結腸原発のGISTは極めて稀らしいぞ。
以下の文献では、結腸のSMTの鑑別として
良性: 血管腫、リンパ管腫、脂肪腫、神経鞘腫、炎症性線維性ポリープ
悪性: リンパ腫、GIST、神経内分泌腫瘍、平滑筋肉腫、悪性神経鞘腫
などが挙げられている。
結腸GISTは極めてまれで、外方性発育する傾向がある。
NETは大半が直腸にでき、少数が盲腸にできる。
リンパ腫は免疫抑制や炎症性腸疾患が発生に関連していることが知られているらしい。
ちなみに、以下の文献はとくに多血性のSMTについてまとめているようだった。
有料なので本文は読んでないが、Figureから症例の画像はたくさん見れた。
さて、以下は韓国のサムスン医療院からの報告だ。
2014~2021年にかけて大腸内視鏡中にSMTが疑われてEUSが行われた194例のうち、105例の105病変が病理学的に評価された。
○脂肪腫 |
18 (17.1 %) |
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○粘膜下線維症 |
2 (1.9 %) |
○寄生虫感染症 |
9 (8.6 %) |
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●リンパ腫 |
1 (1.0 %) |
○リンパ管腫 |
7 (6.7 %) |
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◎PEComa |
1 (1.0 %) |
○平滑筋腫 |
6 (5.7 %) |
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○神経節細胞腫 |
1 (1.0 %) |
◎顆粒細胞腫 |
5 (4.8 %) |
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○神経線維腫 |
1 (1.0 %) |
○線維性結節/線維石灰化結節 |
5 (4.8 %) |
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○線維芽細胞性ポリープ |
1 (1.0 %) |
○炎症性線維性ポリープ |
4 (3.8 %) |
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○線維性腫瘍 |
1 (1.0 %) |
○壊死性結節 |
4 (3.8 %) |
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○異栄養性石灰化結節 |
1 (1.0 %) |
○リンパ濾胞性ポリープ/過形成 |
3 (2.9 %) |
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○膠原線維性結節 |
1 (1.0 %) |
●腺癌 (高分化) |
2 (1.9 %) |
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○動静脈奇形 |
1 (1.0 %) |
◎神経内分泌腫瘍 |
2 (1.9 %) |
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○膿瘍 |
1 (1.0 %) |
○子宮内膜症 |
2 (1.9 %) |
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○粘膜紐 |
1 (1.0 %) |
○深在性嚢胞性大腸炎 |
2 (1.9 %) |
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診断得られず |
23 (21.9 %) |
●:悪性、◎:潜在的に悪性、○:良性
ついでに小腸のSMTについても調べたが、あまり規模が大きいものは見つからなかった。
2005~2020年にかけて小腸のSMTが疑われた連続する患者を検討した。3cm未満のSMTが疑われた64例がincludeされた。そのうち15例が手術され、11例がGIST、3例が異所性膵、1例がNETだった。