こちらは後編となります。

 

前編はコチラ。中編はコチラ

 


 

 

 

 ・後編~アイストカバーの意味~

 

 

 

『花道』が終わった後に、『M.O.N.ST@R』が流れてきた時の衝撃は凄かったですね~。

 

 

 

 

「ここでチキパ!?」という驚きもありましたが、それ以上に感動しちゃったのは、お客さんのビビットな反応です。

 

後方席にいたので、アリーナ席の様子がよく見えたんですけど、本当に「うおー!!」って感じで会場全体が盛り上がったのがすごく印象的でした。

 

で、曲が始まったら、みんな振りコピが完璧なんですよ。笑

 

チキパMIX?らしきコールも普通に聴こえるし、そういうお客さんのリアクションを見てたら、「お前ら、チキパも好きなんかーい!w」「てか、みんなアイスト好きなんじゃん!」っていうのが伝わってきたんですよね。

 

私自身は、そこまでチキパに詳しいわけではなかったのですが、『M.O.N.ST@R』って良い曲だな~と思ったし、見よう見真似で振りコピしながら楽しみました。

 

 

 

そして、チキパの次は…という期待に応えて流れてきたのが、『We're GEM!』。

 

 

 

 

イントロが流れた瞬間、思わず「おっしゃー!」とガッツポーズしてしまいました。笑

 

結局、解散ライブも行けなかったから、ここで聴けたのは感慨深いものがありましたね~。

 

そして、この『We're GEM!』の何が泣かせるかって、センターをやっていたのが、うっちーだったんです。

 

ご存知だとは思いますが、うっちーと言えば、元々はGEMのスターティングメンバーに名を連ねていた人物。

 

運命のボタンが1つ掛け違えていれば、うっちーはGEMのメンバーだったかもしれないし、もしもGEMメンだったら今頃はアイドルを辞めていたかもしれない。

 

おそらくGEMの解散に対して、最も複雑な感情を抱いていたのが、うっちーだったと思うんですよね。

 

一体どんな想いで、ステージに立っているんだろう?

一体どんな覚悟で、センターを引き受けたんだろう?

 

そんな事を考えてたら、もう堪らなくなって、遂に涙腺決壊…。

 

いや~ライブ見ながら泣くなんて、初めての経験でしたよ。

 

ちなみに、お馴染みの「あーかこちん!」コールは、りかたそが担当。

 

 

 

 

事前に連絡を入れてるところを見るに、カバーをするに当たっての筋は通していた様ですね。

 

 

 

 

 

さて、果たして、このアイストカバーに、メンバーはどんな想いを込めていたのでしょうか?

 

私達が歌い継ぐという意思表示?

解散した事に対する悔しさや悲しみ?

元メンバーへの感謝やエール?

 

どういう想いだったかは人それぞれだし、或いは全ての想いを抱えて歌ったのかもしれない。

 

どちらせにせよ、一言では言い表せない複雑な想いがあった事でしょう。

 

そんな言葉に出来ない想いを表現するのが、アートの役割であり、意義でもあります。

 

だからこそ、私達はあのパフォーマンスから様々な感情を感じ取って、感動したのでしょう。

 

 

 

そして、アイストの解散劇に複雑な想いを持っていたのは、何もメンバーだけではありません。

 

私達ファンにも、GEMとチキパの解散に対しては複雑な想いがあります。

 

解散を受け入れたい気持ちもあれば、受け入れ難い気持ちもある。

現実を見て納得する一方で、その理不尽さに憤りを感じもする。

 

今回のアイストカバーは、メンバーの想いを乗せて昇華するだけでなく、そんなファンの想いをも乗せて昇華してみせました。

 

これこそがアートの力であり、美しさなのです。

 

 

 

そういった意味もあって、当ブログでは「スパガはアイストの解散劇について歌うべき」という主張をしてきました。

 

 

でも、今のスパガが置かれた状況を考えれば、歌うべきテーマは沢山あるなと思ってて。

 

GEMやチキパの解散、盟友PASSPO☆の解散発表、歴代最小となる9人の新体制…。

 

そういったアイドル界や自分達の問題に対する、スパガなりの回答というか、決意表明も聴きたかったな~と思うんです。

「【スパガ】19thシングル、リリース決定!」より

 

 

GEMとチキパの解散発表時に、スパガがグループとして(或いはメンバー個人が)、何かコメントを発表したり、リアクションを起こす事はありませんでした。

 

レーベルメイトであり、苦楽を共にした身近な仲間でもあるが故に、なかなか簡単には声を上げる事は出来なかったのでしょう。

 

言葉を変に捉えられると、身内批判にもなりかねないし、相手ファンの反感を買うかもしれない。

 

現に、今回のアイストカバーにしても、「デリカシーがない」という意見があったそうです。

 

じゃあ、スパガは何も言わず、何も行動をしないままで良いの?と言うと、それはそれで今度は「薄情じゃないか!」という意見が出る可能性もある。

 

結局のところ、全ての人を満足させる答えなど、なかったのかもしれません。

 

であるならば、大切なのは答えが正しいかどうかよりも、答えを出した事自体を評価すべきなのではないでしょうか。

 

逃げる事なく現実と向き合い、スパガなりに考えて答えを出したという事。

 

その行為自体に意味があると思うのです。

 

 

 

確かに、スパガにはデリカシーがなかったかもしれません。

 

でも、その代わりに“愛”があったという事は分かって欲しい。

 

そして、このカバーによって、救われた人達がいたという事も。

 

 

 

 

 

 

南さんは時間が経ってる事を改めて感じた瞬間でした。と綴っているけど、それって、“GEMが終わった事を改めて実感した”という事だと思うんですね。

 

こう書くと、すごく寂しく聴こえますが、終わりがあるという事は、同時に新たな“始まり”があるという事でもあります。

 

だからこそ彼女は、自らを憂うのではなく、私は今日パワーばっかり頂いて帰ってきたのです!という前向きな言葉で締めたのではないでしょうか。

 

そして、これはスパガにとっても、同じ事が言えます。

 

スパガが前に進む為に、9年目を突き進む為には、この問題に答えを出し、区切りを付ける必要があったのでしょう。

 

その答えが正しいのかどうかは、今後のスパガの活躍次第で決まると思います。

 

今回のアイストカバーをキッカケに、メンバーには前向きに活動して欲しいし、ファンも前向きに応援して欲しいですね。

 

ちなみに、私はライブを見終えて、非常にスッキリしました。

 

それは単に声を出し、体を動かしただけの効果ではないと思うのです。

 

 

 

 

 

・私なりの志村理佳論

 

卒業公演には行きませんでしたが、この機会を逃すと、りかたそについて語る機会はないと思うので、最後にりかたそについても触れましょう。

 

彼女の印象は、良くも悪くも変わらない人だったな~という印象です。

 

おバカで、チャラくて、人当たりが優しそうで…といった良い部分の印象は昔から変わりません。

 

そして、物足りなかったり、残念に感じる部分も、あまり変わる事はありませんでしたね。笑

 

勿論、精神的に成熟はしましたが、本質的な部分はデビュー当時から、ほとんど変わっていないのではないでしょうか。

 

成長し、変わっていくのがアイドルの仕事ですが、いつまでもイメージを変えず、ファンの幻想を保ち続けるのもまたアイドルの仕事です。

 

“りかたそ”というアイドル像を(意識的にしろ無意識的にしろ)、8年間ブレずに守り続けた事が彼女のアイドルとしての矜持だったのでしょう。

 

 

 

個人的に、りかたそには1つやって欲しかった事があって、1回で良いから黒髪にして欲しかったんですよね。

 

よく古坂大魔王さんに、「キャバたそ」ってイジられていたけど、

 

 

 

 

茶髪のキャバ嬢的なイメージから、黒髪の高級ホステス的なイメージへと変わったら、また新しい一面が見えるんじゃないかな~?と思っていたのです。

 

まぁ、結局、茶髪を最後まで貫くのもまた、りかたそらしい生き方だったのでしょうね。

 

 

 

あと、りかたその思い出を語る上で外せないのが、第2章時代のリーダーだった事です。

 

第2章の開始当初は1期生と2期生の間に壁があり、衝突する事も少くなかった状況で、りかたそが緩衝材になっていた事は、想像だに難くありません。

 

 

 

 

りかたそのブログで、1つ印象的な記事があって、それは『恋☆煌』のオリコン順位が7位になってしまい、連続5位の記録が途絶えてしまった時のもの。

 

 

応援して下さったみなさんありがとうございました。

今まで6年間シングルは5位以内だったので悔しい気持ちでいっぱいです。

 

でも、これでランキングに拘るプレッシャーから解放された感じはあります。

毎回、ランキングが全てではないと分かっていながらやっぱり気にしているところがありました。

 

でもこれでランキングが全てでないと言えます!

 

リリイベにもたくさんの方がお越し下さって、応援して下さって、たくさんの方に恋☆煌メケーション!!!を聴いていただけたことがなによりも嬉しいです。

「ありがとう」より

 

 

どんな状況もポジティブに捉える楽観的な性格であったり、数字よりも意味とやりがいを重んじる実存的な思想といった、りかたその人間性が垣間見れる文章でした。

 

こういった性格や思想の持ち主だからこそ、“最年長”という状況も、“25歳”という数字も、彼女は苦にする事なく、アイドルを続けてこれたのでしょう。

 

 

 

 

そして、この“志村イズム”は第2章のスパガにも影響を与えていました。

 

第2章におけるスパガの一体感があって、自己肯定感に溢れ、何よりもスパガ愛に満ちた姿は、そのまま、りかたその姿とも重なります。

 

2年間掛けて志村イズムが浸透していった結果が、当時のスパガを形作っていたのではないでしょうか。

 

 

 

 

しかし、りかたそが持つ、こういった緩さというものは、ある種のヘドニズム(快楽主義)でもあり、ストイック(禁欲主義)な人間からすれば、物足りない部分があったのでしょう。

 

第3章に入ると、あみたのクーデターによって、りかたそはリーダーから降ろされます。

 

その後のスパガがどうなったかは、ご存知の通り…。

 

 

 

第3章始動から一ヵ月後、りかたそはブログに心境を綴っています。

 

 

正直、1ヶ月前は悔しさと寂しさと期待。

って感じでした。

第2章でリーダーになって約2年、自分なりに全力で向き合ってきて、今まで以上に自分の生活が【スパガ】でいっぱいになってたからやっぱり寂しかったですよ!

 

第2章で何か残せたかな?

なんて思ったりしてます。

 

こんなこと言ったら器が小さいとか大人気ないって思う方もいらっしゃるかと思うんですが、正直自分の居場所がわからなくなったりしました。

 

 

 

でも皆さんに発表する前の、リーダーがあみたと決まった時からのあみたの言動をみてたら、3章であみたがリーダーになってくれて本当に良かったって思います!

力強く正確にスパガを引っ張ってくれるこの姿勢が今のスパガには必要だったんじゃないかなって感じてます。

 

(中略)

 

私はリーダーになったあみたの気持ちも他のメンバーの気持ちも分かってあげられる気がするので、みんなのことを支えていければと思います!

 

そして今のスパガを楽しみながら私にしか出来ない空気作りをしていければと思ってます。

 

まだまだ第3章のSUPER☆GiRLSは始まったばかりなので、これからも応援して頂けると嬉しいです★

「SUPER☆GiRLS第3章約1ヶ月」より

 

 

リーダーの座を追われ、自分の居場所を見失いながらも、彼女は彼女らしく前向きに解釈し、自分の存在意義を模索してみせている。

 

自らの意思でリーダーを降りたわけでもないのに、苦渋を全部飲み込んで、新リーダーのサポートを約束するなんて…なかなか出来る事じゃありません。

 

 

 

 

個人的には、今でも、りかたそにリーダーを続けて欲しかったなと思っています。

 

彼女の優しさがあれば、3期生はもっと伸び伸びと活動出来て、2人の卒業もなかったかもしれない…そんな想像をしてしまうのは私だけでしょうか?

 

もしも、あの時出された、リーダー交代案を突っぱねていれば…。

 

優しさは彼女が持つ長所だけど、もしかしたら、“優し過ぎた”のかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

卒業公演は見てないんで、どんな感じだったのかは分からないのですが、こちらのライブレポを読んでみると、これからのスパガの応援もぜひよろしくお願いします。と最後までスパガに触れているのが印象的でした。

 

 

 

 

最初から最後までスパガ愛に溢れた、りかたそらしいスピーチですね。

 

彼女がどれだけスパガを愛していたかは、会場に駆けつけたOGの人数にも表れています。

 

 

 

 

 

 

ごっちゃんなんか、かなり久しぶりに名前を聞いた気が…。笑

 

誰よりもスパガを愛し、誰よりもスパガに愛された女が、志村理佳なのでしょう。

 

 

 

 

そして、現役メンバーの感想を見ると、「実感がない」という言葉が並びます。

 

 

 

 

 

私も正直、あまり実感がないんですよね…。

 

でも、実感がないままに卒業していくというのは、アイドルとして理想の形なのかもしれません。

 

逆に実感があるという事がどういう事なのか考えてみると、それは、その人や周りの人間に何かしらの心残りがあるから。

 

その心残りが違和感となり、実感になるのでしょう。

 

つまり、りかたその卒業に実感がないという事は、彼女の卒業には心残りがないという事。

 

メンバーもファンも、何より、りかたそ自身がアイドルとして、やりきったと自覚しているはずです。

 

 

 

振り返ってみると、最近のスパガの卒業生は、志半ばで去っていく人が続きました。

 

きちんと自分の意思で、自分で納得して、卒業を決めるという事。

 

そして、メンバーとファンにも認められながら、卒業していく事。

 

それが如何に貴重で、立派で、幸せな事なのか。

 

誰よりもスパガを愛してきた、りかたそに相応しい最後になったと思います。

 

8年間、本当にお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

そしてそして、この超長文にお付き合いして下さった読者の皆様も、お疲れ様でした。笑

 

お時間とお手数を掛けてしまい申し訳ない気持ちで一杯ですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

 

ありがとうございました!