地図を見ていると、県道176号線に『一部石畳あり』と注釈されおり、これは行ってみなければと出掛けた。

 

 当日は未明から走り出すのを躊躇するくらいの強風で、御坊市の交通量の多い道は少し怖い。ハンドルをしっかり押さえ県道176へ入りのどかな里道をたどる。

 

さらに県道からそれ、道は熊野古道の旧道に入る。

 

 里道から山道に変わるころ、背中のポケットから電話の呼び出し音が。職場からの緊急連絡で、その後サイクリングは続けたが、気もそぞろだ。

 

数人のハイカーとすれ違いながら、石畳の道をたどる。もちろん自転車は押していく。

 

石畳、杉林、石垣と鳥の声の道をゆっくり進みたいが、やはり気もそぞろだ。どちらにしても6時間は帰れないとわかっているが・・・。

 

 

熊野古道を抜け、日高川に出合う。

 

 一目散に車のデポ地へ帰る。その後自転車に乗れない生活が続くとは想像もしない・・・嘘、大体予想できたけどね ⤵

 

 

 

 地図を見ていて大宇陀阿騎野から川上村に抜ける峠道を見つけ、ランドナーで走りに行った。 少し厚着で大宇陀の田んぼを走りだしたが、東吉野村につく頃には1枚脱いでいた。くしゃみも連発し、春本番を実感する。

 

 東吉野村鷲家を通ると、いたるところに天誅組義士最期の地と看板が立っている。天誅組についてあまり知らないが、鷲家を過ぎる頃には、ほとんどの義士が彦根藩士の銃弾に倒れたことが分かった。

 

 丹生川上神社を過ぎ峠道に入る。林道然とした道だが、かつては川上街道として、川上村と鷲家をつなぐ重要路だったと。

 

 

 白屋越を過ぎると空が開け、道の勾配が緩くなった。もうすぐ峠だろうなと思い始めてからが長かった。緩急の斜面を繰り返しているうちに雪が現れた。陽に溶けた雪が氷結しており、表面はつるつるだ。

 

 峠は1000メートル近い標高があり、峠を挟んで数百メートルに雪が残り、空気はひんやりしている。

 

 大滝ダム湖まで降りると、春の暖かさに戻った

 

 ダム湖の左岸は何度も車で通っているが、右岸を走るのは初めてだ。高みに川上神社が見え、湖には竜がいる。

 

 ダム湖の底から持ち出されたいろいろな碑が右岸の道沿いに移されており、川上第2小学校にあった二宮金次郎さんもその一つ。

 

 窪垣内から県道16号を鷲家方面へ走り、大宇陀へ帰った。

 

GPSロガー使いこなせてないです・・・。

いらないデータをトリミングしようとしたら課金必要とは⤵

 

 

 キャンプinn海山がスタート・ゴールで、引本浦から島勝浦、須賀利漁港から林道に入り小さな半島を一周するコースだ。

 

 ひなたに立っていると、早春の陽に照らされ暖かく感じるが、走り出すと風はまだ少し冷たい。ポケットに入れておいたネックウオーマーを取り出し『春は名のみの風の寒さや…』早春賦を口ずさんでみる。

 

 

 陽にきらきらと波が立ち、漁船が浮き沈みしている。

 

 

 引本浦からトンネルを越えると島勝浦に出る。

 

 

 さらに島勝漁港に

 

 

 S字に曲がった峠道を上がると、須賀利トンネル。

 トンネルを越えるとまた、海岸に出合う。

 

 

 須賀利漁港を横切り、須賀利灯台へ

 

 

 さらに奥の林道に入る

 黒々とした真新しい舗装が途切れると、草木が道に張り出した道になる。

 

 

 結構ながれ道だが、降車して押すほどではなかった。

 眼下には引本浦が見え、遠くには雪が残った大台ケ原の山容が見えた。

 

 

 海岸レベルまで降りてなお、ダートは続いた。

 

 

 時々見える駐車中の車は、釣り人のものだ。陽に暖かく、潮風にふかれる一日も気持ちが良いものなんだろうな。

 

 

 名張市中央体育館から青蓮寺湖までは10分ほどか。湖畔を半周し、青蓮寺湖畔ぶどう園から脇道にそれると小さな集落が現れる。田んぼの中の1本道を行くと、やがて周囲は杉林に変わり林道然となる。路面もダートだ。

 

 そのまま林道青蓮寺支線に入る。勾配はほとんど感じることなく、ただ、ダートを踏みしめるタイヤの音が聞こえる。

 

後ろから車の音がし、路肩に寄って車をやり過ごそうとしたが、車は停車した。

 

『ここはどこですか』

 

『まっすぐ行くと舗装の今井林道に出合い、右折すると温泉旅館の山水園に出ますよ』

『助かりました。良くこの道を走っているんですか』

『いえいえ、20年ぶりに来ました』

林道で道を聞かれたのは初めての経験だが、山水園を知っていたので地元の人だと思うけれど、道に迷い込むにもほどがある。

 

 今井林道に出合い、僕は左に進む。

 今井林道わきを流れる川は、滑らかな岩肌の上をすべるように流れている。川を横切り、竜口夫婦側林道に入る。大きくガレていて走りにくい道だ。

 

 雪が残る寒々とした峠を越えると急に風景が変わる。

 

片側斜面が落葉し、差し込んだ陽が暖かく反射している。

 

 手がかじかみ、ブレーキをかけ続けるのが嫌になるほど下り、竜口集落に出る。大きな旧家がたくさん斜面に張り付いている。大きな田んぼが広がるわけでもなく、生業はなんだろう。

 赤目四十八滝へ抜け、名張市街へ戻る。旧市街を通り抜け中央体育館へ戻った。

 

 

 

 パリパリ、プチプチ、チリンチリン、ゴーゴー

 

路面に広がる落ち葉を踏みしめる音

どんぐりがタイヤに踏まれて弾ける音

クマよけ鈴が鳴る音

水量豊富な渓流の音

 

 

 日差しがあれば小春のようだが、いったん陽が雲に隠れたり、風が吹くとやはり肌寒い。

 

 1日ゆっくり林道に滞在できればと思い、白谷池郷林道を候補に挙げた。コースの心地よさは経験済だ。

 

 路面に広がる落ち葉で石が隠れているので、気を使いながら走る。冒頭に書きだした音だけに囲まれた静かな世界だ。落ち葉が吹き溜まった日差しに入ると、落ち葉に反射した暖色光に包まれる。

 

 標高をあげ勾配が緩くなってくると、一層ゆっくり走り滞在時間が長くなるように心がける。

 

 峠の切通しから風が吹き込んでくるので、風をよけられる峠の手前でお昼にする。峠茶屋でAランチ(カレー+ホットコーヒー)を注文だ。この峠茶屋はフロントバッグを開ける度にコーヒーの良い香りがする。

 

 自転車を見ながらご飯を食べる。この単純な装置でここまで来られるって素晴らしいな。

 

 峠を越え下りだし、いよいよR425号に出合う。白谷トンネルを越え、林道のような勾配のR425号を下り池原ダムまで帰る。

 

 

 

 

 百間山渓谷から板立峠への道行は大規模な水害復旧工事でしばらく通行止めになっていた。2014年和泉市に単身赴任したタイミングで走りに来ていたが、工事通行止めのため走れなかったコースだ。2018年にも再訪したが大規模な工事は終わっておらず、通れなかった。今回は通行止めが解除されていると聞き、是非ということで走りに出かけた。

 

 百間山渓谷駐車場周辺の通行止めは解除されていたが、大規模な砂防ダムの設置工事はまだ継続されており、工事車両の行き来は多い。きれいに整備された道は勾配が急で、百間山渓谷駐車場を起点に走り出した身体にはかなりの負担だ。

 

 工事区間を過ぎると静かな道が取り戻される。ほどなく、7年越しの峠に到着するが、峠には道標もなく、あっさりとした感慨だ。

 

 峠を下り、木守平井林道に入る。林道の色々な要素が詰め込まれた良い道だと思う。

 

 峠に名前が付けられていないことも趣の一つだ。

 

 峠を越え下り始めると、下り道が終わらない。これだけ下ってしまうと、またおんなじだけ登らなあかんのが大変やと思うほど、下りに下り、R371に出合う。

 

 

 

 将軍川林道の走り始めは落ち葉が道一面に敷き詰められた道だったが、淡々と上り詰め、峠へ至った。

 

 下りには、立派だが照明の無いトンネルが闇世界へいざなう口を広げている。

 

 唐突に市鹿野の集落が現れ、林道が終わる。日置川沿いに合川ダムまで登り、百間山渓谷へ至る道をたどる。

 

 今日は、どの瞬間も青空に映された風景が美しかった。どこを走っていても、何よりは青空が一番だなと思った。だから、どこにいても、どんな時も、人は幸せを感じることができるのだろうな。

 

 

 

 

 

 道の駅奥伊勢おおだい周辺は、山深いエリアではあるが、峠を越えると海に出合える魅力が大きい。

 大紀南島林道は、落葉で道が覆われ、開けた空から差す秋の陽が美しい。

 

 大宮紀勢トンネルは、手前で道幅が急に拡がり、対向2車線の堂々としたトンネルだ。盛大な林業需要が見込まれていたのだろうが、林道は寂しいままだ。

 

 次に現れる紀勢南島トンネルを越えると、気温が少し上昇した。小さな気づきが、日常から抜け出すための鍵だったりするが、今回は南の島に向かうような気温の変化が旅のご褒美だ。

 

 林道を抜け勾配がゆるやかになると、川から潮のかおりが漂う。しばらく海岸沿いのR260 を走り、相賀浦から礫浦に至る半島に入る。

 

 海峡にあたる5メートルほどの橋を渡り、半島の道を走る。浜でお昼を済ませ、海沿いの道に入っていく。崖上を通る道で、海は見えないが、崖の下から、波打つ音が雷のように聞こえる。

 再び山の中を走る道に戻り、旧能見坂トンネルを目指したが閉鎖しているらしく、仕方なく新トンネルを越える。

 

 藤越峠に至る峠道は美しい渓流沿いで、地元水道の原水採取地になっている。この美しい水が蛇口から出てくることは、豊かさの一つだと思う。

 

 藤越を下ると、良く知った道に出合う。道の駅奥伊勢おおだいに帰着したのは、夕方の早い時間だが、もう影が長くなっていた。

 

 

 

 R425を辿ると、美しく緑から青に変わる川の流れを見ることができる。

 

 

 山中の村だが空が開け穏やかな空気が流れている。自選住みたい田舎選集にリストアップしておこう。

 

 丸山千枚田は刈入れ時だ。一部は刈取られ、稲穂がはさかけされている。

 

 

 しばらく国道を走り、札立峠への県道へ入る。国道で焼かれた身体は、かなりダメージを受けている。道沿いにある青少年自然の家で水を補給させてもらいリフレッシュだ。青少年自然の家を過ぎると、道は樹々に覆われ走りやすくなる。

 

 木々が開け、海が見えた。山の中ばかり走っていて忘れていたが、ここは熊野市だ。

 

 札立峠はトンネルで、海側からの風が山側へ抜けていた。

 

 一ノ水林道に入る。相変わらずセミ時雨だ。一ノ水峠は開け、陽にあふれていた。

 

秋はすぐそこに

 

 

 

 早朝の久居は、青空が広がるが、ワイパーを動かすほどの雨ふりだ。おかげで朝から完璧な虹が見られた。

 天気予報は晴れなので安心して大台町へ向かう。道の駅奥伊勢おおだいは駐車場が町役場とつながっており、僕が自転車をおろして出発の準備をしていると、目があった職員の方に『行ってらっしゃい』と声をかけていただいた。すごくうれしい気持ちで出発だ!

 

 R42を少し下り、奥西河内林道に入る。滔々とした川の流れを聞きながら、杉木立を走る。風が涼しく、気分が浮足立ってくる。すごく気持ちが良い。すごくうれしい気持ちだ。

 

 ルンルン・ニコニコで緩い勾配を走っていると道端に風穴の看板があり、立ち止まると風穴内部の照明が自動点灯した。入ってみるとひんやりした空気で、ちょっとした冒険気分だ。

 

 一瞬たりとも途切れないセミの鳴き声を聞き、舗装路の林道を快適に上る。追い込むような走りをしなければ体温も上がりきらず、十分サイクリングを楽しめる。 

 

 ただ、コーナーを曲がるだけのピークを越え、県道46号に出る。藤坂峠へつながる道で、何度も通ったことのある道だが、今日は藤坂峠ではなく藤越峠へ向かう。藤越峠ピークから新藤越林道へ入る。

 

 峠からさらに高度を上げていく林道で、車が対向できるほど道幅は広く、頭上を覆う樹葉もないため、肌が焼かれる。ピークを越え新藤越林道を下ると、麻加江小萩林道に突き当たる。樹々の日陰はできたが、風力発電の風車を目指して走る道行はアップダウンがあり、下り初めたと思ったら登り返しがあり、ジワリと脚に効いてくる。

 

 峠を越えたと思ったので、おにぎり食べたのに・・・また登りかよ・・・。

 

 再びR42に合流する。R368、R166を経由し、珍布峠を目指す。珍布峠は切通しの峠で、表出した地層から染み出した地下水が岩肌を濡らしている。

 

 R166を外れ、林道有間野浦谷線で大台町を目指す。この林道も道幅が広く走りやすい林道だ。傾きかけた日差しは杉木立の足元までは届かず、一日の盛りが過ぎたことを強く感じさせる。林道を抜け、宮川沿いの道を、夕陽を背に走ると、盛りは過ぎたとは言え、強い夏の日差しにふくらはぎが炙られた。

 

 道の駅に戻り、車内に汲みためていたペットボトルの水で汗を流す。日焼け止めを塗っていたが、腕や脚が赤くなっている。面白い一日だったなと思いながら、役場の駐車場を見ると、『行ってらっしゃい』と声をかけてくださった方のエブリイはまだ停まっていた。今日は平日だったか。

 

 

 

 少し小走りをする機会があって、走ってみると、体の重さに愕然とする。たまにはジョギングもしないとナ…。大台ケ原に走りに行くと、これまたペダルの重さに愕然とする。名張市は山がちな地形で、そこそこ坂道は走っていると思っていたけれど、いつものコースに身体が慣れてきているだけだったのか。たまには大台ケ原も走りに来ないとナ…。

 

 走り出す前は、行者還りトンネルにも寄っていこうと思っていたけれど、走り始めて10分で予定変更だ。結果的に雷雲会わずに済んだので結果オーライだけれど、梅雨を言い訳にさぼりすぎたかな。

 

 道の駅に戻り、温泉に入った後はキャンプチェアを持出し、川辺で風に吹かれて本を読む。雷が鳴りだしたのを合図に帰路につくと、えげつないほどの大雨にあい、良いタイミングでやり過ごしたなと車窓を閉めた。