「で?また何も考えたくないから先生のところに来たってことね?」
「べっっつに考えたくないわけじゃないけどー」
「あなたが何もない日にピアノ習いに来るときは大抵何か悩みとか面倒なことがあったときだもの」
ここは私が小さいときから習ってるピアノの先生の家。家から徒歩で来れるから何かあったら大体ここに来てピアノを習う。
「悩みではないけどみんなが進路進路うるさいんだもん」
ポロン♪
ピアノに顔を寄りかけながら軽く鍵盤を触る。
ピアノの音は胸に響いて心地よい。
「進路ー?
そのまま高校上がるんじゃないのかしら?」
「うーん」
鍵盤から手を離してソファーへ寝転がり、壁を見ると沢山の海外からのお土産らしき人形や本が見えた。
「これって先生の旦那さんのお土産?」
「あーそれね。そうそう。海外出張が多いからよく色々買って帰ってくるのよ」
「ふーん!見てるとヨーロッパが多いんだね」
「まぁリタちゃんのお父さん程ではないけどね」
海外か
確かにこれから英語が役立ってくる時代になるし、バカでもせめて何かしら強みが欲しいなー
お父さんも英語話せなくて仕事で苦労してるし私がいつか役に立てられたらな
それに小さいときからイギリスによく行ってたし
今の友達とずっと一緒もいいけど、もっと色々な人と話してみたいな
私だけの人間がどこまで通用するのか。
海外か
ありだな。
このとき
私のなかで少し興味が出る未来ができた。