概要

土木施工管理技術検定制度は、建設業法第27条第1項に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。検定に合格した者は技術検定合格者となり、所定の手続きによって国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され「土木施工管理技士」の称号が与えられます。2021年から試験制度が改正されています。新制度では、学科試験に相当するのが第一次検定、実地試験は第二次検定という位置付けです。

試験級:1級/2級

受験する分野:第一次検定/第二次検定

受験料:【両方受験】10,500円【第一次検定のみ】5,250円【第二次検定のみ】5,250円

受験資格:【第一次検定】17歳以上の者【第二次検定】「学歴」+「実務経験年数」

合格率:【第一次検定】64.0%【第二次検定】37.9% ※令和4年度

試験日程:前期/後期 年2回

 

※第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士となります。画像㊦(第一次検定合格証明書)

試験内容

1)第ニ次検定

試験時間:2時間

試験の形式:記述式

問題数:7問

合格基準:得点60%以上
 

■必答問題
施工経験記述・土工・コンクリート・安全管理・品質管理:5問
■選択問題
施工管理法:4問中2問を選択
※「土工」「コンクリート」「安全管理」は必須問題、「施工管理法」は選択問題となっており、選択問題については全4問のうち2問に回答します。

 

施工管理技士試験制度の改正

改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、令和3年度の試験から施工管理技術検定は新しい技術検定制度に生まれ変わりました。

①「学科試験」「実地試験」から「第一次検定」「第二次検定」へ名称が変更

②一次検定合格は無期限有効

一次検定に合格した場合、何度でも二次検定から受験することが可能

③監理技術者の専任緩和を目的とした「技士補」が誕生

改正前は「学科試験」と「実地試験」の両方に合格して初めて「監理技術者(1級施工管理技士)・主任技術者(1級・2級施工管理技士)」となることができましたが、建設業法の改正で「技士補」が新設されたことにより、「主任技術者の資格を有するもの(2級施工管理技士など)+1級技士補(1級一次検定合格者)」などを要件として、監理技術者の「補佐」ができるようになりました。

 

対策

第二次検定は記述式が多いこともあり、合格率の平均は40%前後と、第一次検定よりもやや低くなっています。文章記述や穴埋め問題など出題パターンは決まっているので、第二次検定の勉強方法も筆記試験と同様で、過去問を解くのが合格への最短ルートです。第二次検定ではテーマに沿って自身の経験を述べる記述式がありますが、これについても過去問に解答例が載っていますので、解答例を見てどのような文章を書くのが正解かを考え、練習してみましょう。私は2ヶ月100時間ほど勉強して受験に臨みました。

 

「2級土木施工管理技士 第二次検定 実践テキスト&過去問題集 2023年度版」(2,750円)この本は施工経験記述の書き方など具体的に解説されています。第二次検定対策は記述式のため応用力が必要とされますが、様々な資料を揃えなくても、この実践テキスト&過去問題集1冊だけで勉強できます。

試験

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。経験記述の際、忘れがちなのが固有名詞や数値です。経験記述の際に使う経験は事前に選んでおけるので、数値が必要な経験を選んだ場合は、数値の記入漏れが起こらないように、確認しておきましょう。もし、試験会場で緊張から数値を忘れてしまった場合、慌てずに他の場所から記述していくと良いと思います。しっかりと勉強しているならば、記載している最中に思い出せる可能性があります。

 

試験会場は京王線「明大前駅」より徒歩5分 明治大学 和泉キャンパスでした。

感想

建設業界において欠かせない資格である「施工管理技士」。改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、「学科試験」と「実地試験」により行われていた施工管理技術検定について、令和3年度の試験から両試験を独立した 「第一次検定」及び 「第二次検定」として実施し、 第一次検定合格者の称号を「技士補」、 第二次検定合格者の称号を「技士」とすることが定められました。これにより、一次検定だけの合格でも技士補の称号を得ることができます。また、一次検定を合格した者には、一次検定が無期限で免除され、毎年二次検定からの受験が可能となります。土木施工管理技士は土木工事に欠かせない資格で、若い世代の資格取得者が少なく、人手不足や後継者の育成などの課題が残されており、土木施工管理技士の需要はますます高まっています。新制度で更に受験がしやすくなった土木施工管理技術検定、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。