(「卡拉OKで遊びませんか」からの続き)

 

 私が確信した事とは・・・。

 

 一般的に23歳になった女性(男性でも)の身長が10cm以上伸びるなんてあり得ない事です。と言う事は、出会った時、阿麗は23歳ではなかったと言う事です。

 

 でも、身分証の生年月日から計算すると確かに23歳の筈なのです。と言う事は、身分証は彼女のものではなかったと言う事です。どおりで写真と本人が似ていない筈です。

 

 姉か、従姉か、全くの他人の身分証を借りて来たのでしょう。田舎の特に女性のほとんどは一生を村で過ごすので、身分証の提示など求められません。後で返せば・・・。

 

 と言う事は、「阿麗は、阿麗であって、阿麗ではない」(どこぞのインチキ宗教の教祖様みたいだな爆  笑)。身分証には「嬴 麗〇」となっていました。「嬴」は始皇帝と同じ姓です。

 

 始皇帝の末裔かと思ったものです。彼女は私の第一印象の通り中学生(14・5歳)だったのでしょう。自分の身分証では都合が悪かったんだと思います。

 

 いや、いくら中国でも、中学生が失踪すれば問題になる筈です。彼女は所謂、無戸籍者だった可能性が高いと思います。年を誤魔化しているだけならば、時間が解決してくれます。

 

 ちゃんと話してくれさえすれば、私は待つ事が出来たと思います(本当かえー)。本当です。

 

 無国籍では中国政府は結婚を認めないどころか、罪に問われるでしょう。出国なんて出来る筈がありません。出来たとしても、日本政府が認めないでしょう。

 

 私が結婚に向けて行動をした事により、彼女は困り果てたのではないでしょうか。結婚なんてしなくても、何時も一緒に居て欲しかっただけなのかも知れませんね。

 

 愛人にする手はあったのでしょうが、妻に申し訳ないし、中国に骨を埋める気は毛頭ありませんでしたので、結ばれない運命であった訳です。

 

 「阿麗は貴方と過ごした頃が一番楽しかったと言っては昔の写真ばかり見ています」と、阿梅が言った言葉が重くのしかかって来ました。


 私は明後日の朝、日本に帰国します。また、駐在が解かれる事になっており、余程の事が無い限り、ここに戻る事は無いのです。

 

 阿麗と同じ時間を過ごせるのは今だけです。そして、もう二度と会う事はないでしょう。私は出来る限り、あの当時の様に振舞っていました。彼女も嬉しそうでしたよ。

 

 初めて会った頃見せていた、はにかみながら笑う表情。大人になっても変わっていませんでした。別れてからの6年間、彼女はどんな思いで生きて来たのか・・・。

 

 一時期、長沙でバスの車掌をしていると言っていましたが、多分嘘だったのだと思います。いや、他人の身分証を使ってもぐりこんだのかも知れませんね。

 

 ただ、今の服装からすると、卡拉OK小姐に戻ったのではないでしょうか。今何をしているのかは敢えて聞かない事にしましたので定かではありませんけどね。

 

 彼女達と出会った頃の事を思い出しながら(もし、よろしければ、テーマ「卡拉OK小姐」の記事を御参照ください)、時間を忘れて御奉仕させていただきました。

 

 久しぶりに歩いて(50分)、買い物してからですから7時頃に始めたのですが、あっ、という間でした。気が付くと午前0時を過ぎています。流石にお開きにしたのですが・・・。

 

 会計をし外に出ると、阿麗が「明日も(もう今日ですけどね)卡拉OKで遊びませんか」「・・・」。今日も無理をすれば遊べますが、ここは心を鬼にしなければ・・・。

 

 「ごめんね、今日、日本に帰るんだよ」。少し間を置き、「今度何時ここに来ますか」、「もうここには戻ってこないよ、別の日本人が来る事になるから、これが最後だよ」、「・・・」。

 

 「最後に君に会えて良かった、元気でね」、と握手する振りして、財布に残っていた7~800元(7~8000円)を握らせたのですが、「不要(要りません)」と拒否。

 

 仕事の報酬として金を貰うみたいで嫌だったのでしょう。「もう君たちと遊ぶ事も出来ないから、皆と美味しいものでも食べて」と言って無理やり握らせました。

 

 敢えて「再見」とは言わず、バイクタクシーに跨り、大きく手を振ると俯き加減に小さく手を振り返してくれました。後ろ手に更に手を大きく振りながら、そのまま後ろを見ないつもりでした。

 

 しかし、つい気になり振り返ると、自分より背の低い阿梅の胸に顔を埋めています。「泣いているのかな・・・」、こみ上げるものをぐっと我慢し、「これで良い」。
 

 私には妻と幼い娘、そして半年後に生まれて来る息子がいます。阿麗の境遇を哀れと思いますが、出会った時、そして、この時も、如何する事も出来なかったのです。

 

 いや、私は逃げたと言えるかも知れません(卑怯者めえー)。何とでも言ってください(小室圭君の方が立派だなグラサン)。確かにね、認めざるを得ませんな。

 

せめて、「幸せをつかんでくれよ」と、願うだけでした。

 

 

(つづく)

 

 

 

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白楽雲

 

 

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