(「私は貴方の妻です」からの続き)

 

 阿梅から電話を貰い、嫌な予感がしたのですが、「皆で来たって・・・、誰がいるの?」、「阿輝、阿〇、阿×、阿△」。阿麗はいないようです。ほっとした白楽雲。

 

 広東省はSARSの真っただ中で、先日帰国命令が出たばかりです。妙後日帰国するチケットが取れたばかりなのです。準備もあるし気が重いのですが・・・。

 

「明日一日あるし、何とかなるだろう」。

 

 出来の良い新人に仕事を教え、私は別の任務を負う事になっていたのです。SARSのお陰で2カ月前倒しになったと言う事なのですが・・・、つまり、彼女達に会えるのは今限りなのです。

 

 一時は、仲の良い友達のような関係でしたから、最後ぐらい彼女達のために時間を割きたいと思った訳です。まだ明日一日時間がありますので・・・。

 

 それに、阿輝の事が気になっていたのです。工場立上時に無理やり連れてこられた高卒5年の新人君の彼女だったのです。片田舎の何もないところですから・・・。

 

ここから、女性には不快な表現が含まれていますので御注意ください

 

 彼曰く、「阿輝のパンツ脱がせたら泣くんですよ」、「で、止めたのか」、「な訳ないでしょ、無理やりやりましたよ」、「おい、ひでぇ~なぁ~」、「金払ってんですから当然でしょ」、「・・・」。

 

 仕事は半人前でも、男としては一人前と言う事ですね。少なくとも私は足元にも及びません。

 

 結局、それ以来仲良くなったようですが、阿輝の馴れ馴れしい態度に飽きてしまって捨てたのだそうです。既に日本に、彼女がいましたからね。一時の気の迷いだったのでしょう(ムキー)。

 

 阿輝はそう思わず、「彼は元気ですか、何時ここに戻ってきますか」、なんて聞かれてもね、「元気だよ、彼は他の仕事で忙しいからここには来れないんだよ」と、誤魔化す以外・・・。

 

 そして、阿輝がバイクタクシーで事故に巻き込まれ、頭を強く打ち付けたため手術が必要となったのですが、金がありません。

 

 私はほとんど接点はありませんでしたが、卡拉OK小姐達が金を出し合うも1000元程(約1万円)足りないと言うので、彼女達に懇願されて出してやった経緯があります。

 

 手術後、お見舞いに行ったのですが、それ以来姿を見ていません。「元気でやってるなら良いのだが」と、少し気になってはいました。

 

 私は教育途中の後輩を工場に残し(昔馴染みに会って来ると称して)、独りで崖南鎮の鎮府の卡拉OKにいきました。以前の様に市場に寄って、ザボン(文旦=ウェンタン)購入。

 

 この季節、あまり美味しい果物はないのです。唯一、ザボンが美味かったですね。鎮府の入口に阿梅が待っていました。彼女の容貌は全く変わっていませんでした。

 

 懐かしいと言うより、代わり映えのしないと言った部屋に入ると、「○○先生」と言って、いきなりハグられた白楽雲。「你是谁(君は誰)?」、「阿輝的(阿輝です)」、「・・・、久しぶり」。

 

 いやいや、あの当時は色白で、つるつるの肌だったのに、黒くくすんだ肌、どこか悪いのか、やつれたのか、見る影が無いと言う風貌に驚きました。苦労したんだろうと推察されます。

 

 「手術のお金ありがとう、返す事が出来ずにごめんなさい」と言われ、「××に貰ったからいいよ(嘘です)」、「××が払ってくれたの」、「そうだよ」と言うと、嬉しそうでしたね。

 

 私の左隣には阿梅、対面に阿輝、そして何人かが適当に座ったのですが、独りだけ知らない子が・・・。背は160cmはあるでしょうか、痩せた子です。

 

 何故か私の右隣に座り、ビールを注いでくれています。「誰だ、まぁ~いいか」。すると、阿梅が、「阿麗は貴方と過ごした頃が一番楽しかったと言っては昔の写真ばかり見ています」。

 

 いきなりそんな事言われてもね。「阿麗は元気なの」と言うと、呆気にとられた顔で見つめられ、「何言ってるんですか、そこに居るじゃないですか」、「へっ・・・びっくり」。

 

 阿梅にやられたな・・・。阿麗も来ていると言えば、私が拒否すると思ったのか、私を脅かすためか。大人しそうで知的な感じの子なんですが、こう言う姑息さが少し鼻に付く子なのです。

 

 「ビールを注いでくれているのが・・・阿麗」。確かに痩せた事で昔の面影が・・・。でも、背が

10cm以上高くなっています。初めて会った時、阿麗は満23歳でした。

 

 23歳の女性が、6年で10cm以上も身長が伸びるでしょうか。例外はあるでしょうが、栄養事情が悪かった中国ですからあり得ない事だと思います。

 

この時、私は確信しました(何をびっくり)。

 

 

(つづく)

 

 

 

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白楽雲

 

 

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