「川勝平太」論 | 方丈随想録

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川勝平太静岡県知事が突然辞任すると発表した。国民的な「朗報」だろうか。ということは、川勝知事の存在自体が「害虫」か「害獣」のようなものだった。

辞任の理由が失言であって、「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったり」している人は程度が低い人で、県の行政官は「知性が高い」人なのだ、という趣旨のことを任用式で述べたらしい。

生産活動に従事している人を軒並み侮辱する発言であり、大学教授を務め、70歳代の高齢者で、選挙で知事になった人物にしてはお粗末な社会認識である。数々の受賞を受けた学者にしてこの発言なのだから、この程度の人格でも大学の教授や知事になれると今更驚く。残念ながら、静岡県民も人を見る目がない。

川勝氏は早稲田の政経の卒業である。1991年に『日本文明と近代西洋ー「鎖国」再考』という本を出している。その後も『文明の海洋史観』(1997年)とか『「鎖国」と資本主義』(2012年)という本を出しているが、アクセントの置き方を変えただけのもので、基本的には最初の著作で論じた内容が学者としての業績だろう。国民の中でどれだけの人が購読しただろうか。大学図書館や公立図書館が1冊ずつ購入した位だろう。この人の学問的業績など国民には何もメリットがない。紙資源を浪費しただけなのだ。それに対して野菜を栽培したり、牛を育てて牛肉や牛乳を生産し、工場で種々の機械を作った人は、その生産物が莫大な貢献を実生活上で実現している。川勝氏が「俺はこんな論文を書いた。すごいだろう。」と自慢しても、それで社会経済史の上でどれほどの成果か疑わしい。よくこんな周辺的なテーマを探してきたもんだ、と感心はするのだが。

随分前のブログにも書いたのだが、小生は一度川勝氏を目にしたことがある。小生が住む田舎の公民館で講演会があった。著書について面白い話でも聞かせてもらえるかな、と期待して聴きに行ったのだが期待外れだった。何と日本を州に分けて連邦国家にしよう(道州制)、という主張であった。非現実的な荒唐無稽な話を得意げにまくし立てておられた。そして何年かたって静岡県知事に立候補したというニュースを耳にした。このニュースに何か違和感を感じたものだ。学者が政治家に転身する不自然さ、そして州による地方行政の改革を唱えていた人が現行の行政単位である県の首長になろうとすること。学者として限界を感じたので、別のフィールドで働きたいのだろうと解釈したものだが、州を創れという主張からすると、中部州を創る野心でもあるかと思いきや、州の話は全く消えてしまっていた。言行不一致ではないか。

この方は非常な"egocentric"な方なので、目立ちたい、権力を振るいたい、金が欲しい、という学者としては三流以下の俗物なのだと思った次第です。ある意味、非常に人間的ですが、在任中の業績が「リニア新幹線着工妨害」しかないようでは「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったり」している人と比べると、社会的付加価値はマイナスの人だったのです。