●概要
労働安全衛生法では、「事業者はフォークリフトについては、1年以内ごとに1回、定期に、所定事項について自主検査を行い、その結果を記録しなければならない」ことになっています。また、この自主検査は「特定自主検査」として「その使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有する者又は検査業者に実施させなければならない」ことになっています。本コースは、このうち事業内検査者の資格を取得するための厚生労働大臣が定める研修として実施するものです。事業内検査者として必要な専門知識及び技術について研修します。今回は大阪安全衛生教育センターにお世話になりました。
研修期間:3日間 前日に入所可能(17時~19時)
1日目 8:00~9:00受付 9:20~18:05講習(12:00~12:50/昼食休憩)
2日目 9:00~18:00講習(12:20~13:10/昼食休憩)
3日目 9:00~15:50講習(12:10~13:00/昼食休憩) 15:50~17:00修了試験
受講料:75,900円 (テキスト代、消費税含む。) 宿泊は無料
修了証:修了試験に合格し、かつ検査実習の審査合格者には修了証を交付します。
大阪安全衛生教育センターは新大阪駅から電車とバスで1時間30分くらい。教育センターの周りは街灯も少ない細い山道になっているので、明るいうちに行くことをおすすめします。
●宿舎内の紹介
部屋(前/後)・食堂・ロビー・洗濯室・大浴場・運動器具・中庭
●カリキュラム
1.フォークリフトの検査に必要な一般的事項に関する知識
2.フォークリフトの検査の方法に関する知識
3.関係法令
4.実技研修
5.検査実習要領
6.修了試験
フォークリフトを安全に運用するためには、3つの定期的な点検が重要となります。作業開始前に行う「始業点検(作業開始前点検)」、月1回の「定期自主検査月次点検(月次点検)」、年1回の「特定自主検査(年次点検)」の3つです。本コースは、このうち年1回の「特定自主検査(年次点検)」の事業内検査者の資格を取得するための厚生労働大臣が定める研修として実施するものです。この年次点検の記録は3年間保管しなくてはならず、点検を怠ると50万円以下の罰金となるので注意が必要です。これら点検をしっかりと行うことで、フォークリフトの故障予防につながります。さらに、故障による作業中の思わぬ事故も未然に防げるので、安心して作業ができるでしょう。事業内検査者研修を受講するには、整備士資格がなくても運転経験が10年以上あれば可能です。詳しくは公式HPの受講資格をご覧ください。
●修了試験
●筆記試験
筆記試験はすべて択一問題です。60分の試験時間で、出題数は20問。3日間で学んだテキストから全て出題されます。
①事前説明 15:50〜16:00(15分)
②実施時間 16:00〜17:00(60分)
合格基準:満点75%以上
※一週間以内に合否が通知されます。
●検査実習試験
自社に戻ったら、実際に事業所内のフォークリフトの特定自主検査を行っていただきます。提出期限は3ヶ月以内。エンジン式、リーチ式、バッテリー式カウンター検査実習をどの車種で行うか決め、3台又は5台(受講資格によって変わる)提出していただきます。検査実習記録表の審査に合格した方は、特定自主検査事業内検査者の資格の証として、当該機械に関する研修修了証が送付されます。なお、研修修了証は、検査業務を行うときは常に携帯して下さい
●感想
倉庫などで見かけないことはないフォークリフトは、油圧を利用して昇降・傾斜ができる荷役自動車です。フォーク(貨物を運ぶためのつめ)を車体前面に備えていることが大きな特徴であることから「フォークリフト」という名称がつけられました。フォークリフトのような荷役自動車は、比較的重い荷物を持ち上げた状態でも走行が可能なため、事故を起こす可能性が普通の自動車よりも高く、また、トラックなどほかの荷役自動車と違って車検を受ける義務もありません。その代り必要なのが定期的な「自主点検」です。特定自主点検は、専門の業者に依頼するか「事業内検査者」の有資格者が行わなくてはなりません。この資格は、中央労働災害防止協会が主催する研修を受講し、修了試験に合格すれば取得できます。年次点検は、点検項目や検査内容も多く、専門業者に依頼すると、日常業務が止まってしまいます。そのため、事業所に1人、事業内検査者の資格保有者がいると故障による作業中の思わぬ事故も未然に防げるので、安心して作業ができるでしょう。あなたもお近くの安全衛生教育センターでの受講を検討してみてはいかがでしょうか。