(「明暗」からの続き)

 

 妻と結婚して一年後、日本に連れて帰る前に、両親への御挨拶のため、海南島に行っての帰りです。兎に角ヘトヘトに疲れて戻ってきました。

 

 工場への土産の椰子の実30個(皮むきです)を運ぶだけでも大変でした(そんな事どうでも良いムキー)。だって、土産(椰子の実)買って来いとの要望を無視出来んでしょ(だ・か・らムキー)。

 

 当時、妻のために崖南にアパートを借りていました。私の妻となった以上、工場で働かせる訳にはいきませんから、宿舎を出なければ成りませんからね。

 

 私は平日を工場宿舎、土日をアパートで暮らしていたのです。アパートに帰って来たものの、疲れたので外食しようかと言う事になりました。

 

 久しぶりに崖南鎮の鎮府のレストランで、簡単なメニューを注文して食べていると、「○○先生」と声をかけられ、誰かと思ったら、阿麗と蔓んでいた阿梅と、他3人の小姐です。

 

 「阿梅、好久不見(久しぶり)、で君は××、君は△△、で君は・・・、知らないな・・・」。「何言ってるんですか、阿麗ですよ」、「え゛、阿麗・・・、嘘でしょ・・・、全然違うじゃん」。

 

 阿麗と別れて2年ほど経っています。痩せて妻と同じくらいの背丈だったのに、今はふっくらと(太っている訳ではありません)女性らしく、背も4~5cmは高くなっています。

 

 前より綺麗になってるじゃん。「シマッタ、もう少し待つべきだった・・・」、「何言ってんの」、「別別(いや別に)、今何してるの」、「長沙でバスの車掌をしてます」、「へぇ~」。

 

 彼女(阿麗)の事が多少心配ではありました。だって、一度は結婚しようと思ったのですからね。まともな仕事にありついた様で、良かった良かった。

 

 「夕飯食べたの」、「まだです」、「好きなの注文しなよ」。彼女達が注文するのを待ち、彼女達の食事代も一緒に払い、「じゃ、またね」と言って店を出ました。

 

 妻に申し訳なかったのです。妻には全て話していますが、気持ちの良いものではありませんよね。「ごめんね」と言うと「没問題(かまわないわ)、私は貴方の妻ですから」だとさ。

 

 全く結婚する気が無かった私が初めて結婚しようとした女性です。彼女(阿麗)に逢わなければ、妻と結婚していないのではないかと思っています。

 

 私たち夫婦にとって恩人なのかも知れません。しかし妻は強し、さらっと自己主張していましたね。女のプライドなのかもね。

 

 しかし、阿麗の変貌ぶりと言ったら・・・。こんなに変わるものなのかな・・・。

 

 そして更に4年の月日が経ち、私たち夫婦に二人目の子供が授かり、生まれる半年ほど前の事です。その時、私は中国、妻は日本に居ました。

 

 当時、広東省はSARSの真っ最中で、帰国命令が出た日です。明後日の便が取れ、帰国準備をしている最中です。電話が掛って来ました。

 

 日本の会社からだろうと受話器を取ると、「○○先生、好久不見(久しぶり)」、「誰」、「阿梅です」、「阿梅・・・、好久不見、如何したの」、「久しぶりに皆で遊びに来ました」、「皆で・・・」。

 

 何やら嫌な予感がした白楽雲でした。

 

 

 

(つづく)

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 古代風水に興味をお持ちの方は「風水の真実をあなたに!!」で、簡単に紹介しております。更に詳細を知りたい方は、下のバーナーをクリックしてね。

 

白楽雲

 

 

お気に召したらクリックして下さいね。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 風水生活へ
                    にほんブログ村