早朝の久居は、青空が広がるが、ワイパーを動かすほどの雨ふりだ。おかげで朝から完璧な虹が見られた。
天気予報は晴れなので安心して大台町へ向かう。道の駅奥伊勢おおだいは駐車場が町役場とつながっており、僕が自転車をおろして出発の準備をしていると、目があった職員の方に『行ってらっしゃい』と声をかけていただいた。すごくうれしい気持ちで出発だ!
R42を少し下り、奥西河内林道に入る。滔々とした川の流れを聞きながら、杉木立を走る。風が涼しく、気分が浮足立ってくる。すごく気持ちが良い。すごくうれしい気持ちだ。
ルンルン・ニコニコで緩い勾配を走っていると道端に風穴の看板があり、立ち止まると風穴内部の照明が自動点灯した。入ってみるとひんやりした空気で、ちょっとした冒険気分だ。
一瞬たりとも途切れないセミの鳴き声を聞き、舗装路の林道を快適に上る。追い込むような走りをしなければ体温も上がりきらず、十分サイクリングを楽しめる。
ただ、コーナーを曲がるだけのピークを越え、県道46号に出る。藤坂峠へつながる道で、何度も通ったことのある道だが、今日は藤坂峠ではなく藤越峠へ向かう。藤越峠ピークから新藤越林道へ入る。
峠からさらに高度を上げていく林道で、車が対向できるほど道幅は広く、頭上を覆う樹葉もないため、肌が焼かれる。ピークを越え新藤越林道を下ると、麻加江小萩林道に突き当たる。樹々の日陰はできたが、風力発電の風車を目指して走る道行はアップダウンがあり、下り初めたと思ったら登り返しがあり、ジワリと脚に効いてくる。
峠を越えたと思ったので、おにぎり食べたのに・・・また登りかよ・・・。
再びR42に合流する。R368、R166を経由し、珍布峠を目指す。珍布峠は切通しの峠で、表出した地層から染み出した地下水が岩肌を濡らしている。
R166を外れ、林道有間野浦谷線で大台町を目指す。この林道も道幅が広く走りやすい林道だ。傾きかけた日差しは杉木立の足元までは届かず、一日の盛りが過ぎたことを強く感じさせる。林道を抜け、宮川沿いの道を、夕陽を背に走ると、盛りは過ぎたとは言え、強い夏の日差しにふくらはぎが炙られた。
道の駅に戻り、車内に汲みためていたペットボトルの水で汗を流す。日焼け止めを塗っていたが、腕や脚が赤くなっている。面白い一日だったなと思いながら、役場の駐車場を見ると、『行ってらっしゃい』と声をかけてくださった方のエブリイはまだ停まっていた。今日は平日だったか。