概要

電気工事士の国家試験は、一般財団法人の電気技術者試験センターが実施し、年2回おこなわれます。第二種が扱える範囲は「一般住宅」「小規模な店舗・事業所等」「家庭用太陽発電設備」など600V以下で受電する設備、第一種は第二種の範囲に加え、最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどとなります。 なお、試験には筆記試験と技能試験があり、両方に合格することで、電気工事士資格を取得できます。 

 

受験費用:インターネット申込み: 10,900円 郵便申込み: 11,300円
受験資格:誰でも受験できます

合格率:第一種【学科試験】58.2% 【技能試験】62.7%(令和4年)

試験日:年2回(上期学科試験:CBT方式4月~5月/技能試験:7月、下期学科試験:CBT方式9月・筆記10月/技能試験:12月)

 

第1種電気工事士の試験は受験資格はなく、誰でも受験可能です。技能試験に合格し、3年以上の実務経験を積むと免状が交付されます。第2種電気工事士の免状がなくても受験できます。

試験内容

第一種電気工事士資格を取得するためには、筆記試験に加えて、技能試験に合格しなければいけません。試験方式は、会場の机上で行う実技試験です。試験会場で出題問題に合わせた材料が配布され、持参した工具で作業を行います。実技試験の内容は、事前に公表される候補問題10題の中から1題が選ばれ、60分で試験が実施されます。

 

□技能試験

試験問題:候補問題全10問のうち1問が出題
試験時間:60分

合格基準:出題された配線図を欠陥なく施工できていること

 

第一種電気工事士は、第二種の範囲に加えて高圧も追加されるため、扱う材料が増えて配線図自体も複雑となるのが特徴です。取り扱う電線が増えたり太くなったりするため、被覆を剥くといった基本的な作業にも時間がかかります。

対策

一種電気工事士の技能試験は、候補問題が事前に公表されるので、試験に向けて練習することができます。合格するには、与えられた配線図や施工条件などに従って作業を行い、欠陥なく完成させなければなりません。そのため、作業に取り掛かる前に、配線図や施工条件などをしっかり確認することが大切です。電気工事士の実技試験対策のひとつとして、いくつかの団体で実技講習会や、テキストや動画で手順を覚える方法があります。私は資格の学校TACの第一種 技能試験対策(講習会)|DVD通信講座(材料付き)【¥43,000】にお世話になりました。配線図の書き方や作業の仕方を学ぶのに、実際に動きが見える動画教材がとても役立ちました。私の勉強時間は、①候補問題の複線図作成を20周する。②候補問題の課題作成を3周する。合計2ヶ月100時間です。

 

 

『電気工事士1種技能試験セット 【2回練習分】(電線、器具)【 全10問対応】 第一種電気工事士 (2023年版)【電工石火シリーズ】』(28,629円)  候補問題を実際に1周して施工の流れを簡単におさえてから、追加で2周分の材料を購入しました。こちらは、TACと違い公表問題ごとに材料が分けられておりませんが、仕分けするのも勉強の1つになりました。スイッチ類、ランプレセプタクル、コンセント類等は問題ごとに使い回し(練習後に電線を取り外し)て使用します。

試験

試験会場では受験票の確認が終わると試験問題と材料が支給され、試験開始の10分ほど前に材料の確認が実施されます。本番になるとどうしても綺麗さが気になってしまい、普段よりも時間を多く使いがちです。結果として、時間内に施工できるか不安になり、緊張や焦りから力の入りすぎで欠陥につながるといったケースが考えられます。そのため、試験問題が配布される11時の時点から表紙の材料表(画像㊥)、そして表紙から透けて見える配線図(画像㊨)などから候補問題の何番に該当しているか確認しておいて、試験開始前に頭の中で配線図を思い描いておいてたり、練習の時にミスした部分を思い返して置くと、試験開始時にスムーズに問題に取り掛かれると思います。

 

①受験上の注意について説明 【10時50分】

②入室禁止時刻 【10時55分】

③試験問題の配布 【11時00分】

④材料確認時間 【11時18分~11時28分】

⑤試験開始 【11時30分】

⑥試験終了 【12時30分】

 

第一種電気工事士技能試験は、第二種と比較して試験時間が60分と伸びている反面、取り扱う電線の種類や配線図が難しくなるため、計画的な対策は必須です。今回、私が受験した東京では候補問題No.10をもとに、機器・器具の配置は変更されていました。そのため、候補問題の複線図が頭に入っているからと施工をいきなり始めるのではなく、施工条件を読んで複線図を作成するところから始めてください。複線図を5分程度で作成し、練習通り施工すれば必ず時間内に終わるので、落ち着いてミスなく施工しましょう。

 

場所はJR「武蔵境駅」より徒歩15分、亜細亜大学 武蔵野キャンパスでした。受験者数は1118名。

感想

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。電気工事士とは、屋内外のさまざまな電気工事に必要な技術職の資格です。高圧の電気を取り扱う際には重大な危険がともなうため、国家資格かつ有資格者のみが実務作業を許される業務独占資格となっています。最近はオール電化住宅や太陽光発電システムの普及により、住宅向け電気工事の幅も広がっていますし、家電量販店でも小規模な電気工事をおこなう店が増え、電気工事士の活躍の場は増えています。電気工事士を持っている事で筆記試験を一部免除される資格試験も多くあり、取得しておくと大変便利です。電気工事系の資格のなかでも取得しやすいこの資格を目指してみてはいかがでしょうか。