こちらは過去の出来事になります。


ジャイ子氏側から夫宛に損害賠償請求の通知書が届きました。その週末、土曜日の夜。


夫婦2人共にリビングでくつろいでいました。

そろそろ眠たくなってきたな、という時間帯に、それはまたやってきました。


「らぶか、今ちょっと話してもいい?」


らぶか「。。。何?」


ジャイ子さん側の弁護士から、俺宛に通知書が届いたんだよね。内容は慰謝料請求だった。」


らぶか「。。。」


その後、ジャイ子さん側の弁護士から電話があって、10分ほど話した。」


らぶか「。。。」


ジャイ子さんからの慰謝料に関しては、事実を認めているから、俺は支払う意志はある。」


らぶか「。。。」


「昨日、この件について、知り合いの弁護士にまた相談した。俺は代理人を頼むつもりはない。ジャイ子さんとの合意書を作成する段階になったら、内容チェックをお願いするつもりはある。」


夫が知り合いの弁護士に会ったことは把握していました。財布に法律相談料1万円の領収書が入っていたからです。

2人の関係が続いているのであれば、ジャイ子氏から夫への損害賠償請求はブラフ、つまり、2人が結託して一芝居打っているだけ、と考えられます。


であれば、当然夫は弁護士は立てないでしょう。代理人契約の着手金は10〜30万レベルです。一芝居打つには気軽には出せない金額です。


(2人が関係を継続している前提でこの弁護士に相談したのだろうか、又は、伏せて相談したのか、どっちなんだろう。)


以前にも話したけど、らぶかの弁護士の星鮫ってヤツからジャイ子さんへの電話は、脅迫に近いものだったらしい。」

勝手な決めつけです。

星鮫弁護士は、明確にこれを否定しています。本当に脅迫行為だったのなら、訴えればいいでしょう。

ジャイ子氏が誇張して言っている可能性は大きい。自分の精神的損害を夫に大きく見せるためだ。

「彼女は相当ショックを受けているようで、故意過失が全くないのに不当だと感じているそうだ。」


らぶか「。。。」


「〜らしい」とか、「〜そうだ」とか言っていますが、彼女から直接聞いているのは分かっています。

この人は、片方だけの話をそのまま鵜呑みにする人なのか。あまりの一面的なものの見方に呆れて物が言えません。  

そもそも、人間不信に陥るほどのショックを受けたのは誰よりも私です。

しかも、それは夫が与えたものなのに、


夫は、そこに関しては何の思いもないようです。

虚しい気持ちでいっぱいになります。


「俺の知っているらぶかの性格から考えて、このやり方には違和感を感じている。そこで再度聞きたいんだけど、こんな攻撃的なやり方はらぶかの指示なのか?それとも弁護士が暴走しているのか?」

結局、振り出しに戻ってしまいました。


「俺の知ってるらぶか」って、どんな女性なのでしょう。自分にとって都合の良い妻を勝手に作り出しているだけではないのか。


「これは俺たち夫婦間の問題なんだから、弁護士を通さずに、夫婦で話し合うべきでしょ。」


この件を取り下げさせろ、とジャイ子氏が指示しているのでしょう。


虚しかった。


(堂々巡りの話し合いになるから、早く切り上げよう。)


らぶか「私の意志は星鮫弁護士にしっかり伝えてあるし、一任しています。それ以上は話せません。」


「あ、そう。じゃあ、らぶかが脅迫しろって指示したって思っていいわけね。」


吐き捨てるように言った。


らぶか「貴方のことも含めて星鮫先生には私の考えを伝えてあります。」


「私の考え」というのは、


ジャイ子氏が夫に慰謝料請求をしなければ、私もジャイ子氏に慰謝料請求をしない、


というものです。


その代わり、誓約を破り、夫と接触した場合の違約金は高額に設定して欲しいと伝えてありました。

私は、慰謝料が欲しいのではありません。


2人にきちんと別れて欲しいだけなのです。


この要求内容なら、お金は三者共発生しません。


当初より、「2度と会わないと誓約するなら金銭的請求を伴わない解決も検討する」と伝えてあるではないか。


夫にとって、これ以上何の不服があるのか。


結局、金輪際会わないと誓約したくないから、弁護士を排除したいだけなのだ。


怒りが沸々と込み上げてきて、



「貴方たち、今も会ってるの私が知らないとでも思ってるの。
この前の京都出張だって、昨日の会社の飲み会だって、全部バレてないとでも思ってるの。」



喉まで出掛かりましたが、すんでのところで飲み込みました。


(このカードはまだ切らない。もう少し様子見だ。)



らぶか「。。。貴方には申し訳ないけど、ジャイ子氏の件は弁護士抜きで考えていないから、何とか理解してほしい。もし話し合いがまとまらなければ、両者然るべきところに出て、粛々と公平に判断してもらうのも致し方ないと思ってるよ、私は。」


柔らかに伝えたつもりですが、言うべきことははっきり言いました。訴訟を起こすつもりは実のところありませんでしたが、牽制はかけておかねばなりません。


2度も自分を棚上げして、妻へ説得工作を試みた夫。

夫が不貞行為を全く反省していないのが、よく分かりました。

私の傷ついた気持ちを全く理解できていないことも、よく分かりました。 


この気持ちをどう消化したらいいのだろう。


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翌日、日曜日。


2人で一緒にランチを取った後、夕食の時間まで別行動となりました。

夫はCDショップ巡りをすると言っていましたが、夫の帰宅後、入手した情報は、それとは矛盾するものでした。


⚫︎ネット履歴

「◯◯町  喫茶店  喫煙」
「喫茶店 ロンド ◯◯町店 内観写真」

「◯◯町  ラブホテル」
「ラブホテル  ドリームII」

「乗換検索  □□台駅 〜 ◯◯町駅」


この「□□台駅」というのは、ジャイ子氏宅の最寄駅です。


夫はルート検索をする習慣があります。
自分のものだけでなく、これから会う相手のルート検索もです。

私と昼食後、解散する前に「地下鉄でCDショップへ向かう」と私には言っていたのに、ICカードの乗車履歴にそれに該当するルートはありませんでした。

その代わり、タクシー代をそのICカードで払った履歴はありました。

夫自身のルート検索履歴がなかったのも納得です。

CD購入のレシートもなし。


これらは証拠としては弱いですが、少なくとも夫はCD巡りなんてしていないし、ジャイ子氏と会った可能性は非常に高い。

しかも帰宅は5時間後ですから、喫茶店でずっと彼女と過ごしていていたとも考えにくい。


とすると、やはり喫茶店の後はラブホテルへ行ったのか。

帰宅後、夫は、妻の用意した料理を当たり前のように食べ、いつものように名探偵ポアロを見て、子供のようにガハガハ笑っています。

夕食後、夜型人間の夫が珍しくソファで爆睡してしまいました。

ラブホテル疑惑はより濃くなりました。


金曜日も日曜日も、妻の目を盗んで頻繁に会っている。

両者弁護士が入っている状況でさえも、会うのを控えようとしない2人。

妻が全て把握しているのを知らないとはいえ、バレなければ何でもしていいのか。   

悔しくて悔しくて涙が出てきます。


気が狂いそうなくらい悔しくて、憎悪の感情で一杯になっている自分を抹殺してしまいたくなります。


翌日、私は星鮫弁護士へメールを打ちました。


「不貞行為が続いているのが事実であれば、夫との修復は不可能と判断し、ジャイ子氏の案件が片付いた後で、離婚を検討さぜるを得ないと考えております。」

「そうなった場合、今後のジャイ子氏の案件において、方向性など変更すべき点、再調査を入れるタイミングなど、何かアドバイスがあればご教示いただけましたら幸いです。」


2人を別れさせたいという気持ちは依然として強くありましたが、この人とは結婚生活はもう続けられないという気持ちが固まっていきました。