大寒の朝
日に日に朝の光が早く窓から点すようになり、春に向かって輝きを増していくように見える。もう冬至から1ヶ月が過ぎようとしている。
大寒入りした朝は、珍しく、氷点下ではなかった。夜明け前の景色を見たくなり、美し森へと車を走らせる。
(夜明け前の神聖なひととき)
日が昇る手前のほんの一瞬、静寂な時が清々しい。気温はいつもより高いのに、八ヶ岳の方は雲がかかり、風が冷たい。急いで戻って、朝ごはんにする。
薪割り
その日は、薪割りをJunJun&Mihoさん夫妻が手伝ってくれる事になっていた。一昨年の秋、新居を建てる時に、コナラの木を伐採した。とても迷ったが、家の屋根にも近く、枯れ枝もあり、工事の影響なのか樹勢が衰えていくようにも見えた。意を決して、根元10cmを残し伐採してもらったのだった。
一本のコナラの存在は尊い。ひこばえは出て来なかったが、根がキノコや他の植物を育ててくれて、周りにはプチ・ガーデンが出来ていた。1年間玉切りした丸太を軒下に放置していたが、そろそろ薪にした方がいいとの事で、薪割り機を持って夫婦で駆けつけてくれたのだった。使い切れないぐらいの数の丸太は、一部持って帰ってもらった。
(薪割り機に丸太をセットするのも重労働。一本の木のいのちの重みを感じる)
(無事終了。薪棚三連分ぐらいの分量になった)
新居での薪ストーブ生活が始まって、まだ1シーズンを終えたばかり。どれぐらいの量が必要なのか、調達はどうしていくのか未知数である。少なくともJunJun&Mihoさんのようなパワーがないと、木を切り出して、丸太を薪にするまでの工程をこなせないと実感。割ったばかりの薪は、もう少し乾燥が必要なので、薪棚も買い足した。あと一回、薪屋さんに薪を頼む事にしよう。
雪のない冬
今週、アートカフェThe Purrage(ザ・ピュレッジ)さんで、清里で撮影した雪景色のプリントを飾ってもらった。2021年、初めて本格的な冬を清里で迎えた時の写真だ。あれ以来、この雪景色とは出逢えていない。最近は1月になっても雪が降らない。
特に今年は雨も雪も少なく、乾燥していて、山火事防止のために北杜市内では、焚き火も禁止になったと聞く。ご近所の飲食店のマスターも、この時期に花が咲き始める蕗のとうが、湿り気がないために、パサパサになっていると言っていた。
こんな雪景色に、もう清里では出逢えないのだろうか?
(取り急ぎ、手元にあったプリント作品を展示中。もう少し増やしたい)
森の恵み
作業も終わり、夕方近くになると、さすがに冷えて来た。翌日は寒波の予報。空は澄んで星も綺麗だが、眺めていては凍りついてしまいそうだ。
森の恵みに感謝しながら、薪ストーブを点ける。昔、子どもの時に見た、祖母の友人夫婦が吉野の田舎で暮らしていた景色を思い出す。田畑や猪を取る罠があり、家には土間やかまど、縁側や五右衛門風呂があり、薪が整然と家の前の通路に並べてあった。循環した暮らしを淡々と営んでいた様子が、都会生活とは別世界に見えて印象的だった。
あの暮らしには程遠いけれど、薪割りを通して、森の恵みの有り難さを感じられるようになった。今の生活から急に切り替えるのは難しいが、少しずつ出来る所から、森や自然に寄り添える循環した暮らしを叶えていきたいと思う。
そんな事をつらつら想いながら、また京都に出稼ぎに行く準備をする。行き来をする度に、自分のこころの中で、二つの世界が陰陽のように折り重なっていくのをまた楽しむことにしよう。
(焚き付け用の薪は、大工さんがくれた新居の建築端材。有り難く使わせて頂いている)
【登場したお店】
*The Purrage→@the_purrage_kiyosato (営業時間:9:00−16:00/火・水定休)
【2024年の個展の様子はSNSで】
Instagram→@lyse_illiers
X→Reiko Seo Abe (@lyse_illiers)




