概要

管工事施工管理技術検定制度は、建設業法第27条第1項に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。検定に合格した者は技術検定合格者となり、所定の手続きによって国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され「管工事施工管理技士」の称号が与えられます。2021年から試験制度が改正されています。新制度では、学科試験に相当するのが第一次検定、実地試験は第二次検定という位置付けです。

試験級:1級/2級

受験する分野:第一次検定/第二次検定

受験料:【両方受験】10,500円【第一次検定のみ】5,250円【第二次検定のみ】5,250円

受験資格:【第一次検定】17歳以上の者【第二次検定】「学歴」+「実務経験年数」

合格率:【第一次検定】56.6%【第二次検定】59.7% ※令和4年度

試験日程:前期/後期 年2回

 

※第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士となります。画像㊦(第一次検定合格証明書)

試験内容

1)第ニ次検定

試験時間:2時間(14:00~16:00)

試験の形式:記述式

問題数:出題6問・解答4問

合格基準:合格基準点は60点満点で、減点方式で採点されます。

 

■必答問題
問題1:施工要領図

問題6:施工経験記述

 

■選択問題
問題2、3:『空調設備の施工時の留意点』or『給排水設備の施工時の留意点』

問題4、5:『バーチャート作成』or『法令』

 

施工管理技士試験制度の改正

改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、令和3年度の試験から施工管理技術検定は新しい技術検定制度に生まれ変わりました。

①「学科試験」「実地試験」から「第一次検定」「第二次検定」へ名称が変更

②一次検定合格は無期限有効

一次検定に合格した場合、何度でも二次検定から受験することが可能

③監理技術者の専任緩和を目的とした「技士補」が誕生

改正前は「学科試験」と「実地試験」の両方に合格して初めて「監理技術者(1級施工管理技士)・主任技術者(1級・2級施工管理技士)」となることができましたが、建設業法の改正で「技士補」が新設されたことにより、「主任技術者の資格を有するもの(2級施工管理技士など)+1級技士補(1級一次検定合格者)」などを要件として、監理技術者の「補佐」ができるようになりました。

 

対策

第二次検定は記述式ですが、文章記述や穴埋め問題など出題パターンは決まっているので、合格率の平均は60%前後と、第一次検定よりもやや高くなっています。第二次検定の勉強方法も筆記試験と同様で、過去問を解くのが合格への最短ルートです。第二次検定ではテーマに沿って自身の経験を述べる記述式がありますが、これについても過去問に解答例が載っていますので、解答例を見てどのような文章を書くのが正解かを考え、練習してみましょう。私は2ヶ月100時間ほど勉強して受験に臨みました。

 

「令和5年度 分野別問題解説集 2級管工事施工管理技術検定試験 第二次検定」(3,520円)この本は施工経験記述の書き方など具体的に解説されています。第二次検定対策は記述式のため応用力が必要とされますが、様々な資料を揃えなくても、この実践テキスト&過去問題集1冊だけで勉強できます。

試験

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。二次検定の出題形式は全問記述式、書いて覚える事が重要な試験対策になります。最初の5問は、施工要領図などの読み取り、空調、給水、バーチャート工程表、法令などが出ます。この5問は毎年の出題内容に大きな変化はないために、過去問を解いて対処しましょう。おすすめは『給水』と『法令』を選択すると比較的簡単です。6問目は必須問題の経験記述となっており、施行経験を踏まえ与えられたテーマで文章を書きます。テーマは、安全管理・品質管理・工程管理のどれかです。事前に準備しておかないと、文章を書けないので、過去のテーマで練習しておくと良いです。また、経験記述は時間を取られるので、あらかじめ試験前に記述文をまとめておき、一番最初に解答してしまいましょう。

 

試験会場はJR「北千住駅」より徒歩1分 東京電機大学でした。

感想

建設業界において欠かせない資格である「施工管理技士」。改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、「学科試験」と「実地試験」により行われていた施工管理技術検定について、令和3年度の試験から両試験を独立した 「第一次検定」及び 「第二次検定」として実施し、 第一次検定合格者の称号を「技士補」、 第二次検定合格者の称号を「技士」とすることが定められました。これにより、一次検定だけの合格でも技士補の称号を得ることができます。また、一次検定を合格した者には、一次検定が無期限で免除され、毎年二次検定からの受験が可能となります。管工事施工管理技士とは、冷暖房設備工事、空調設備工事、給排水・給湯設備工事、ダクト工事、浄化槽工事、ガス配管工事、衛生設備工事などの管工事において施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理に至るまでの総合的な管理を行うための資格です。新制度で更に受験がしやすくなった管工事施工管理技術検定、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。