●概要
砕石業務管理者試験とは各都道府県ごとに実施される国家試験で、採石採取場において、岩石採取、災害防止・教育、災害時の調査、対策を講じる採石業務の専門家です。採石法に基づいた資格の一つで、採石業務には採石業務管理者の配置が義務づけられています。
受験資格:年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。
受験料:8,000円(収入証紙)
試験日:いずれの都道府県においても毎年1回、10月第二金曜日に一斉実施している
試験内容:砕石の採取に関する法令 - 10問 砕石の採取に関する技術的な事項- 10問(必須問題5問および選択問題10問)
合格基準:配点は、1問につき10点で200点満点です。総得点が140点以上で、かつ法令問題および技術問題の得点がいずれも70点以上で合格となります。
合格率:令和元年 37.6% 累計平均 32.1%
※受験要項は各都道府県により異なりますので、最寄りの採石担当課へ必ず問い合わせるようにしてください。
受験願書の提出も、受験会場も日本大通り駅より1分 神奈川県庁新庁舎。受験者は34名でした。
●対策
株式会社日本砕石新聞社から「砕石業務管理者試験の受験テキスト3,000円(税・送料別)」「砕石業務管理者試験の問題集と解説(3,000円(税・送料別)」「採石法および関係法令集400円(税・送料別)」がそれぞれ販売されていますのでご利用下さい。問題と解説では、過去問の中から出題頻度の高い問題を選定して解説もしているので、合理的に勉強することが可能です。試験は択一問題のみなので、これらのテキストをしっかり勉強すれば実務未経験の方でも十分合格可能です。私は2ヶ月ほど毎日勉強して受験に臨みました。
●結果
試験結果は法令100/100点 技術80/100 合計180/200で合格です!やはりこの試験は技術問題が肝ですね。
砂利採取・土採取と受験しましたが、一番難しかった印象です。試験科目が砕石法だけにとどまらず、公害対策基本法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、火薬類取締法、砂利採取行為規制関係法、砕石の採取に関する専門知識と実技の両方について出題され、覚えるべき範囲は広いので、満遍なく勉強しておきましょう。この試験の他にも採取場での災害を防止するために必要な知識及び技能について行われる資格試験に、砂利採取業務主任者や土採取現場責任者があります。受験資格がなく誰でも受けられるため、土木関係の仕事の実務経験がない方でも取得が可能です。
●感想
採石業務管理者は採石場の業務で石を切り出す際に、採石計画の認可や災害防止、安全確保などの業務を行ない、都道府県知事の登録を受けなければなりません。そして採石業務には一定の知識及び能力をもつ採石業務管理者をその事務所に置くことが義務づけられています。そのため、常に一定のニーズが見込め建築関連企業や土木業界で欠かせない存在です。土木関連の資格の中には、実務経験がなくても受験できる資格があり、この試験もその1つです。資格があれば就職・転職で有利になることも多いので、興味のある分野は積極的に取得しておくのがおすすめです。軽石や岩石などを採取する職場において、災害を防止するスペシャリストである採石業務管理者。ご興味のある方は目指してみてはいかがでしょうか。