●概要
事業者は、安衛則第36条第1号に掲げる業務のうち、自由研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務に労働者を就かせるときは、安全又は衛生のための特別な教育をしなければならないことが義務付けられています。今回はIHI技術教習所東京センターにお世話になりました。
受講費用:11,000円(税込)
受講資格:資格・経験は不要です(満18歳以上)
対象業務:研削といし(グラインダー)の取替え又は取替え時の試運転業務
講習時間:学科実技 計6時間
※自由研削とは、削る物を手に持って研削作業を行うか、グラインダーを手で保持し、といしを削る物に押し当てて行う研削作業をいい、設備としては卓上用電気グラインダー(両頭グラインダー)や電気ディスクグラインダー(電気サンダー)等があります。
場所は東京メトロ 南砂町駅より徒歩14分 IHI技術教習所 東京センターで受講しました。
●カリキュラム
学科講習
自由研削用研削盤、自由研削といし取付け用具等に関する知識 【2時間】
自由研削といしの取付け方法及び試運転の方法に関する知識【1時間】
関係法令【1時間】
実技講習
自由研削といしの取付け方法及び試運転の方法に関する知識【2時間】
研削といしによる業務はあらゆる業種で行われていますが、技術の進歩により「といし周速度」が高速化したことにより破壊力と危険性が増大し、「といし破壊」による破片での災害が発生しています。といしは、高速回転しており最高使用周速度を超えると遠心力等で破壊され、破片により重大な災害を引き起こす恐れがあります。作業者は危険性を十分に認識し、研削盤とといしの適合確認を行わなければなりません。事業者は、自由研削といしの取替え、又は取替え時の試運転の業務に就かせる労働者に対し、特別教育の実施が義務付けられています。
「といし」は「回転させて使うもの」と「回転させないで使うもの」があり、研削加工のように、回転させて使う「といし」を「研削といし」。一方、回転させないで使うものには「手とぎといし」があり、主に包丁を研ぐときなどに使います。砥石は漢字で表記されることが多いですが、JIS R 6004では、漢字ではなく、「ひらがな」で定義しています。したがって、正式には「といし」と書くのが正解です。
●感想
研削といしは「小さな石」の集合体で、石と石の間には「空洞」があります。そして石と石を結びつけるための「接着剤」の3つで構成されています。 このような構造は私たちの身近なものでも見ることがき、東京浅草の名物の「雷おこし」がこれに該当します。グラインダーで研削加工を行う際にといしは欠かせませんが、といしは消耗品なので必ず新品に取替える作業が必要です。また、加工物や仕上げ状態に合わせて違う種類のといしに取替える必要も出てきます。研削といしはグラインダー等で使用している内に少しずつ壊れながら加工するため、陶器のように壊れやすくなっていきます。十分な知識がないまま取替え作業を行うと、高速回転中に破壊され、その破片の直撃を受ける等の災害が発生し、大変危険です。そのため、研削と石(グラインダー)の刃取替等の作業には資格が定められています。是非、研削としい取替え作業の資格をとって正しく安全に作業しましょう。