無様な上川陽子外相の対韓姿勢 | 方丈随想録

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2月20日、日立造船の供託金が韓国「徴用工」原告団に渡っていることが発表された。

これは実質的に日韓請求権協定を反故にするものであり、日韓関係の今後に大きな影響を及ぼすものであると考えるのが普通なのだが、上川外務大臣はどこで何をしていたのか。外務省のホームページでは、当時ブラジルで開催されていたG20外相会議に出席しており、その機会に日米韓三国外相会談を行ったと一面で報じられている。では日韓外相会談は行われたのかというと、行われていたのだが、ホームページの一面には出てこない。したがって検索をかけて探すと、現地時間2月21日に行われていたのだ。

21日の日韓外相会談の様子は外務省のホームページでは写真2枚が掲載されており、ネットでは動画が配信されていた。写真や動画を視れば分かることだが、上川外相は韓国の趙兌烈外相と顔を合わせるや満面に笑みを浮かべて握手し、会談の部屋でも両国の国旗の前で握手しているツーショット場面を披露している。

外相会談の内容は3点で、(1)日韓間で意思疎通していくこと。(2)日立造船の事案について遺憾の意を表明し、竹島問題で日本の立場を表明した。(3)対北朝鮮で連携していくこと。

であった。

この外相会談の問題点は「日立造船の事案」がその他の問題と並列的に扱われていることだ。(1)と(3)については岸田首相と尹大統領の間で再三言及されていることで新味はない。「日立造船の事案」が主要議題として取り上げられ、かつ唯一の議題にされるべきだった。更に、会談の雰囲気として笑顔と握手に終始するだけの友好的雰囲気はありえないだろう。「日立造船の事案」は韓国側の日韓請求権協定違反あるいは破棄を意味するもので、それは日韓基本条約の存続が問われる問題なのではないか。今後の展開によっては日韓断交も視野に入ってくるかもしれない。それほどの重大事件が起こっているといるという認識が上川陽子外相には全くなかったのだ。そのことを後日指摘されたものだから、外務省のホームページでは、韓国以外の国の外相と会談したことは強調されているのにも関わらず、日韓外相会談がさもなかったかのように隠されているわけだ。

上川陽子外相は外相としても国会議員としても失格だろう。岸田文雄をトランスジェンダーすれば上川陽子になると考えれば納得がいくが、河野太郎が外相時代に韓国の外相を怒鳴りつけたが、「遺憾の意」の表明だけなら会談なんてしなくてよかった。会談をキャンセルして「怒り」を伝えるべきだったのだ。