2020年の人口動態が厚労省から発表されました。2019年のはコロナが流行してなかったので、2019年と2020年のデータを比較すれば間接的なものも含めてコロナによる大まかな影響を把握できます。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html

 

図は2019年と2020年の人口、死者数、出生数、死因別死者数の比率を対数で示しています。青は減少、赤は増加。同じならlog1=0。Log0.002は0.46%の増加、Log(-0.002)は0.46%の減少となります。*の項目は統計的な有意差があるものです。

 

厚労省は概要として次の5つを指摘しています。1)出生数が840,832 人で過去最少、2)出生率が低下、3)死亡が1,372,648人で11年ぶりの減少、3)人口の自然増減数は過去最大の減少、4)婚姻件数は戦後最少、5)離婚件数は193,251組で減少。

 

出生数や人口は毎年低下傾向にありますから、これらが必ずしもコロナが流行ったせいだとはいえませんが、少なくともコロナは日本人の死者数を増やすことはなかったようです。一方、結婚、出生数、交通事故死などの数が減ったのは自粛の影響かもしれません。

https://ameblo.jp/radonrooom-rara/entry-12649756987.html

 

2020年は癌で29%、心不全や脳出血のような循環器疾患で25%、肺炎などの呼吸器疾患13%、老衰で9%の方が亡くなっていますが、増えているものはがんと老衰です。呼吸器系疾患の減少は顕著でマスクなどの徹底した防護策を反映しているのかもしれません。

 

経済の落ち込みから予想されたとおり自殺が増えています。行動を制限すれば病気や事故がへり、平穏無事に老衰で死ぬようになるという図かもしれませんが、活動を控えて長生きしても幸福とは言えないということでしょう。

 

 

 

馬替生物科学研究所 所長

                     第1種放射線取扱主任者
                                  馬替純二