こんにちは。
今日は、「想い」の存在が運命をひらく!
その56回目ですね。
閔子騫のお話を書いていて、
ちょっと思い出したことがあるんです。
閔子騫って、自分の国の王様から誘われたのに、
政治家としては、登用されたくなかった、
つまり、政治家にはなりたくなかったというお話をしましたよね。
でも、それって、今の日本の常識からしたら、
ありえない内容だと思うんです。
そこで、その当時の知識人の「想い」を
ちょっとここでご紹介したいと思います。
今日は、「荘子」のお話です。
『荘子が濮水のほとりで釣りをしていた。
そこへ楚の威王が二人の家老を先行させ、
命を伝えさせた(招聘させた)。
「どうか国内のことすべてを、
あなたにおまかせしたい
(宰相になっていただきたい)」と。
荘子は釣竿を手にしたまま、ふりむきもせずにたずねた。
「話に聞けば、楚の国には神霊のやどった亀がいて、
死んでからもう三千年にもなるという。
王はそれを袱紗(ふくさ)に包み箱に収めて、
霊廟(みたまや)の御殿の上に
大切に保管されているとか。
しかし、この亀の身になって考えれば、
かれは殺されて甲羅を留めて大切にされることを
望むであろうか、
それとも
生きながらえて泥の中で尾をひきずって
自由に遊びまわることを望むであろうか」と。
二人の家老が
「それは、やはり生きながらえて泥の中で
尾をひきずって自由に遊びまわることを
望むでしょう」
と答えると、
荘子はいった。
「帰られるがよい。
わたしも
尾を泥の中にひきずりながら生きていたいのだ」』
つまり、こういうことなのです。
荘子が水辺で釣りをしていました。
そこに楚の国の王様である、威王の使者がやってきました。
王の使者の家老:「あなたが荘子さんですか。」
荘子:(釣りをしているから無言)
王の使者の家老:「あなたを王様が、この国の参謀として
登用したいとおっしゃっています。
ぜひ、王のもとへいらっしゃってください。」
荘子:「…。」
王の使者の家老:「返事をお聞かせ願えますか。」
荘子:「…。王の祭祀の場所には、3000年生きる
亀がいるという噂があるよね。」
王の使者の家老:「はい、そのような占いのための亀の甲羅が
確かに、王の祭祀場にあると聞いています。」
荘子:「その亀は、生きて水の中を、泥まみれになりながら
這いまわっているのがいいのか、
それとも、死んでから、何1000年も、拘束されて、
人々から、とても敬われているのがいいのか、
…どっちだと思う?」
王の使者:「…それは、生きて泥の中を自由に動きまわるほうが
いいと思います。」
荘子:「その通りなのだ。
私も、これから、泥の中をはい回りたいと
思っている。王にそのように伝えてくれ。」
つまり、こういうことです。
伝統的に、こちらのように、
「自由のない役人」になって名誉だけ
もらう人生を送るくらいなら、
少しくらい、お金がなくったって、
自由に自分の人生を生きたいという
そういう「想い」があるのですね。
読んでいただき、ありがとうございます。
