概要

高圧室内作業主任者は、高気圧の作業室の内部において、高気圧障害を未然にふせぐための作業方法を指揮したり、室内の圧力を適切に維持したりするための国家資格です。私は公益財団法人 安全衛生技術試験協会関東安全衛生技術センターで受験してきました。

受講費用:8,800円  

受験資格:年齢や学歴、実務経験に関係なく受験することが可能です。ただし、免許申請の際には2年以上の高圧室内業務に従事したことを証明する書類が必要です。

問題数:合計40問【午前、午後合計4時間】 

合格基準:各科目ごと最低4割、全体で6割(40問中24問)以上の正解率であること

合格率:77.5%(2022年)

試験期間:各地域、年1回程度

試験内容
□午前(2時間) <10:00~12:00>
① 圧気工法知識(10問)
② 送気・排気(10問)
□午後(2時間) <13:30~15:30>
③ 高気圧障害の知識(10問)
④ 関係法令(10問)

 

高圧室工事とは、日常生活で送る大気圧よりも、高い圧力下で行う工事のことです。主に地下トンネルや海面下での橋脚工事など、作業場周囲に水がある環境で行われます。作業場内を外気より高い圧力をかけることで、作業場内に水が入ってこないようにするなどの目的で行います。

対策

高圧室内作業主任者になるには、当然、圧気工法や送気や排気の仕方、また高気圧障害に関する専門的な知識が必要ですのですが、残念ながら高圧室内作業主任者関連のテキストは非常に少なく、ネットで検索してもあまり見つかりません。この試験に登場する問題はパターン化されていますので、過去の頻出問題を繰り返し解けるようになるまで勉強すれば、合格点はとれると思います。勉強期間は1ヶ月くらい。

 

『高圧室内作業主任者過去問題・解答解説集』4,400円(TAKARA license)過去問題から過去8回分を収録し、解答解説しています。

結果

合格!特に難しい試験ではなく、しっかりと勉強しておけば合格できるレベルの試験です。もし不安な方は、日本圧気技術協会が東京・名古屋・大阪で実施する、受験準備講習会に参加してみてはいかがでしょうか。講習会の日程は各地区の試験日程に合わせてありますので、計画的な試験対策が可能です。また、受験準備講習会で使用するテキスト「高気圧作業安全衛生の手引」は、日本圧気技術協会のHPから購入することもできます。

 

㊨2021年建設業従業者482万人のうち、高圧室内業務(圧気土木作業)の従業者数は500人~600人、潜水業務の従業者数は3500人~4000人です。

まとめ

気圧の高い場所での作業は、作業場から退出した際に気圧が急激に変化することで、高気圧障害を引き起こす場合があります。そのため、通常の大気以上の気圧がかかる高圧の作業室やシャフト内部で作業する際には、その安全性を管理する責任者である高圧室内作業主任者の設置が必要です。高圧室内作業は、急激な気圧の変化によってさまざまな事故を引き起こす危険が高いものです。高圧室内作業主任者は、特殊技能を持っている専門家として高く評価されているため、近年人気が高まっている資格です。作業室ごとに有資格者を選任することが決められているため、今後も一定の需要が見込めると思われます。橋の橋脚やトンネルの換気塔、シールドマシーンなど高圧室内で作業をする方は、ステップアップのために資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。