●概要
建築施工管理技術検定制度は、建設業法第27条第1項に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験です。検定に合格した者は技術検定合格者となり、所定の手続きによって国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され「建築施工管理技士」の称号が与えられます。2021年から試験制度が改正されています。新制度では、学科試験に相当するのが第一次検定、実地試験は第二次検定という位置付けです。また受験料は、旧制度と比較して2,000円程度値上がりしています。
試験級:1級/2級
受験する分野:第一次検定/第二次検定
受験料:【両方受験】10,800円【第一次検定のみ】5,400円【第二次検定のみ】5,400円
受験資格:【第一次検定】17歳以上の者(在学中も受験可能)【第二次検定】「学歴」+「実務経験年数」
合格率:【第一次検定】37.9%【第二次検定】28.2% ※令和2年度
試験日程:前期/後期 年2回
※第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する施工管理技士となります。
●試験内容
1)第一次検定
試験方法:四肢択一のマークシート方式
試験時間:2時間30分
出題数/必要解答数:65問/40問
合格基準:選択問題、必須問題を合わせて解答する40問のうち、24問以上(60%)正解を合格基準とする
●施工管理技士試験制度の改正
改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、令和3年度の試験から施工管理技術検定は新しい技術検定制度に生まれ変わりました。
①「学科試験」「実地試験」から「第一次検定」「第二次検定」へ名称が変更
②一次検定合格は無期限有効
一次検定に合格した場合、何度でも二次検定から受験することが可能
③監理技術者の専任緩和を目的とした「技士補」が誕生
改正前は「学科試験」と「実地試験」の両方に合格して初めて「監理技術者(1級施工管理技士)・主任技術者(1級・2級施工管理技士)」となることができましたが、建設業法の改正で「技士補」が新設されたことにより、「主任技術者の資格を有するもの(2級施工管理技士など)+1級技士補(1級一次検定合格者)」などを要件として、監理技術者の「補佐」ができるようになりました。
●対策
2級建築施工管理技士の試験は誰でも簡単に合格できるわけではないものの、しっかりと試験対策を行えば独学でも合格する可能性は高いです。特に第一次検定では、過去の試験問題と似かよった問題の出題率が高い傾向にありますので、過去の頻出問題を繰り返し解けるようになるまで勉強すれば、合格点はとれると思います。施工管理技術検定試験の場合、「適当でないもの(説明)」を選ばせる設問がほとんどです。これは他の施工管理技士のマークシート試験対策でも使える方法ですが、正解以外の選択肢は「適当な説明」として、まとめて覚えてしまうのが効率的で、その点でも、「正解以外」の選択肢についても解説されている問題解説集を選ぶ事が重要です。私は1ヶ月ほど毎日勉強して受験に臨みました。
「2級建築施工管理技士 一次対策問題解説集 令和3年度版」(2.420円)直近のものから過去7回分の問題が載っていて、全ての選択肢に詳細な解説がついてます。昨年度と同じ問題が登場する可能性は低いですが、4~5年経ち、忘れかけたころに同じ内容が出題されるということはよくありますので、掲載年数の多さは意外と大事です。学科試験はこれ1冊だけで勉強できます。
●試験
なんとか合格ラインには達したかなという感じ。第一次検定の出題形式は記述式ではなく四肢択一のマークシート方式のため、解答欄が空欄になる心配がありません。また、建設施工管理技士試験は必須問題と選択問題がありますので、必要解答数さえ満たせば得意な科目以外は数問飛ばすことができますので、過去問を繰り返し解いて勉強することで合格圏内を目指すことも可能です。
試験会場は京浜急行線「金沢八景駅」より徒歩20分 関東学院大学 横浜・金沢八景キャンパス8号館でした。㊨【合格証手数料】2,520円
●感想
建設業界において欠かせない資格である「施工管理技士」。改正建設業法の「技術検定制度の見直し」により、「学科試験」と「実地試験」により行われていた施工管理技術検定について、令和3年度の試験から両試験を独立した 「第一次検定」及び 「第二次検定」として実施し、 第一次検定合格者の称号を「技士補」、 第二次検定合格者の称号を「技士」とすることが定められました。これにより、一次検定だけの合格でも技士補の称号を得ることができます。また、一次検定を合格した者には、一次検定が無期限で免除され、毎年二次検定からの受験が可能となります。建設施工管理技士は建設工事に欠かせない資格で、若い世代の資格取得者が少なく、人手不足や後継者の育成などの課題が残されており、建設施工管理技士の需要はますます高まっています。新制度で更に受験がしやすくなった建設施工管理技術検定、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。