日本列島を台風が縦断し、暴風が吹き荒れる最中、アイドル界にまたしても激震が走りました。

SUPER☆GiRLSメンバー、渡邉ひかる、宮崎理奈、溝手るか、浅川梨奈、内村莉彩…5名の卒業発表です。

 

 

 


今年のアイドル界は中堅グループの解散が相次ぎましたが、最後の最後でスパガも波に飲まれてしまいましたね。


解散ではない事が不幸中の幸いとはいえ、メンバーの半分がいなくなるわけですから、グループが大きく様変わりする事は間違いないでしょう。



現在のスパガは新メンバーオーディションを行っている事もあり、まさかこのタイミングで卒業人事があるとは、夢にも思いませんでした。


少なくとも、あと1~2年は現メンバーが活動するというコンセンサスの元にオーディションが行われてると思いきや、オーディションと並行して、現メンバーの進退も調整していた様です。

オーディションを受けてる候補生も、この事実は知らなかったみたいで…。
現メンバーとの活動を夢見てた候補生にとっては、嘘みたい…いや、詐欺みたいな話であって、こんな運営は信用出来ないと辞退する人が出ても、おかしくありません。

オーディション中に現メンバーが半分卒業してしまうなんて、前代未聞の事態ですし、スパガ運営の杜撰な管理体制が改めて露呈されてしまいました。

今回のオーディションはそれ以外にも杜撰な部分があって…と、文句を言い出すと止まらなくなるので、今回は自粛しておきましょう。笑

 

 

 

 

・5人が卒業に至った理由


卒業発表後、各メンバーからは卒業に関するブログがアップされました。

内容をまとめると、進退問題に関しては、大体6月~8月の期間に各自で考えたり、ミーティングを繰り返していた様ですね。
 

 

卒業が毎年毎年あって 体制が不安定な中では

今私達が目指すべき目標に 到達することが難しいため

 

「新メンバーが加入する 次のタイミングがメンバーが変わる最後の場所です。

自分が今後SUPER☆GiRLSとして活動していけるか。

今後どうしていきたいか今一度考えてみてください。」と ミーティングがありました。

「卒業について。」より

 


この件に関して、ネット上では「肩たたきだ!」…つまり、「卒業を促されたのでは?」と推測する声も上がっています。

ただ、私としては、この意見には同意出来ません。

「肩たたき」をする様な運営なら、とっくの前にやってると思うんですよ。
ベテランを切る機会なら、これまでも沢山ありましたから。


それに、ある程度の固定ファンが付いてるメンバーを切る事は、当然ながらファン離れや収益減に繋がるわけで、積極的にベテランを切るメリットはないと思うんです。



ただ、その代わり、ベテランメンバーには「いつ卒業するか分からない」というリスクが存在します。

なので、「これから2~3年、アイドルとして突っ走れるか?」という覚悟は相当に要求したはずです。
しかも、それはただ在籍する…という意味ではなく、「個人活動を犠牲にしてでも、グループ活動に専念出来るか?」というレベルで。

そうなってくると、個人の夢も追いかけたいメンバーにとっては、話が変わって来ますよね。


それに、途中でメンバーが抜ける事の辛さを誰よりも知ってるのは本人達なわけで、だからこそ、こういった思い切った結論に至ったのではないでしょうか。




 

・幸愛ブログの衝撃


さて、そんな中、メンバーのブログを読んでいて、その内容に最も驚かされたのが幸愛のブログでした。


 


1・2期生の中で唯一の残留を決めた彼女ですが、当初は自身も卒業するつもりだったと、ブログ内で明かしています。

 

今回の卒業ですが、1ヶ月前まで、私も

その卒業メンバーの中にいました。

 

 

14年間のアイドル人生を振り返ってみて。

そしてどうなりたいかの

これからの自分の人生を考え、

悩んで悩んで悩んだ結果

卒業を決めていました。

 


しかし、卒業を決意したものの、活動を続けていく中で、ある違和感が彼女にまとわりつきます。

その違和感の正体は…残し去る事になってしまう3期生の存在でした。

 

私はどうしても、この3期だけを残して

卒業することが嫌で、

3期に沢山の負担を残して

グループを去ることが嫌で

 

誰かに説得されたわけでもなく、

誰かに何かを言われたわけでもなく

自分で、残ることを決めました。



これは…泣ける。


長尾さんが涙するのも当然でしょう。

 

 




しかし、幸愛が残らなかったら、運営は本当に3期生+4期生(新メンバー)という体制で行くつもりだったんですかね?

それでは、3期生に大きな負担を掛ける事になってしまいます。

もしも解散したら「3期がダメだから…」って事になるし、調子が上がらないだけでも「3期がダメだから…」って事になる。

スパガ8年の歴史を3期生だけに背負わせるのは、あまりにも過酷だと言わざるを得ません。

幸愛は「ちっぽけな事しか出来ない」と言うけれど、3期生からすれば、とてもとても心強い存在だと思いますよ。




 

・幸愛は何故スパガに残るのか?


思い返してみると、幸愛がスパガに加入した当初は、グループに馴染めなかったと聞きます。

花道のMVでは上手く笑う事が出来ずに、泣いてしまったりね。笑
 

 

このMV撮影のとき

緊張しすぎて、リップシーンとか、

ダンスのシーンとか

 

表情がうまくつくれなくって

悔しくてたくさん泣きました(°_°)笑

「花道!!ア〜ンビシャス(´-`).。oO(」より



当時のスパガは新メンバーを迎え入れる体制が出来ておらず、また幸愛自身がアイスト以外の道から加入した事も、孤立を深める要因になっていたのかもしれません。

 

加入当初は、こんなにメンバーを好きになれると思ってなかった!笑笑

 

ぜーんぜん馴染めなかったし、一緒にいるのが嫌な時もあって、早くお家帰りたいなーーとか考えたりしてた。笑笑

「7周年と週刊プレイボーイ」より



加入当初、誰よりもグループに馴染めなかった子が、逃げ出したいと日々を呪っていた子が、今、「私の全てをかけて守りたい」と言っている。

この成長の軌跡こそが、幸愛がスパガとして過ごしてきた4年間を、何よりも雄弁に語っているのではないでしょうか。




そして、これは私の勝手な解釈になってしまうのですが、幸愛はスパガ加入当初の自分と、先輩に見放された3期生を重ね合わせたのだと思うのです。

仙台から上京したばかりで、頼れる人間もおらず、孤独と不安に押し潰されそうだった、当時の幸愛。
先輩メンバーの卒業で、頼れる人間が去り、責任と重圧に恐れおののく、3期生達。

幸愛が感じていた“違和感”の正体は、3期生を通して見えた、過去の自分だったのでしょう。

だからこそ、彼女だけが3期生の気持ちに気付けた。

3期生を救う事は、同時に過去の自分を救う事でもあって、それをして初めて彼女は過去を乗り越える事が出来る。

幸愛が前に進む為には、どうしても過去と決着を付ける必要があったのです。

つまり、これは幸愛がスパガから卒業する為の、最後の試練なのかもしれません。


 

 

 

・最後に

 

3期生を見捨てられなかった幸愛の優しさ。


それは彼女の強さであり、弱さでもあります。

生き馬の目を抜く芸能界において、彼女の優しさは命取りになるかもしれない。


「アイドル人生の終わりは自分で決めたい」と言い放つ、浅川の様なエゴイズムを持った者こそが、この世界では成功を収めるのかもしれない。



でも、そういった判断を下せる幸愛を、私は心から尊敬します。

私自身も、幸愛の様な判断を下せる人間でありたいと心から思う。



今回の非情で痛切な解散劇を目撃しても尚、絶望に陥らずにいられるのは、幸愛がいてくれたから。

彼女の善意と慈悲、そして“愛”も目撃したから。

それは傷つき落胆する多くのファンにとって、暗闇の中で光る一筋の希望として映った事でしょう。


幸愛は3期生だけでなく、ファンである私達をも救ってみせたのです。