概要

甲種危険物取扱者とは一般財団法人 消防試験研究センターが行う国家試験です。危険物取扱者は危険物を取り扱ううえで必要な資格ですが、扱える危険物の種類に応じて「甲種」「乙種」「丙種」の3種類に分かれます。「甲種」は消防法に定められている第1類~第6類までの全ての危険物の取り扱いや定期点検、保安の監督ができる資格です。また、甲種の危険物取扱者が立ち会えば、無資格者でも危険物を取り扱うことが可能です。実務を6カ月以上経験すると危険物保安監督者になれ、甲種防火管理者としても認められます。

試験手数料:【甲種】6,600円【乙種】4,600円(1区分)【丙種】3,700円

受験資格:一定の受験資格を満たす必要があります。

合格率:【甲種】39.9% (令和3年)

試験日程:地域により異なる

 

【丙種】と【乙種】の危険物取扱者には定められた受験資格がないため、誰でも受験できます。一方、【甲種】には受験資格が定められており、私は4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けていることで、受験資格を満たしました。

試験内容

危険物取扱者は危険物を取り扱ううえで必要な資格ですが、なかでも「甲種」はあらゆる種類の危険物を取り扱うことができ、ニーズの高い資格です。取り扱える危険物の範囲が広いぶん、試験の難易度も高く、最難関の危険物取扱者資格となっています。

□甲種(五肢択一:45問/2時間30分)
① 危険物に関する法令(15問)
② 物理学及び化学(10問)
③ 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(20問)

※試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上の得点率で合格となります。

 

科目免除

乙種・丙種試験では一定の条件を満たせば、試験科目の一部が免除されます。一方、甲種の試験では、受験科目の免除が一切認められません。

 

対策

甲種試験は受験資格を満たす必要があり、大学等で化学の知識を身につけた人や乙種の免状を交付されている人が受験しているにもかかわらず、合格率は例年30~40%程度となっており、非常に難易度が高いと言えます。ただし、危険物取扱者は国家試験の中でも人気の資格という事もあり、テキストの種類も豊富です。 私からのおすすめは乙種の頃からお世話になっている『甲種 危険物取扱者試験』(㊦画像)です。本試験は、多くが過去に出題された問題から繰り返し出題されています。そのため、過去問題を効率よく解き、その内容を覚えることが試験合格への近道です。甲種危険物取扱者は「危険物に関する法令」「物理学及び化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」それぞれの科目について、60%以上正解すると合格です。合計ではなく、科目ごとに60%以上の正解が必要である点に注意しましょう。私の勉強期間は2ヶ月120時間です。

 

「甲種 危険物取扱者試験」2,970円(税込)令和4年から過去8年間に出題された732問を収録しています。本試験では全く同じ問題が何問も出題されました。この1冊を3周すれば合格は可能だと思います。

試験

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。ネットでの噂どおり、試験は過去問題と似た傾向の問題が多く出題されました。過去問題は、消防試験研究センターのホームページで入手できますが、公開されているのはごく一部なので、別に準備する必要があります。参考書ではなく、解答と解説がついた過去問題集がおすすめです。また、試験範囲が広く、暗記が必要な箇所が多いため、ゴロ合わせの記憶法や暗記カードなどを使って勉強しましょう。

 

試験会場は京王線笹塚駅より徒歩8分 中央試験センター。受験者数は263人でした。免状交付手数料:2,900円

感想

甲種危険物取扱者とは、消防法で指定された、全ての危険物を取り扱うことができる資格です。国家資格ですので、受験をして合格した後、免状を取得することで危険物取扱者になれます。さらに、甲種危険物取扱者免状の交付を受けている人は、防災管理講習や防災管理講習を受けていなくても、甲種防災管理者や防災管理者の資格を保持していると見なされ、更に活躍する機会も増えます。甲種の資格が活かせる職場は、ガソリンスタンド、ビルメンテナンス、危険物の運送会社、化学工業、製薬会社、医薬品メーカー、化学製品メーカーなどが挙げられます。危険物取扱者甲種は、危険物取扱者のうち最も高いレベルの資格です。そのぶん、社会で高い評価を得られるため、取得するメリットの大きい資格です。あなたも危険物に関するプロフェッショナルとして、甲種危険物取扱者を目指してみてはいかがでしょうか。