概要

消防設備士とは建物の消防設備に関する工事や点検・整備を行うことができる国家資格です。消防設備には、消火器・火災報知器・スプリンクラーなど色々あり、それらの点検・整備・工事を行うには、消防設備士の資格が必要です。資格には乙種と甲種の2パターンがあります。

甲種:1類~5類まであり、消防設備の点検・整備・工事の全てを行うことが出来る

乙種:1類~7類まであり、消防設備の点検・整備のみ行うことが出来る

受験料:【甲種】5,700円【乙種】3,800円

受験資格:【甲種】一定の受験資格が必要です【乙種】どなたでも受検できます

合格率:【甲種4類】37.2% ※2021年度

試験日程:地域により異なる

試験内容

甲種4類は、自動火災報知設備、ガス漏れ火災報知設備、火災通報装置など主に電気に関係する消防設備の整備・点検・工事ができます。自動火災報知設備は、火災による煙や熱を感知器が早期に自動的に感知して、警報ベルなどで、建物内の人達に火災を知らせる設備です。消防設備士の中でも乙種6類と共に需要があり人気が高い資格です。

□筆記試験(四肢択一式/2時間15分/45問)
①「消防関係法令」…共通、類別(15問)
②「基礎的知識」…電気(10問)
③「構造・機能及び工事・点検」…電気、規格(20問)
□実技試験(鑑別・製図/1時間/7問)
①「鑑別」…5問
②「製図」…2問

科目免除

消防設備士には、「科目免除」制度があります。科目免除を活用すれば、かなり楽に甲4を取得することが可能です。免除内容の中でも特に影響が大きいのが、「電気工事士」免状の保有による電気に関する部分の免除でしょう。電気工事士と消防設備士の免状があると最大限に科目免除制度が使え、筆記試験45問中22問が免除、実技試験は1問免除されます。 そのため、本試験では、「消防関係法令」15問と「構造・機能及び工事・点検」8問の合計「23問+実技6問」となります。消防設備士試験で免除を受けるには、資格を証明する書類が必要になりますので、受験申請は電子申請(ネット)ではなく、書類による申し込みとなりますのでご注意下さい。

 

合格率30%台!受験者の半分以上は落ちる気が抜けない試験です。

対策

消防設備士は国家試験の中でも人気の資格という事もあり、テキストの種類も豊富です。 それゆえに「どのテキストがいいのか分からない」といった方も多いと思います。私からのおすすめは乙種第6類受験の際にお世話になった『通称:工藤本』です。この本は、著者の工藤政孝さんにちなんで「工藤本」と呼ばれ、試験に出題されやすい項目を要点を押さえて分かりやすく解説されており、 初心者でも見やすい内容です。消防設備士の試験は科目ごとに40%以上の点数をとる必要があります。消防設備士の勉強をする際は、どの科目においても足切りにならないように、バランスよく勉強しておく必要があります。実際の試験問題では、過去問題と類似した問題も登場するため、問題集を繰り返し解くことで点数を稼ぎやすくなります。私の勉強期間は1ヶ月です。

 

「本試験によく出る! 第4類消防設備士問題集」㊧(3,080円)「これだけはマスター! 第4類消防設備士試験 製図編」㊨(2,750円) 実際に類似問題が多数出ました。繰り返し解いていれば合格出来ると思います。消防設備士甲種4類で一番の難関は「製図試験」です。「工藤本/製図編」では要点をわかりやすくまとめており無駄なく学習ができます。

試験

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。筆記試験では参考書の隅にあるような細かい数字問題が多数でました。例えば『P型2級受信機で1回線のものは延べ面積【350㎡以下】の防火対象物にのみ設ける事ができる』とか、『電圧計の最大目盛りは定格電圧の140%以上200%以下』などなど。それだけに確実に取れる問題を覚えておく事が合格への鍵になりそうです。また、細かい数字は『実技試験』の方でも出題されることが多いので、しっかり押さえておきましょう。鑑別、製図とも、毎回、手を変え品を変えて多種多様な問題が出題されているようです。今回の製図試験では『煙感知器設置禁止場所および熱感知器設置可能場所』が出題されました。バッテリー室・オイルタンク室・ポンプ室などに設置可能な感知器の種別について問われましたのでしっかり対策していただければと思います。

 

試験会場は京王線笹塚駅より徒歩8分 中央試験センター。試験時間は科目免除のため、2時間30分でした。

感想

消防設備士には乙種と甲種という二種類があります。乙種は当該消防設備の整備・点検ができるのに対し、甲種は整備・点検のほか機器の設置や取換などの工事ができるようになります。消防設備士を取得したいと考えたら、求人の種類も多く人気の甲4か乙6の取得がおすすめです。甲4類の消防設備士資格は、自動火災報知設備、ガス漏れ火災報知設備、火災通報装置など主に電気に関係する消防設備の整備・点検・工事ができるようになり、ビル管理会社や消防設備会社では必須の資格です。資格の性質上、求められている求人も多く、この資格を持っていると職場において重宝されます。人気の類だからこそ受験人数も多く難易度も高くなっていますが、勉強さえちゃんとやっていれば受かる試験です。防災意識の高まりから徐々に需要が上がってきている消防設備士。興味がある方はぜひ取得してみてはいかがでしょうか。