メタルジグの複製 塗装について | クラゲ日誌(沖釣り備忘録)

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日本海島根県西部(石見地方)、瀬戸内海(周防大島~芸予諸島)で遊漁船に乗ってます。
タックル・自作仕掛けの紹介などしていきます。

オモリを複製する前は、メタルジグを複製していた。

 

この頃はジグパラなど高品質なジグが安価になって入手しやすいし、ジギングに慣れると滅多にジグを失くさなくなったので、複製する理由も薄れている。

 

ジギングを始めた当初は、下手なのもあってしょっちゅうジグをロストしていた。

ジグを買い足す出費も気になるし、お気に入りが入荷難になるなどで、ジグを複製してみようという気になった。

 

ジグの複製は、ネット情報を頼りに、わりあいスムーズにできた。

 

工程は、耐熱シリコンの鋳型作成、印刷機用の鉛合金との混合、ジグ本体の鋳造、ホログラムの貼り付け、クリアー塗装などである。

 

お気に入りのダイワ  BS Jig 150g 上が複製、下がオリジナル

ジグの目はDL風に仕立てた

 

作成過程でやや苦労したのは塗装だ。

 

ジグに塗装は必要ないという意見があるが、実際その通りだと思う。

鉛地金のジグでも問題なく釣れたと思う。

 

とは言え、同船の友人が調子よく釣っている時にこちらの釣果が寂しいと、つい道具のせい、つまりジグの塗装が原因と考えるのも人情。

 

ということでジグの塗装に一時期入れ込んだ。

 

まず、塗装に当たって、ホログラムやアルミテープには上塗りとの密着性をあげるためプライマー(ミッチャクロン)を塗装する。

 

転写式のホログラムは高価で扱いも難しいので、糊付けできるホログラムテープを利用。

 

裏面に糊がついていているアルミテープやポリエチレンのホログラムは作業性は良いが、糊はアクリル系なので、溶剤により縮みや膨れが生じ、慎重にやったつもりでも、いつもきれいに仕上がるわけではなかった。

 

上塗りはウレタンクリアーで仕上げる。

常温で硬化するウレタンクリアーには一液性と二液性がある。

 

一液性は瓶入りで、塗装は瓶に直接ジグを漬けて引き上げるドブ漬けという方法を取る。スプレーガンやコンプレッサーなどの機器はもちろん、筆や刷毛も必要ないので一個単位で非常にお手軽に塗装できる。

 

完全硬化後の塗膜はかなり硬く、傷が付きにくい。

クリアーであるが、時間とともに黄ばみが増してくる。

 

一液性は空気中の水分と反応して塗料が固まるため、開封後の使用可能期間は長くない。人によっては冷蔵庫で保管するなどするらしいが、通常1ヶ月が限度だろう。

 

細長い形状のロングジグ、セミロングジグをドブ漬けで塗装するには、上下逆さにして瓶に2回漬け込む。しかし、塗料が減ってくると、浸かる長さも短くなってドブ漬けでは塗装できなくなる。

 

一液性塗料のドブ漬けは塗料を無駄にせず経済的に思えるが、細長いジグの塗装には向いていないし、結局のところ塗料の過半は瓶の中で固まって捨てると思った方が良い。

 

2液性のウレタンクリアーは、自動車の板金修理後の塗装に用いられることもあるプロ用の塗料だ。

主剤硬化剤を混合し、シンナーで適度に粘度を調整し使用する。

ウレタン塗料は冬季でも時間をかければ硬化するが、反面、気温が高いと使用可能時間が極端に短くなる。シンナーでの調整も限度があるし、温湿度が高いと白濁するかぶり現象もあるので、空調環境でなければ、夏季は使用を避けたほうが良いだろう。

 

冷暗所に保管して置けば比較的長期間使用できる。

もちろん混合後の塗料は使い切りで、ガン等の塗装器具も使用後は十分な洗浄が必要なので、ジグやオモリを大量に塗装するということがなければ2液塗料を使用する理由は薄い。

 

完全硬化しても塗膜は爪が立ちそうな硬度で柔らかい。

透明度の高いクリアーで黄変はなく非常に美しい。

 

1液性と2液性、いずれがジグの塗装に向くかは、どの程度の量のジグを、どのくらいの期間に作成するかによる。

 

手持ちのジグにクリアーを上塗りして保護したいなど、数個単位で塗装が終わるなら間違いなく1液性で十分だ。

 

1回の作業で10本、合計で100本以上作成するつもりくらいでないと2液性のメリットは出てこないと思う。

 

(注) メタルジグの複製は個人が複製品の自己使用目的で行っているもので、法律的に許される範囲に限っています。