2011年11月13日、金坂登美男さんが旅立ちました。

今頃は、きっと天国で自由な体になって、今までやれなかったことを、たくさんたくさんやっいることでしょう。

自分のおもうフレーミングで写真を撮ったり、先に旅立った仲間達と おしゃべりをたのしんだりしているかもしれません。きれいなおねえさんに、プロポーズしているかもしれません。ブログを書いているかもしれません。

あとがき



僕が生まれたのは、昭和37年3月10日です・


親は「弟が生まれるときどんな子かなぁー」と心配していました。


そんな親が、僕はかわいそうになることがありました。


こんな僕でも、何かをやれないかと思っていた時に看護婦さんや、保母さんに「詩を書いたらどうか」と進められました。


初めは大変でした・・・・。


僕の言葉を分かる人がいなかったのです。


題だけしか、かいてもらえないこともありました。


この本にのっている「かあさん」という詩が出来るまでの過程を書きます。


看護婦さんがだいたい書いてあるのをすこしずつ、僕のイメージにあてはめていきました。


とても大変な作業でした。


何日かかったのか忘れました。


けれど、2ヶ月以上はかかったと思います。


今は、30分ほどで出来ます。


これは、看護婦さんや、先生方が、よく話をきいてくれるので、僕の言葉がすこしずつ聞きやすくなったような気がします。


最後に、この本を作ってくれた岸本さんや「千都」の皆さん、ありがとうございました


そして、僕に手伝ってくれたボランティアさんや、職員のみなさん、どうもありがとうございました。


                                               1990.2月 金坂登美男


プロフィール



ぼくは いろいろ経験してきました


3歳の時     親とけんかした


8歳の時     足の手術をした


9歳の時     頭の手術をした


15歳の時    詩を教えてくれた人が初恋の人


20歳の時    おじいさんが死んだ



24歳の時    友達ができた


そして今は・・・・・本を出すことになった


これからも・・・・・いろいろあるだろう

かあさん


     ぼくは今でも とても幸せです。


     兄が死に ぼくがこんな体でめんなさい


  

     でもぼくが こんなに明るいのは


     ぜんぶ母さんの愛があったからなのです


     ちょっとなきむし母さん ほんとはゆかいな母さん


     がんばりやの母さん そしてちょっと大き目の母さん


     その歩く後ろ姿は まるで母さんクマのよう


     いろんな母さんの中で 明るい母さん好きです


     ちょっと泣き虫母さん ほんとうはゆかいな母さん


     がんばりやの母さん そしてちょっとおおきめな母さん


     母さん・・・・・


        詩:金坂登美夫

        曲:小林雅彦(川崎市社会福祉士協会)

        81年私は綿帽子千葉こんさーとにて発表された曲です」。



     僕の夢



     僕の長年の夢が、かなおうとしている。


     その夢が本当になる事を祈っている。


     友達は、まだ、知らない。


     僕の夢は、本を出すことだ。


                     H1.10.6

     夢


     僕の小さな頃の夢はレーサーになることだった


     もう一つの夢は歌手になることだった


     今の夢は詩集を作ること


     もし僕の詩集が売れたら


     僕の夢は叶えられる


     夢は、好きな人に何かを買ってあげたい


     もう一つの夢は


     好きな人にこの気持ちを伝えたい


     この気持ちをわかってほしい

     生きる



     僕は どうして  この世に生きるのだろう

   

     君達は こんな事をかんがえたことがありますか


     僕はずっと考えて生きてきました


     苦しいときほど こんな事を考えてしまうのです


                                 H2,2,5

     詩との出逢い


     僕が詩と出逢ったのは


     十五の秋でした


     十七から十九まで ちょっとの間は


     書いてくれる人が いなかったので


     僕は ちょっと 淋しかったのです


     だけど 十九の春から


     また詩と出逢うことが出来ました


     本当に 本当に


     詩は


     僕の心の絵です

                           H2.2.4

     寒い日


     寒い日は こたつとみかんとノートがあればいい


     寒い日は たきびにあたっていよう


                            H2.2.4

     君


     君 ぼくの 友達に なってほしいな

     君は可愛い人だから

     ぼくね 寂しいんだ

     こんなことを言うのは ちょっとはずかしいけど

     言うよ

     ぼく・・・君が スキなんだよ

     ねぇ いろんな人と話をしてきたけど

     君はとっても いい ぼくの友達だよ

     ぼくの事を心配して くれるなら

     ぼくに 手紙を 書いてほしいな


                       H2.2.3