはずないし、キッチン台で裏返すだけでも苦労するだろう。
いい加減な包丁になるのはクエに申し訳ない。いっそプロに頼んでみてはと思い、翌朝、以前利用した広島市内のクエ料理店に相談してみた。
お店の大将は親切に相談に乗ってくれたが、プロでも丸まま20kgのクエだと、それなりの時間がかかり、当日のお店の仕込みの関係もあってなかなか対応が難しいとのこと。ただ、本気でやれば、各パーツ小分けしビニール真空包装にして渡せるとの魅力的な話だった。
捌くだけの手間賃は予想を超える金額。だが、プロの仕事ならそれくらいするだろうし、それに見合う価値のある仕事ともいえる。
電話を切ってしばらく思案し、大将には別に断りを入れ、当日の仕事は午前中に片づけて、午後から自分でやってみることにした。
まず、キッチンでの作業は不可能と判断し、軒先の車を停めているスペースを使うことにする。BBQ用のテーブルの上に60㎝のゴムまな板、散水用のホースにシャワーヘッド、雨水枡には生ごみ用ネットを三重にセットした。
体重計を使って計測
86.2kg - 62.2kg で 24.0kg
刃渡り六寸の出刃と九寸の柳刃を使う。
念のためYouTubeのクエ解体の動画で手順を確認。
といっても骨格構造はマハタやアコウなどと変わりはない。
強いてあげれば、鱗をすき引きすること、内臓に可食部が多いこと、頭部・顎を可動部ごとに分解すること
しかし、大きさ重さが並大抵でない。ヌメリもすごい。
当日の作業は、雑菌が多いと言われる鱗、鰭、エラと胆のうや直腸部分を外すことを第一に、三枚おろしはせず、各パーツを袋分してクーラーボックスで氷温熟成することを目指した。
作業を限ったとは言え、4時間を要した。
小雨が降ったり止んだりの気温24度で風もなく、屋根のある場所で、作業としてはやりやすかった。食中毒が危ない季節なので刃物やまな板、トレーなどは洗剤を使って頻繁に洗った。
なお、写真を多く残そうと思ったが全く余裕がなく全然撮れなかった。
すき引き完了後の状況(これが最後の写真)
ほとんどの部位は熟成に回し、解体当日は鱗の素揚げ・胃袋の湯引き・肝の煮つけと、家人に居酒屋メニューにしてもらい、ビールと共に味わった。