今年も猛暑だ。小生が管理を委託されている畑の管理が十分で来ていない。梅雨の降雨と高温で雑草が生い茂り、除草が追い付かない。理由は農作業に充てることができる時間が限られていることだ。専業でもないし、兼業の部類にも入らないだろう。「趣味の園芸」にまで落としたくはないが、それ以下かもしれない。桃と柿の果樹管理だが、今年は桃の出来はよくなかった。小生の果樹園だけでなく、地域の桃の出荷も低調で、品質は例年以下で、価格は高目である。これでは、桃を一口も味わうことなく夏を過ごす人も多いだろう。今年は出荷はゼロ、家庭内の消費分+αで終わってっしまった。「桃太郎」が日本の代表的な童話になっていることは、古来、日本人は桃を栽培し食してきたわけだ。柿も日本人にとってはありふれた果物だ。農家は庭の隅に必ずと言っていいほど柿の木を植えていたものだ。したがって身近な果物だったのだが、柿の味を知らない日本人も増えてきているのではないだろうか。桃も柿もタダで食える果物という感覚だったのだが、昨今はそうではないようだ。桃も柿も「旬」の果物だから、収穫されて販売される期間は意外と短い。「柿泥棒」の心境とか「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句も理解できない日本人が出てきそうだ。
夏の農作業は午前中に行うのものという常識があったが、最近は温暖化の影響だろうが午前中でも8時~9時にかけて気温が急上昇する。直射日光に照らされては熱中症の危険度も高まるので、農作業は日の出から8時ないし9時頃までにしなくてはいけない状況だ。2~3時間という短時間に集中して野外作業をしなくてはいけないのだ。
農業に従事している人には高齢者が多いが、栽培面積を縮小したり、引退して撤退する人が増えている。継承してくれる人が見つかればいいが、そうでなければ果樹園などは丘や山の斜面に作られているケースが多いので、耕作放棄地となれば比較的短期間の内に自然に返ってしまう。小生の管理地の西隣に柿畑があったが、地主が耕作を放棄して2~3年で鬱蒼とした竹林になってしまった。こうなると、もう簡単に踏み入ることもできなくなる。日本の農地は、平野部は宅地や産業用の用地に変わっているだろうが、高齢者の引退によって自然林に帰っているわけだ。かつては立派な果樹園が不毛の土地になるわけで、果樹の生産が減少するのは当然だろう。
今年の桃の不出来の原因は何だろうか。雨が多かったこと、受粉をしてくれる蜂などの昆虫が減少したこともあるかもしれない。今年は柿がよく実をつけているが、8月の高温と日照りで木が弱ると秋に入ってごっそり実を落とすので楽観はできない。
温州ミカンとリンゴの生産も減少しているという。桃、柿、ミカン、リンゴといった国内産の果物を安く十分に食することができるようにしたいものだ。小生ももう少し頑張ってみよう。