ピアノゲート事件が教えるもの(2) | 方丈随想録

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さて、ここで疑問が生じる。それは「なぜ中国人グループは撮影の中止を求めたのか」という疑問だ。撮影の中止を求めたことにより、かえって拡散し、注目を集めてしまった。

中国人グループが目立たないようにするには、そもそもピアノのライブ演奏の場所に近づかなければよいのだが、撮影中止を要求してかえってアップで映ってしまった人もいる。背を向けてもよかったし、離れた場所に移動してもよかったはずだ。更におかしな点は、グループのほぼ全員が赤いマフラーを首に巻き、手に五星紅旗の小旗を持っていた。中国共産党員のグループがここにいます、と宣伝するようなものだ。

Dr.Kと最初に接触した中国人は若い女性であるが、その後Dr.Kの周囲を取り囲むような状況になった。女性が2名、男性は3名だろうか。うち一人は録画カメラを所持しており、そのカメラはDr.Kの方を向いている。一人のイギリス人を多数の中国人で取り囲むかたちであり、これは一種の「リンチ」になりつつある。しかも、中国人側は「撮影を止めろ」と主張しつつ、自分たちは撮影を止めてはいないようなのだ。中国人は外国人には要求できるが、同じことを自分たちは権利としてできると主張するわけだ。「肖像権」を尊重せよというのなら、中国が監視カメラを至る所に設置して市民の監視をしていることは問題にならないのか。「人種差別」と言うのなら、チベット人やウイグル人に対する迫害は「人種差別」にはならないのか。中国人の身勝手な権利主張をそのまま認めてはいけないだろう。この事件では、中国側はMr.Kは「人種差別者」であり、さらに「金持ち」だから人民の立場には立っていないというプロパガンダを試みている。

さて、最初の疑問に返って考えてみよう。Mr.Kに不当な要求をしたり怒鳴ったり、あるいは威圧したと近づいてきた中国人は恐らく下っ端だろう。後方に立っている3名程度の人物を撮影されたくなかったのだ。その内の一人はChristine Leeという在英弁護士であり中国人NGOのリーダーでもあり、中国大使館の法律顧問である。そして、彼女の近くに秀才然とした中国人男性とイギリス人の風貌をした男が立っている。この男たちが将来の対英スパイ活動の核と位置つけられた人たちである可能性が高いように思う。ピアノゲート事件は、中国が新たなスパイ人材を得て活動しようとして集合したまさにその時に、ピアノのライブ中継のカメラに捉えられたのだ。そして鳴かなければ打たれなかった雉のように、鳴いたがために全世界の注目を浴びたわけだ。

中国の経済は崩壊の過程に入ろうとしており、台湾情勢は民進党候補が総統選挙に勝利した。「一帯一路」も「中国製造25」も総崩れになりかけてはいるが、中国共産党はスパイ戦争は攻勢に出ようということだろう。少なくともヨーロッパ戦線で出鼻が挫かれた、ということではないかと考えています。