◆「茨城県境町の商店主が今、動き出した!」
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 それからが早かった。


9月入り6日に第1回の一店逸品推進委員会が開かれ、

その委員会の場で今後の計画が承認された。


いよいよ参加店募集が始まった。

募集目標は30店である。


それと並行してこれからの実務計画を詰めている間に、

あっという間に1ヶ月が過ぎていった。


 そして、10月5日より店舗巡回による逸品創出が始まった。

その段階では、30店の募集に対して24店舗の応募があった。


しかし、目標に対してはあと6店舗足りないが、

芝田さんとは、「今回の創刊は24店で行こう」と決めていた。


内訳は、さすが茨城のお茶処「猿島郡」だけあって

お茶屋さんが4軒もある。


また、酒屋さんも3軒、ふとん屋さんが2軒、そば屋さんが2軒、

花屋さん2軒、和菓子屋さんも2軒あり、

その他の9業種がそれぞれ1軒づつである。


今回の募集コンセプトが“来る者拒まず、去る者追わず”

とはいうもの、これだけ同業者競合が多いと、

どう各店の違いを出していったらいいものか、

芝田さんとも思案してしまった。


 初日の巡回は、お茶の斉藤製茶店、リカーショップの中戸屋、

カステラの染本屋、お茶の石山製茶工場、肉のいしかわ、

そして最後がお茶の丸和園の6店舗である。


巡回初日からあいにくの雨の中、

最初の訪問先である斉藤製茶店におじゃました。


店へ入るなり、スタートから好感触である。

まさにあちこちに「逸」が見えるのである。


そして、ご主人との話が進むうちに、

さらに「逸」が鮮明になってくる。


 いつもは、各店を訪問してから

「さぁ、何にしよう?」といったパターンが多いのだが、

今回はスタートから取材のペンの動きが違うのが

自分でも分かった。


スムーズに斉藤製茶店さんの逸を創出し、

予定時間より早めに2軒目の

リカーショップ中戸屋を訪問した。


そして中戸屋さんに入るなり、これまた驚きである。

日本酒、焼酎、ワインのこだわりはもとより

調味料へのこだわり方が素晴らしいのである。


そして逸の創出に対しても

「ウチは酒屋だけど調味料に思い入れがある」という

二代目氏の言葉に、

即、こだわりの「みりん」を逸品に決めた。


 そして3軒目の染本屋に向かった。


染本屋さんは失礼だが“畑の中にポツリとある店”

といったイメージが強く、

決して立地条件等には恵まれている店ではない。


しかし、店主のカステラにかける思いの話には

説得力があった。


素人の私には、カステラだけで商売になるのだろうか?

といった疑問があったが、ここぞ知る人ぞ知る店で

新聞等にも取り上げられている店なのである。


 次に向かった先は、やはり製茶工場だった。

屋号は石山製茶工場だが、

外観は昔ながらの農家の佇まいのお茶屋さんだった。


土間に置いてある椅子に腰掛け話をしてくれたのは

若奥さんだった。


聞けば、石山さんは昔ながらの製法で

手揉み風に拘っているとか…。


自宅兼工場の周りには広大な茶畑が広がり、

霜よけの風車がいかにも茶処の風情を醸し出していた。


 5軒目は、肉のいしかわを訪問した。

ここでは、鶏の唐揚げを逸品として取り上げることにした。


店主の石川さん曰く、

肉のいしかわでは、毎日30~40kgの唐揚げを作るが、

ほとんど毎日完売するらしい。


境町の人たちは、よほど唐揚げが好きらしい!?。


味は醤油味と胡椒味の2種類だが、

それではと早速試食させて貰った。


  「たしかに美味い!」。


 ついつい2個目に手に出てしまう後引きモノなのだ。

これなら1日に30~40kgも完売してしまうのは頷ける。


 最後の丸和園を訪れた頃には夕闇が迫っていた。

丸和園さんは店舗というよりも会社である。


ここもやはり3軒目の製茶店である。


どう他の2軒とのバッティングを避けるか!

を思案しつつ、担当者氏の話を聞くことにした。


やはり他の5軒とは雰囲気も違う。

話を聞けば、現在はオリジナルの粉末茶に

力を入れているという。


そこで丸和園では、その粉末茶を逸品として

取り上げることにした。


そして丸和園さんを出るころには、

陽もすっかり落ち、辺りは夜になっていた。


 しかし、今回の各店主たちの

「一店逸品運動」に対する“やる気満々”さが

1日店舗ラウンドをしてみて手に取るように分かった。


6軒とも

「うちはコレを逸品として取り上げて貰いたい。

その理由はコレコレで…」と、

こちらが意としているところを積極的に出してきてくれた。


当初心配していたことは何だったのか、

まさに「案ずるより産むが易し」である。


境町商工会へ戻り、

芝田さんとの会話が弾んだのは言うまでもない。


何か清々しい気持ちで1日目が終わり帰路についた。


---次号へ続く---


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ヒトづくり・ミセづくり・モノづくり・マチづくりのトータルアドバイザー
人材教育・販売促進・商品開発・地域活性化の
(株)ラフィネット総合企画
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