●概要
労働安全衛生規則により、一つの荷でその重量が100キログラム以上のものを、貨物自動車等に積卸し作業を行うときは、安全を確保するため、その作業を直接指揮する者を定め業務を遂行するよう義務づけられています。加えて、積卸し作業指揮者には職務に必要な知識を付与するための教育を実施することが必要とされております。本教育講習は、厚生労働省(旧労働省)が定めた安全衛生教育実施要領において、作業指揮者の職務遂行に必要な知識等を付与するために示された教育カリキュラムに基づき実施いたします。今回は陸災防神奈川県支部にお世話になりました。
受講費用:7,420円(受講料 5,000円+消費税 500円+教材費 1,920円)
受講資格:一つの荷でその重量が 100キログラム以上のものを、貨物自動車等に積み卸す作業の作業指揮者、および新たに選任される方
講習時間:9時~17時(7時間)
場所は新横浜駅より徒歩10分 新横浜会場(神奈川県トラック総合会館)で受講しました。
●カリキュラム
講習会の内容(9:00~17:00)
① 積卸し作業指揮者等の職務等 1時間
② 貨物自動車等への積卸し作業 4時間
③ 異常時等における措置と災害事例 1時間
④ 関係法令 1時間
⑤ 修了証交付 計 7時間
労働災害は長期的には減少傾向にありますが、陸上貨物運送事業については、過去20年間、減少傾向が見られません。特に、荷役作業での労働災害は、毎年1万件近く発生しており、労働災害全体の1割に達しようとしています。しかも、荷役作業での労働災害の3分の2は荷主先で発生し、そのうちの8割は貨物自動車の運転者が被災しています。
既に積卸し作業指揮者教育を修了した方は、追加講習3時間(共通部分の省略と必要部分の追加)受講することで、車両系荷役運搬機械等作業指揮者教育を修了することが出来ます。また逆も可能です。
●感想
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などを受けて、宅配需要が急増しています。荷物数の増加に伴い陸上貨物運送事業では、荷主先においてコンテナやパレット、建設資材、飲食品等の荷物の積み込み、積卸し作業での労働災害が増加傾向となっており、トラック運転者のみならずフォークリフトの運転者や周辺の作業員の方々も、墜落・転落災害・転倒災害、荷物の飛来・落下や衝突による災害等で被災しております。平成31年/令和元年の陸運業の労働災害発生率[千人率(1年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合を示すものです。)]は8.55と全国産業平均2.22と比べてかなり高い水準となっております。労働災害が過去最多の危機的状況が続いてることを労使で共有し、安全な荷役作業を行わせるため、この作業指揮者等に対する安全教育を受講されてみてはいかがでしょうか。