本日のブーツはCHIPPEWA チペワです。
レッドウイングに比べると普及数は少ないですが根強いファンも多くチペワじゃないと!ってユーザーも多いようです。
概ねレッドウイングと同様に6インチのブーツ、エンジニアブーツ、オックスフォードなどを出していますがレッドウイングとの違いは造り込みのようです。
CHIPPEWAで検索すると厳選された素材と手作業に拘るメーカーとでてきます。
確かにレッドウイングと比べるとウエルトの縫製が整っていたりロゴの型押しがしっかりしていたりとかありますね。
個人的にはショート丈のエンジニアブーツは良いなあと思います。
レッドウイングにはないラインでモックトゥなのでつま先の芯も穏やかなデザインです。
一般的にはレッドウイングと外見的にはよく似通った6インチブーツですがレッドウイングの方が普及している日本ではレッドウイングのコピー?と思う方もいるようです。
上がCHIPPEWA、下がRedWingです。
ただ、違うのは筒の絞り込みがCHIPPEWAの方がタイトです。なのでしっかり紐を緩めないと脱げない造りなのですね。
それとミッドソールの上にCHIPPEWAは5ミリくらいのミッドソールが土踏まずから後ろだけ追加されています。
この部位はレザーに見えますがウッドパルプの集成材です。
みのミッドソールのお陰でちょっとヒールが高めになっているのでスタイリッシュに見えるかも知れません。
また画像を撮り損ねていますが内部構造は全く違っていてレッドウイングは練りコルクがつま先からかかとまで詰まっていますがチペワは柔らかいスポンジがふわっと前半分だけ詰まっています。詰まっているというより敷いてあるといった感じですね。
そしてチペワのみシャンクプレートが固定されていてレッドウイングは入っていません。
メーカーの考え方の違いなのでしょうがクッションコルクの方が長持ちすると思いますね。
シャンクプレートはどうなんでしょうか?ビブラムソール#4014のようにフラットなソールなら入っていない方が柔らかい歩き心地かと思います。
チペワはシャンクプレートは必須という概念があるようで逆にレッドウイングはシャンクプレートを省略しているのかも知れませんね。フラットソールなら土踏まずが下がる事はないので合理的といえば合理的なんでしょうか。
そして中床。ここはレッドウイングはエンジニアブーツや6インチブーツでインナーにクッションスポンジが入っているタイプ以外はレザーです。
チペワは概ね圧縮パルプです。ソフトなクッションスポンジのせいで大きく沈んでしまっている個体も多く、レザーなら沈んだ中床もある程度修復可能ですがパルプはダメですね。簡単に折れちゃいます。
レッドウイングのエンジニアブーツなども同様でここは両社ともレザーにして欲しいところです。
そして今回お預かりのブーツはビブラムソール#4014から#100ソールへのカスタムです。
先程書いた5ミリのミッドソールは省き1枚のレザーのミッドソールに#100ソールを圧着しています。ヒールはいつもの#1100ヒールでレザーの積み上げヒールもしっかり2段でバランス取りしています。
ウエルトが革の生成なのでミッドソールのレザーや積み上げも薄目の染料を使って仕上げています。
こちらのブーツのオーナー様はカスタムの常連さんで下駄箱の奥から引っ張り出したブーツをカスタムされています。
この個体は30年前に買われ、ちょっと履いたあと25年くらい放置されていたそうですっかりカビだらけになっていたのでついでに丸洗いしてからお渡ししました。
バイクに乗るときに履くそうですがちっこいモンキーとでっかい3輪トライク(爆音仕様!)をお持ちなのでどちらに乗るときに履くのかな?などと妄想しながら修理しました。