●概要
造園施工管理技術検定制度は、建設業法第27条第1項に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。検定に合格した者は技術検定合格者となり、所定の手続きによって国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され「造園施工管理技士」の称号が与えられます。2021年から試験制度が改正されています。新制度では、学科試験に相当するのが第一次検定、実地試験は第二次検定という位置付けです。
試験級:1級/2級
受験する分野:第一次検定/第二次検定
受験料:【第一次検定】7,200円【第二次検定】7,200円
受験資格:【第一次検定】17歳以上の者【第二次検定】「学歴」+「実務経験年数」
合格率:【第一次検定】51.5%【第二次検定】52.4% ※令和5年
試験日程:前期/後期 年2回
※第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士となります。
●施工管理技士試験制度の改正
改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、令和3年度の試験から施工管理技術検定は新しい技術検定制度に生まれ変わりました。
①.「学科試験」「実地試験」から「第一次検定」「第二次検定」へ名称が変更
②. 一次検定合格は無期限有効
一次検定に合格した場合、何度でも二次検定から受験することが可能
③.監理技術者の専任緩和を目的とした「技士補」が誕生
改正前は「学科試験」と「実地試験」の両方に合格して初めて「監理技術者(1級施工管理技士)・主任技術者(1級・2級施工管理技士)」となることができましたが、建設業法の改正で「技士補」が新設されたことにより、「主任技術者の資格を有するもの(2級施工管理技士など)+1級技士補(1級一次検定合格者)」などを要件として、監理技術者の「補佐」ができるようになりました。
④.令和6年度から1級1次検定は、試験が実施される年度に満19歳をむかえる人であれば誰でも受験が可能
●試験内容
1)第二次検定
科目:施工管理法
試験方法:記述式
試験時間:14:00~16:00(2時間)
出題数/2問
合格基準:60%以上の得点
・試験機関からの経験記述出題の見直しの通達(画像㊦)
[見直し]
令和6年度以降の造園施工管理技術検定試験問題に関し、1級第二次検定試験及び2級第二次検定試験は、以下のとおり出題する。
受検者の経験に基づく解答を求める設問に関し、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、令和5年度まで出題していた【現場で経験した主な造園工事のうち、施工管理において「工程管理」又は「品質管理」上の課題があった工事を1つ選び、その工事について各設問に答える問題】はとりやめる。
また、問題は全て必須問題とし、選択問題とはしない。
結果、今年度から経験記述問題が無くなりました!
●対策
従来の経験記述の出題は、次の通りです。
あなたが担当した造園の現場において、工程管理又は品質管理に関し、記述しなさい。
問題1
(1)工事名
(2)工事内容
(3)施工管理上のあなたの立場
(4) 管理項目の課題の内容
(5) 現場で実施した処置又は対策
この問題1が丸まる無くなったため、出題されたのは問題2『造園施工に関する問題』・問題3『施工管理に関する問題』のみです。特に第二次検定では過去の試験問題と似かよった問題の出題率が高い傾向にありますので、過去の頻出問題を繰り返し解けるようになるまで勉強すれば、合格点はとれると思います。私は1ヶ月50時間ほど勉強して受験に臨みました。
「2級造園施工管理技士 第2次検定対策」(2.970円)この本は過去10年分の問題を記載し、解答例を詳細に記述しています。第二次検定対策は記述式のため応用力が必要とされますが、過去にどのような問題が出題されたかを把握することで、解答力を養うことができます。
●試験
なんとか合格ラインには達したかなという感じ。二次検定の出題形式は全問記述式、書いて覚える事が重要な試験対策になります。その中でも最難関であった経験記述問題が無くなったため、過去問題集にある『造園施工に関する問題』、『施工管理に関する問題』のみ繰り返し勉強すれば、確実に合格圏内を目指すことが可能です。
試験会場は京王井の頭線「駒場東大前駅」より徒歩1分 東京大学(駒場キャンパス)でした。
●感想
建設業界において欠かせない資格である「施工管理技士」。改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、「学科試験」と「実地試験」により行われていた施工管理技術検定について、令和3年度の試験から両試験を独立した 「第一次検定」及び 「第二次検定」として実施し、 第一次検定合格者の称号を「技士補」、 第二次検定合格者の称号を「技士」とすることが定められました。これにより、一次検定だけの合格でも技士補の称号を得ることができます。また、一次検定を合格した者には、一次検定が無期限で免除され、毎年二次検定からの受験が可能となります。個人を顧客として植木職人や庭師の仕事をする場合、造園施工管理技術検定に合格しておく必要はありません。しかし、公園や学校の校庭、道路の緑化事業、さらには遊園地の造成や改修など工事が大規模になれば、施工計画の立案や工程管理が必要になり、資格を取ることは大きなキャリアアップに繋がります。新制度で更に受験がしやすくなった造園施工管理技術検定、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。