おばちゃんには若い女子とは違う種類の力がある。
今風に言うと女子力以上の力。
おしゃれに敏感で、お料理が上手で、お掃除が得意で、
などなど得意なことが多いと女子力が高いと言うそうな。
あほちゃうか、
そんなん当たり前のことやん。
身づくろいをきれいにする、
口に入る命の元であるお料理を作る、
命を守るために身の回りを片付け清潔にする、
男子も女子もおじちゃんもおばちゃんもそういうことが
普通にできるのが大人っちゅうもんや。
昭和中期に生まれたおばちゃんからすれば、
何が女子力や、ちゃんちゃらおかしいわ。
大人になってきちんとひとりで何でもできるように
子どもの時に親から普通に躾けられていれば、
誰だってできるようになる。
すごいことでもなんでもないわ。
そんなことより、おばちゃんりょく、
おばちゃんが思うに、若い女子よりも情熱がある。
いいと思えばとことん追求し、とことん好きになる。
別の言葉で言うとしつこい。
自由に使えるお金もある。
とっくに人生の折り返しを迎え、
いつまでも身体が100%元気でいられなくなることや、
嫌いなことを我慢しすぎると身体に影響することも
よーく知っている。
ストレス発散の仕方もわかっている。
嫌いと意識してエネルギーを使うくらいなら、
嫌なものには近づかない、
見えない聞こえない、そんな狡さも身についている。
貴重なエネルギーーは綺麗なものや楽しいことや
嬉しくなることに使おうと思っている。
もちろん世の中そんなうまくはいかない。
長く生きてきて脳天気なおばちゃんでも十分わかっている。
うまくいくわけがないと悲観的になるひとは
運が逃げて行くんだよね。
うまくいかなくても、今が最悪、明日は今日より絶対いいぞと
気持ちを切り替えることができれば
負のオーラに包まれることはない。
要は気の持ちようってことだね。
そう思わなきゃやってられないことが
この世の中には五万とある。
ひょんなことから初めてのお店へ食事に行った。
若い女子が大好きで、おばさん嫌いのおじちゃんと。
そりゃそうだ、若い子の綺麗な肌艶に叶うものはない。
誰だって綺麗なものが好きだ。
若さには未来に向かう希望があってキラキラしている。
戻れないから憧れる。若さに張り合う気はさらさらなく、
女子にときめくおじちゃんを微笑ましく見ていた。
そう、おばちゃんはおじちゃんよりも大人なのだ。
東心斎橋の月九。
若いご兄妹おふたりでやってはる。
カウンターに座ると厨房との距離がとても近い。
おばちゃんは、初めてのお店では人見知りするたちなので
ちょっと緊張していた。
おばさん嫌いのおじちゃんは行きつけみたいでリラックスして
おしゃべりしてはった。
ワインをボトルで注文。
緊張していたので、写真を取り忘れた。
頼んでもいないつきだしがでないのがいい。
すでにプラス評価だね。
前菜盛り合わせ。
きゅうりのアンチョビー和えや大根のポン酢漬け、
写っていないがポテトサラダも美味しかった。
何でもない普通の素材を丁寧によく考えてお料理してはる。
ワインが進む前菜だ。
おばちゃんのリクエストでせせり焼き。
焼き鳥で好きなのは、せせりとズリと三角、
そう、若い女子はあんまり好きじゃないと思う。
せせりで鶏の濃縮されたお肉の香りと歯ごたえを
三角で脂の甘さを、(ズリはただの歯ごたえだけど)
そういうのがわかるおばちゃんになれて嬉しい。
具沢山のサラダ。
ソテーした茸が熱くて、いい。
熱いものが入った葉っぱのサラダ、大好き。
お味のバランスが良くて、お兄ちゃんのセンスの良さが
伝わる1品。
おばちゃん、気に入りました。
この頃には、もうこのお店の優しい雰囲気の兄妹が好きになっていて
緊張は取れ、リラックスしてワインとお料理をいただいていた。
まじめに丁寧にお料理をしてはる。好感が持てるおふたりだった。
波に乗って2本目も白ワイン。
ニュージーランドのWHITE HAVEN ソーヴィニヨンブラン
すっきりと若々しいお味。
美味しいものはたくさん食べられる。
気分よく和牛ステーキ、赤身。
噛めば噛むほど美味しくて、牛肉の本当のおいしさは赤身にあると
おばちゃんは思う。
そんなこんなで楽しい時間は過ぎ、いっぱいおしゃべりをして
お開きになった。
ごちそうさまでした。
真面目にお料理に取り組んでいて、センスがいいから
もっともっと美味しいものを作ってくれそうなお兄ちゃんと、
飾りがなくって可愛い妹ちゃんのお店が好きになった。
好きになったから勝手に応援する。
居心地のいいお店だからまた行きたい。
おばちゃんりょくを発揮せねば。




