概要

山林で伐採された原木は、山の斜面に設置された機械集材装置や運材索道などを用いて搬出されますが、機械集材装置や運材索道の組立て、解体等の作業やこれらを用いて集材や運材の作業を行う場合は、林業架線作業主任者免許を受けた者のうちから林業架線作業主任者を選任することが必要です。作業主任者は、これらの作業に際し、作業方法の決定、作業者の指揮などの職務に携わります。今回は公益財団法人 安全衛生技術試験協会関東安全衛生技術センターで受験してきました。

受講費用:8,800円 

受験資格:年齢や学歴、実務経験に関係なく受験することが可能です。ただし、免許申請の際には3年以上の林業架線作業の業務経験を証明する書類が必要です。

問題数:40問/3時間、科目免除者は30問/2時間15分

合格基準:各科目ごと最低4割、全体で6割(20問中12問)以上の正解率であること。

合格率:86.7%(令和2年度)

試験期間:各地域、年1回開催されます

試験内容

40問/3時間(科目免除者は30問/2時間15分)<13:30~16:30>
① 機械集材装置及び運材索道に関する知識(10問)
② 林業架線作業に関する知識(10問)
③ 関係法令(10問)
④ 林業架線作業に必要な力学に関する知識(10問)

 

林業架線作業とは、伐採した原木を、木材加工場まで運び出す際に使用する機械集材装置や運財用空中ケーブルなどの設備の組立て・解体・変更・修理、作業方法、労働者の配置を決定する作業の指揮を行う責任者です。 支柱や主要機器の配置、労働者の配置などを決定し、安全に作業するための指示監督を行います。

対策

資格取得のための勉強方法としては、過去問題から類似した問題が出題されることが多いため、過去問題重視の勉強を進めていくとよいでしょう。過去問題は、「安全衛生技術試験協会」のHP上で過去の試験問題・ 正答(正答例)が公表されていますので、試験対策に役立ててください。また、関係機関が実施している講習会に参加するのも効果的な試験対策です。講習会については、「林業・木材製造業労働災害防止協会」のHP上に掲載されていますが、詳細については各都道府県支部に問い合わせてみてください。

 

『林業架線作業主任者過去問題・解答解説集』4,400円(TAKARA license)過去問題から過去8回分を収録し、解答解説しています。

結果

なんとか1回で合格!資格取得を目指すための講習会などに参加する方法もありますが、試験の合格率は比較的に高いので、仕事をしながら取得できる資格といえます。学科試験に合格し、学歴または実務経験の要件を満たして申請すると免許が付与されます。

まとめ

日本は国土面積の約70%が森林であり、先進国の中では有数の森林大国です。その貴重な資源である森林をどのように活かし、どのように次の世代に受け継いでいくかを考え守り継ぐ仕事が「林業」です。森の木を伐採し、切った木を加工して販売することも林業の1つですし、森に木を植えることも林業の仕事の1つです。林業架線作業主任者は、山林で伐採した原木を木材加工場へ運び出す際に、山の斜面に設置する機械集材装置や運材索道などの設備の組み立て・解体・修理などの作業に関して作業方法の決定や安全な業務のための指揮を行う資格者です。間伐は、防災や環境保全などにおける公益につながる業務であり、林業に携わる人にとって林業架線作業主任者は重要な国家試験の一つです。最近は林業に従事する人自体が減っているため、重宝される存在であり、また今後も一定の需要が見込める職種です。現在林業架線作業に従事している方のキャリアアップや、同業種への転職を考えている方は、受験されてみてはいかがでしょうか。