日本版「サイレント・インベージョン」 | 方丈随想録

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中国によるオーストラリアの政治乗っ取りの策謀と活動が、数年前に明らかになった。

このことを整理して社会に警告したものが『サイレント・インベージョン』という本で、著者はクリーブ・ハミルトンである。副題は「オーストラリアにおける中国の影響」というものだ。

同様の工作活動はアメリカやカナダでも行われたので、両国は中国への門戸を絞りつつある。孔子学院の閉鎖や中国人留学生の追放もその一環である。

では、日本における中国の工作活動はどうなのだろうか。『サイレント・インベージョン』に匹敵するような本は出ていないので分かりにくい。浸透工作は相当行われているように思われるが、合法的な経済活動、文化活動などがカムフラージュになっていて分かりにくいのだろう。公安関係は詳細な情報を蓄積してると思うが、日本のジャーナリズムが中国に取り込まれている実情や中国研究者に対する脅しの事例発生などから、一般国民がまとまった情報を入手するのは難しいと思う。ネットに投稿される情報が頼みの綱だろうか。

さて、ここで、中国共産党の立場に立って、日本に浸透工作をするとすればどんな手を使うかを考えてみると見えてくる。どこに焦点を当てて日本を攻めるか、攻める側の立場に立って考えるわけだ。ここでは政党や政治家を題材にする。

中国共産党と折り合いが悪い政党、そして全くの反共主義の政党や政治団体にはコミットしないはずだ。それは意外に少なく、日本共産党と日本保守党である。尤も、日本保守党は創設から日が浅く政党要件も満たしていないから、ともかく日本共産党とはコンタクトを取らないだろう。

中国共産党が接近する政党はどこか、というと、先ず自民党、そして社民党、次いで立憲民主党、公明党、そして維新の会である。自民党はイデオロギー的には対立するはずだが、利権に聡い政治家や日中友好を妄信している政治家が少なくなく懐柔しやすい。現に「媚中派」政治家と称される勢力が育っている。社民党は思想的に「中国共産党日本支部」と見なせるものだ。立憲民主党は党内に右から左までいるので、親中勢力として利用しやすい。辻元は実質的に社民党であるし、鄭蓮舫は帰化1世議員で中国留学経験もあり心底中国びいきだ。公明党は池田大作の親中方針に従っている。尤も、会長が逝去したので、その遺訓も漸次薄まるだろう。共産主義からいうと「宗教はアヘン」なのだから。ここまでは比較的歴史を持った政党なので、それぞれの政党の支持基盤に直接中国共産党が浸透することは難しい。日中国交回復以降に日本に定住した中国人を工作員として政界に影響力を持たせるためには、比較的新しいしかも都市型政党に工作員を送り込むことだろう。そこで狙われたのが「日本維新の会」だ。「日本維新の会」は大阪が発祥の地で、党員や支援者の素性が分かりにくい。それでもバレることがあるようだ。李小牧という中華料理経営者が怪しいとネットで紹介されていたが。

やはり、中国の政治工作の本命は自民党だろう。河野太郎を通して再エネ政策を推進させ中国製対太陽光パネルを普及させたり、小池都知事を利用して新築住宅に中国製太陽光パネルを設置させると同時に、EVへの充電器を設置させ中国製EVの普及が可能なような環境を整えさせようとしている。河野太郎に関しては、中国軍が日本に向けている中距離弾道ミサイルの迎撃をさせないために、防衛大臣時にイージスアショアの設置を放棄させている。というように、自民系の政治家が最も中国の国益に奉仕している状況にあるのだが。