静寂に潤す 嘘一滴(ひとしずく)
煙に巻いた夢 そっと吐き出した
偽善に満ち溢れた 猜疑心の果てに
壊れた君を直す 鍵を探す
虚勢に隠された 嘘一滴
涙でぼかす心 そっと握りつぶした
自分の欠片 拾い集めてみる
本当の意味 置いてきた
解り合えぬ恋ならば
重なり合うことすら拒否する
「廻り逢えぬ二人だ」と
零度以下の温もりで
抱きしめてほしい
狂わせてほしい
心に過(よ)ぎる雑念など霞むくらいに
キスをしてほしい
甘えさせてほしい
所詮すべて偽りだと知ってしまう前に
絡み合えぬ時間(とき)ならば
声すらも聞こえないくらい遠くに
「触れ合えぬ痛みだ」と
最初(はな)からわかってたのに
教えないでほしい
忘れさせてほしい
心に刻む衝動など感じぬように
消えさせてほしい
失わせてほしい
すべての私があなたを求める前に
突き放してほしい
削除してほしい
叶わない絶望を奏でるように
引き止めないでほしい
でも止めないでほしい
矛盾だらけの本音が漏れてしまう前に
ワタシだけを消して