概要

アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等の業務に従事する労働者に対し、事業者は安全衛生のための特別教育を行うことが、法令で義務づけられています。本コースは、この特別教育を担当するインストラクターの養成を目的とするものです。アーク溶接作業に関する専門的な知識に加えて、インストラクターに求められる教育方法の習得のためのカリキュラムとなっています。今回は東京安全衛生教育センターにお世話になりました。

研修期間:3日間 前日に入所可能(17時~19時)

1日目 8:00~8:40受付 9:10~18:00講習(12:10~13:00/昼食休憩)

2日目 9:00~19:45講習(12:20~13:05/昼食休憩)

3日目 8:30~16:00講習(12:00~13:00/昼食休憩)16:00~16:15閉講式

受講料:92,400円 (テキスト代、消費税含む。) 宿泊は無料

修了証:修了者には修了証を交付し、アーク溶接等特別教育インストラクターと呼称します。

 

東京安全衛生教育センターは清瀬駅から歩くと15分、バスだと5分くらい。宿泊荷物もあるのでバスがおすすめです。宿泊部屋にはTVと冷蔵庫が備わってます。

宿舎内の紹介

部屋からの景色・洗面所・洗濯機・乾燥機・大浴場・廊下・食堂

カリキュラム

1.アーク溶接等に関する知識
2.アーク溶接装置に関する知識
3.アーク溶接等の作業方法に関する知識
4.関係法令
5.災害防止対策
6.教育方法(教育技法、指導案作成、役割演技)
7.総合演習(実習)

 

金属をつなぎ合わせる技術の1つに溶接があります。溶接にもいろいろな種類がありますが、最も使用されているのがアーク溶接です。金属には溶ける温度「融点」があり、融点以上の温度の熱を与えると溶けます。金属をつなぎ合わせるには両者に熱を加えて溶かし、溶け混ざり合った後、冷やして固めます。アーク溶接は融点以上の熱を接合部分に与えるときに、アークと呼ばれる放電現象を利用する溶接方法です。アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等の作業では、溶接機の点検不良や溶接、溶断操作の誤り等により感電災害、爆発・火災災害、ヒューム吸引によるじん肺等の重大な災害も発生しています。これらの災害を防止するためには、十分な安全衛生教育の実施が必要であると共にこの作業を行う場合は、特別教育修了者を就かせなければなりません。この講座は、特別教育の講師になる方を対象に作業方法や効果的な教育方法について習得する教育です。

 

2日目はさいたま市へバスで移動し実習を行います。朝8時に作業着を着てロビーへ集合。9:00~16:00まで事業場で総合演習を行い、その後、バスで当センターへ帰校しました。実習(画像㊦)では5種類の溶接機を使って、専門家が分かり易く、かつ効果的な教育となるよう直接丁寧に教育にあたります。実習では、センターにて手配したお弁当(700円[税込])を召し上がっていただきます。

感想

アークは気体の放電現象の一種で、温度は5,000~20,000℃に達します。大電流を扱うと共に高温のアーク熱を手元で扱う作業ですので、様々な事故や災害が起こりやすく、作業者はただ単に自己の災害ばかりでなく、周辺にも災害を及ぼさないように作業しなければなりません。溶接作業で起こりやすい災害には、次のようなものがあります。①電撃(感電)による災害②アークから発生する紫外線を中心とした強い光による眼炎、皮膚のやけど③高温のアーク、スラグ、スパッタ、溶接直後のワークによるやけど、火災および可燃物への引火爆発など。これらの災害を防止するため、事業者は、アーク溶接の業務に就かせる労働者に対し、特別教育の実施が義務付けられています。工場や建設現場、造船、車の製造などの作業で幅広く活躍しているアーク溶接。貴社の労働災害の予防対策として、あなたもお近くの安全衛生教育センターでの受講を検討してみてはいかがでしょうか。