概要

令和2年6月、改正労働施策総合推進法が施行されました。 この改正により、事業主には、パワーハラスメント防止のための措置を講じる義務が課され、①相談対応のための窓口を定めて労働者に周知すること、②相談窓口の担当者が、相談内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること等が義務付けられました。 この研修では、『ハラスメントの背景にある心理面から考える』をテーマに、講義に加えてグループワークを通してハラスメントをする側の心理について学びます。今回は中央労働災害防止協会にお世話になりました。

受講資格:事業場内でメンタルヘルスを推進している方

研修時間:9:00~9:20受付 9:20~17:00講習(11:50~12:50/昼食休憩)17:00~閉講式

受講料:26,400円 (テキスト代、消費税含む。)

備考:THP指導者を登録更新する時に必要な4単位を取得できます。

※中災防では、「心とからだの健康づくり指導者登録規程」 を定め、中災防に登録した心とからだの健康づくり指導者(THP指導者)の能力向上(スキルアップ)を推進しています。研修修了後の申請により、研修の種類ごとにTHPスタッフの名称をつけて登録し、登録証及び登録カードを発行しています。 

 

場所はJR田町駅より徒歩5分、安全衛生総合会館です。㊨はTHP指導者登録カード

カリキュラム

開講式、オリエンテーション<9時20分~9時30分>

【講義】『ハラスメント総論』<9時30分~10時30分>

【講義・グループ討議】『パワハラの問題に関わる実際事例Ⅰ・Ⅱ』<10時40分~11時50分>

【昼食・休憩】

【講義・グループ討議】『パワハラ対策後の被害者への対応の必要性』<12時50分~14時00分>

【講義・グループ討議】『パワハラのない職場をつくるために』<14時10分~15時20分>

【意見交換・質疑応答】<15時30分~17時00分>

閉講式<17時00分~>

 

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。パワハラ被害が自然になくなるケースはほとんどありません。上司の性格が変わるか、上司が異動になればパワハラがなくなる可能性がありますが、時間が経つほどに事態が悪化して、心身に大きな不調をきたす恐れがあります。そのため、パワハラ被害にあったら、できるだけ早く会社や外部機関に相談することが大切です。 本研修では、なぜ上司はパワハラをするのか?パワハラ上司の特徴や実際にあったケース、パワハラをする人の心理についてついて学びます。

感想

パワーハラスメントは、なぜなくならないのでしょうか。パワーハラスメントに関する法律や制度が整うことでその数は減ったとしても、完全に防ぐことは困難なようです。その理由は、人を動かしているのは法律や制度、あるいは仕組みといった環境面よりも、信念や価値観などの認知、感情にもとづいて行動することが多いからです。本研修では実際に起きた事例を通して、ハラスメントの背景にある心理面からメンタルヘルス対策に必要な知識を包括的に学ぶことができます。パワハラを受けている側が相手の心理や背後にある気持ちに気付いても、1人で対処することは難しい場合が多いものです。パワハラかな?と思ったら、ひとりで悩まず、まず相談を!あなたも職場の多様なニーズに応じた健康づくり活動を推進するために、さらなるスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。